どうしちゃった自民党? LGBT法案通過なら…

自民党が「LGBT法案」について、反発する保守派議員らに配慮した修正案を党内会合で事実上了承し、総務会で正式決定した後、19日に議員立法として国会提出するというニュースがあった。

しかし、「内閣第一部会・性的マイノリティに関する特命委合同会議」に参加していた議員のSNSで、継続審査を求める声があるも 採決が行われ、反対15・賛成10・中間3の 反対多数という結果だったということが判った。
ところが、役員が議論を打ち切って「一任願いたい」という流れで 提出が決まったことが明らかになったという。

もちろん総理の指示あってのことだと思うが、反対が多いのに 力技でひっくり返すことが罷り通れば 自民党は民主的な政党とは言えないし、もはや保守政党とは呼べなくなるだろう。

そもそも、G7広島サミットに間に合わせるとか、エマニュエル駐日大使が法案成立を求めているなどと報じられているが これは内政問題。
エマニュエルは民主党のバイデン大統領が任命した大使であって、仮にLGBTに否定的な共和党が政権を取れば 首になる人物、アメリカという国の恒久的な立場を代弁している訳ではない。

仮にこの法案が通れば いかに社会に影響があるか等、起こり得る問題についての議論は全くされていないし、総理も もともとそういう認識だったはずである。
重要なのは、身体も心も女性の権利が脅かされる危険性を孕んでいることだ。

例えば、トランスジェンダーで「外見は男性だが心は女性」という人が女性トイレに入ってきた時に、一般女性は拒否できなくなる。
今でさえ女性トイレでの性犯罪が繰り返し報道されているが、これを悪用する輩も出てくることは間違いない。
もちろんトランスジェンダーの方の人権に配慮する必要はあるが、こうした重大な点について答えがないまま法案が通ろうとしている。


本来、女性や女性の人権を守る団体が反対の声を上げるべき法案だが、安全が脅かされる可能性があることなど デメリットについて周知がなされていない。
自民以外では、立憲、国民、共産、社民、そして 維新が この法案の速やかな成立を目指している。

この法案を無理に通せば、自民党を見限る党員が出てくる可能性もある。
唯一、参政党だけが 反対を表明しており、自民党の動き次第では 保守層が参政党支持に流れるかもしれない。


参照:弊社記事「LBGT法案提出の前にやるべきこと (2023年3月30日)」

LBGT法案提出の前にやるべきこと

アメリカ・テネシー州の学校で、教員と児童の計6人が銃に撃たれて亡くなる痛ましい事件が起こった。
当初犯人は28歳の女性と報じられたので驚いたが、あとで元男性のトランスジェンダーと判ったので納得した。

テネシー州では、学校や公園など公共の場で 子どもに影響を与える「ゲイ」のショーを禁じる法案や、性同一性障害の未成年がホルモン剤や性転換手術などの治療を受けることを禁止する法案が可決したばかりで、これに抗議する声だけでなく殺害予告もされていたという。
銃の問題にLBGTも絡み合った、アメリカを象徴する事件と言えよう。

ところで、首相秘書官のオフレコ発言が発端となり、岸田総理が自民党にLBGT法案の提出を指示してから2ヵ月経つ。
オフレコを公表した全国紙は、社説で「性的少数者に対する差別の解消は一刻の猶予もならない課題」として、法案提出を党任せにし率先して取り組もうとしない総理を批判する。

もちろん差別は良くないし、国民の理解を深めていく努力も必要だが、果たして一刻の猶予もならないほど深刻だろうか。
その前に、LBGT法が社会に与える影響について、国民は何も知らされていない。

LBGT関連法を制定している国は少なくない。
しかし、レイプ犯の男性が公判中に性別を変更して女性刑務所に入ったという嘘のような話が実際に起こっている。
トイレや公衆浴場の問題もある。
法律の種類、法律制定の前後の社会変化、ソフト面やハード面でのコストなど、研究すべきことは山ほどある。

法律が出来ればそれを盾にした訴訟リスクもあり、モノを言えなくなる社会が来るかもしれない。
これにはもっと女性の方から声を上げるべきだと思うが、そうした機運が盛り上がらないのは、人権問題として声を上げにくいという一面もある。
そして、何よりも国民に情報が伝わっていないからではなかろうか。

まずは、LBGT法が成立したら 社会の何がどう変わるのか、メリットとデメリットを国民に示すことの方が先だ。