鉛筆なめなめ、どうにでもなる理由付け

国道3号広川八女バイパスは、今年度 5000万円の調査費が予算化され もう止められないところまで来ている。
しかし、国や県、自治体から漏れ聞こえて来る担当者たちの本音は、「こんな仕事やりたくない」と共通する。

この計画は、市長の弱みを握るタカハシという土地ブローカーが 自身の土地を通すよう要求したことから始まったものだ。
そして、バイパスが通る話など何も出ていない頃に、藤丸敏議員が「古賀先生がバイパスを持ってきてくれた」とか、広川町の渡邉元喜町長が「バイパスを上広川小に当てて国のお金で建て替えさせる」と発言していたが、今はその通りに事が進んでいる。
いずれも選挙前の発言で、リップサービスのつもりだったかもしれないが、こうした証拠・証言が残っている。

こうした経緯は 弊社が既に報じており、国の役人も県や市町の職員も 弊社の記事をチェックし把握しているそうだが、弊社に対して役所から反論もなければ、関係者から提訴されてもいない。
全て事実だからだ。

国民・県民の血税を使って、無駄な道路が作られようとしている。
いかに、この計画が利権まみれで 道路行政で公平性を欠いているかを書いているので、是非とも過去記事を参考にして頂きたい。

弊社記事→ 歪んだ3号線広川~八女バイパス



さて、同バイパスについての国の新規事業採択時評価の内容が公表された。
試算された事業費(C)は 272億円、それに対し 総便益(B)は 342億円、いわゆる費用対効果(B/C)は、
272億÷342億 で 1.3、1を超えたことで事業を進める価値があるということだ。

これまで B/C が1を超えたことを根拠に、数えきれないほどの公共事業が進められてきた。
完成後 利用が少なく明らかに無駄だったと言える事業も枚挙に暇がないが、役所が当初の事業見込みを再検証したとか 反省したというニュースは記憶にない。
B/Cは 結論ありきで 1を超えるように 鉛筆を舐めればどうにでもなるが、誰も責任を取る仕組みがないから 繰り返される。

例えば総便益 342億円というが、その前提の作り方で計算が違ってくる。
地元の人の話を総合すると、「このバイパスができても一般の車両は 現国道沿いの店舗や公共施設に用事があり、わざわざバイパスは使わない。久留米方面に急ぐ人は 県道82号線(久留米立花線)を利用しており不便はない。バイパスができて喜ぶのは 熊本方面へ行き来するトラックだけ」ということだ。
また、仮にバイパスの交通量が増えると、広川町の県道82号線や国道3号線で久留米方面に右折する際、混雑が予想されるので、敬遠するのではという声も出ている。
前提が違えば 総便益342億円が著しく減少する。

また、事業費が272億円というが、地元国会議員が建設会社の社長に 600億円と吹聴して回っていたことが分っている。
建設が始まってから工事費を増額する確信犯的な手法は以前から使われており、400億500億と増額していくのは間違いない。
なぜなら、政治家が有権者に嘘をついてはいけないからである。

総便益が減り事業費が増えれば、B/Cは一気に1を切り、事業を進める根拠は消滅する。
このように、B/Cは全く意味のない数値だが、結論ありきで1を超える積算をして、それを錦の御旗にして事業は前に進められていく。

それを指をくわえて見ているしかないのが現状で、タカハシや一部の政治家たちの高笑いが聞こえてくる様だ。
「こんな仕事やりたくない」という本音を殺して 業務を進めている公務員の皆さんは気の毒でならないが、内部から声を上げてほしいという期待もある。
利権絡みで公平な手続きを経ていない無駄な道路と知っているのに声を上げないなら、「役人も奴らの片棒を担いだ」と言われても仕方がないのでは。


- 了 -

利権絡みの計画、税金使って陳情へ

消費税率のアップ、道路利用税・炭素税など新たな税が検討されているという。
新型コロナ対策に当てられた国家予算は令和2年度だけで77兆円、これから防衛予算の増額もあり政府の台所は火の車だ。
各省庁からの予算要求に加え族議員からの圧力があると想像するが、本当に必要なところに必要な予算が配分されるよう、財務省には毅然とした対応をお願いしたい。

ところで、誰が考えても優先度が低く 最低300億円を投入する「国道3号 広川~八女バイパス」の計画が予算化されようとしている。
地元八女市では、県道82号久留米立花線が整備中で必要に迫られていないことから、当初から反対の声が上がっていた。
それを誰とは言わないが、政治家が行政に圧力をかけ利権絡みの計画を力技で強引に進めてきた経緯がある。



そして今月、地元の首長や議員、商工会長ら十数名で大挙して国交省に陳情に行くという話が入って来た。旅費はもちろん税金だ。
予算化を確実にするため 「八女市民の総意」をアピールする目的の様だが、土地を事前に購入していたブローカーと一部の建設業者が潤うだけで、地元住民に殆どメリットはない。

それに 300億円で済めばいいが建設費の高騰でそれで済む訳がない。
そもそも自民党の代議士は600億円と業者に吹聴して回っていた。
福岡県民が3分の1、国が3分の2を負担することを 福岡県民の皆さんはご存知ですか?




国交省・財務相の役人に読んでほしい過去記事
 → コンプライアンス違反の疑い




本当に必要とされているのは久留米市中心部への渋滞対策