11月に行われる福岡市長選挙では現在、民主党県連内において吉田宏市長の推薦をめぐってごたごたが続いている。一方、自民党など野党保守系会派はと言えば、数々の名前が現れては消える泡の様で、いまだに候補者が決まらず苦慮している。
そんな中、昨年の総選挙で落選した山崎拓氏が市長選へ立候補するとの噂が流れてきたから驚いた。まるで真夏の怪談話のようだがこちらは聞いても一向に涼しくならない。すでに過去の人と思っていた山崎氏が再び表舞台を狙っているとの「幽霊」出現に驚き、真相を確かめるために取材を行った。
7月のある暑い日、山崎氏と同じく落選した山崎派の元代議士H氏に、元秘書のS氏が加わり食事を行った。この時、山崎氏が福岡市長選挙出馬を仄めかしたのが発端で、同席の2人が支援者の間を回り始めたのが噂となって広まったと思われる。
2人は訪問した先の支援者に「拓さんが出馬したら、応援してくれるか」と問うたが、大多数の人が「頑張るように伝えて下さい」と回答をしたという。その直後に訪れてあらためて話を聞き、再度同じ質問をすると「あの時の答えはあくまで社交辞令」とした上で「過去の人を応援はしない」。これが世間一般の本音だと断言していいだろう。
従来の支援者の「建前」を真に受け、その本音をつかめずに舞い上がっているのであれば、前回選挙で落選するのも当然であろう。
山崎氏は落選後も支援者の集会を開催しているが、北朝鮮の話など多くの出席者にとってはあまり関心のない話題が中心で、抑揚のない喋り方はお経と一緒。半数の人が眠っているのを関係者は知らないのだろうか。
同氏に過去世話になった人が、義理で会に出ている人が大半で、もう誰も山崎氏の再起には期待していない。この現実を本人が自覚していないから不思議で、友人や周囲の人がきちんと知らせるべきである。
それでも本人は依然として次期総選挙へ出馬する意向のようだが、大多数の人は心の中で「もう拓(たく)さん」とつぶやいている。こんな記事も読まれています
真夏の怪談話 福岡市長選めぐる「幽霊」 [2010年8月3日11:01更新]
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