博多ごりょんさん [2016年2月9日05:26更新]

タグで検索→ |

人口150万人を超えた福岡市、7つある区の中で博多区は、戦前から商売人の色が濃い町で、博多の祭りとして全国的に有名になった祇園山笠も、元は博多区にある櫛田神社の夏祭りであり、祇園山笠が那珂川を渡って天神までお披露目に行くようになったのは、戦後の話である。
祇園山笠は男の祭りで、女性は「不浄の者」と見なし、20年前までは、詰所に立ち入り禁止の立札が出ていたが、女性からの抗議で今は取り払われて無い。
そんな男の祭りを陰で支えていたのが、「博多ごりょんさん」と呼ばれていた女性達で、男たちが山笠にのぼせている期間中、商売や家の留守を守っていたことから、尊敬の念を持って呼んだのが今でも残っている。
「博多ごりょんさん」は表に出ず陰で支える縁の下の力持ちで、白の割烹着が一番似合い、博多区の県議会議員だった新宮松比古氏夫人はその第一人者とも言える存在で、選挙を手伝った事務所の古い人の間では、今でも語り草になっているほどだ。
しかし最近の「ごりょんさん」は、いろいろな集まりごとの会を作り、裏方ではなく表に押し出し、パーティなどでも壇上で乾杯の音頭を取る人も出てきており、「博多のごりょんさん」のイメージも随分変わったものである。