NEXCO西日本の関係者から興味深い話を聞いた。
前述のように、大島産業の工事では、証明する検査手続きや書類の不備、数量が不正解、確認できていないものが多いが、資産の取り扱いの関係から 引き渡しが簡単ではないというのだ。
高速道路に係る道路資産は国に帰属しており、「独立行政法人 日本高速道路保有・債務返済機構」が保有し、NEXCO各社に貸し付けている。
同機構は NEXCOが高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために負担した債務の引き受けを担っている。
その際、対象となる道路資産に対し、証書類や道路資産原簿等を照合することで、引き受け額が適正ということを確認するという。
NEXCO中日本が現在、本来大島が負担すべき品質と寸法の適合調査に協力しているという話だが、その結果 全て証明ができて書類が全部整えば 引き渡しに問題はなくなる。
しかし、証明できなかった場合や、規定の方法での確認ができず 別の簡易な方法で規定品質に類似判断ができたという場合はどうするのだろう。
当然のことながら、国への引き渡しはできず、品質不明、もしくは規定に不適合なものが、多くの一般通行車両が通る場所に放置されることになる。
また、跨道橋を管理する地方自治体にも引き渡しができない。
仮に放置扱いされた場合、資産としてどう取り扱うのか 悩ましい問題である。
書類の不備は、工事代金の確定に止まらず、国の資産にまで関係してくるということだ。
まずは 適正な価格である事、品質、耐久性を確認した根拠を明らにする必要がある。
国や自治体に引き渡す資産に、特定業者の優遇や不透明な処理、隠蔽は絶対にあってはならない。