大阪万博とゼネコン [2025年3月21日09:45更新]

4月13日開幕の大阪・関西万博まで残り3週間となるも、チケットの売れ行きにも暗雲が漂う中で、各パビリオン建設も大きく遅れている。

チケット販売状況は目標の1400万枚を大きく下回る800万枚、日本国際博覧会協会は2820万人の来場者を見込み、運営費1160億円の大半は入場料収入で賄うとしていたが、状況はかなり厳しい気配が漂っている。

インフルエンサーなどを使い開幕後に人気が急上昇し、当日チケットなどの販売が好調に推移すれば、収益面もプラスになる可能性もなくはない。

しかし、建設費同様に赤字幅も膨らみ税金投入の可能性も十分に考えられ、そうなれば吉村洋文大阪府知事の責任問題はもちろん、ひいては日本維新の会の支持率低下にも繋がりかねない。

開幕が近付いても、「目玉がわからない」「価格が高すぎる」「交通アクセスが悪い」「パビリオン建設が遅れ、内容が見えて来ない」などの理由から、万博に行きたい人の数字も低下、特に地元京阪神圏の人気が落ち込んでいる。

47ヵ国が独自に建設する海外パビリオンも、先月までに完成したのは6ヵ国のみ、これまで夜間や祭日の工事は行っていなかったが、24時間フル稼働体制に移行、4月5日、6日には大阪在住の4万人を集めプレオープンが予定されており、実質的な工期を今月末と考えると厳しさはかなり高いと見る関係者もいる。

パビリオン建設においては、各国のこだわりが非常に高く、各国産の建材などを求めており、材料が間に合わない話や工程のやり直しなどもあるようだ。

主要道路が1ルート、地下鉄が1路線、駐車スペースから現場までが非常に遠いなどの声もあり、体調が悪くなった場合などの労災も心配され、万が一にも事故が起これば全ての責任を負わされるだろう。

しかし、日本のゼネコンの技術力の高さは評価されており、また意地でも無事故で全ての工期を間に合わせると思うが、兎にも角にも無事に完成させ、日本のゼネコンの底力を見せつけて欲しいと思うばかりだ。