違法な農地改良を不問に?・福岡県 [2021年1月18日09:48更新]

八女市本地区のブローカーTA氏が、農業委員会の許可も得ず大規模な開発行為を行っているのは既報の通りだが、福岡県が不問に付すという噂だ。

問題の場所は、同氏が代表を務める㈱八女北部開発が、平成30年6月にホームページで、「来年バイパス着工予定」と記載し、「八女北部工業団地」として不動産の物件情報を掲載した地域にあたる。

八女北部工業団地の売却物件情報(2018年6月27日現在)

もともと農地だった場所、事前にバイパスが通る情報を掴んで売り出しているものだが、簡単には農地転用の許可は下りないので、いったん「農地改良」の目的で造成しておき、芋でも植えて、時期を見計らって 農地転用の申請を出すつもりだろう。

しかし、農地改良であっても、「施工期間が3ヶ月以内であること」「施工面積が1000㎡以下であること」「造成高が現況より原則として概ね1m以下であること」のうち1つでも条件を満たしていない場合は、県知事の許可を得ることが義務付けられていて、その際、多くの添付書類の提出が必要でハードルが高い。

今回のTA氏が開発中の土地は、施工期間が1年以上、施工面積は10000㎡以上、しかも1m以上の造成高、3つの条件の全てを満たしていないにも拘わらず、無許可で工事を進めているのだ。



なぜそのようなことが許されるのか。
ある住民は、「TA氏は以前から無許可で開発行為を続けてきた常習犯、三田村市長とは県議時代から深い付き合いで、市もTA氏のために市道の整備などで便宜を図ってきた。敵にすると厄介なので、地元の人や市役所の職員も触りたくない人物」と話す。

福岡県のホームページには、「県知事の許可を受けないで無断で農地を転用した場合には、農地法違反で原状回復等の命令がなされる場合や、罰則が適用されることもある」と記載されている。
このように意図的な確信犯を野放しにして、造成後に追認したり不問に付すようなことがあれば、いわゆる「やったもん勝ち」、今後県内各地で同様の開発行為を行う者が出てくるだろう。

こういう悪質なケースこそ、「原状復帰」などの厳しい処分が必要と思われるが、県の対応を注視していきたい。


現地の地図はこちら

農地転用に必要な多くの提出書類