11月28日の新聞で、中村学園大学の准教授が発表した論文に不正があったという報道があった。
同大学によると、通報を受けて今年6月から委員会を設けて調査を開始、10月まで検証を行い、報告書をまとめ11月26日付でホームページ上に公表している。
迅速な対応と、積極的に情報公開する姿勢は素晴らしいものだ。
一方で福岡大学の場合、幾度も指摘してきたが、7月17日付で理事会に提出された「若葉高校移転に係る調査委員会の報告書」は、4ヵ月経った現在も公開されていない。
日経BPコンサルティングが行った「大学ブランド・イメージ調査」で、福岡大学が前年の6位から2位に躍進したというニュースもあったが、イメージだけでなく、不都合な真実もオープンにするだけの情報公開の姿勢を期待したい。
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情報公開・問われる大学の姿勢
若葉高校・福岡大学への推薦枠
福岡大学の学長選挙は、山口学長を支えてきた副学長らも立候補したが、現医学部長の朔啓二郎氏が選任され、新執行部の人事も発表となった。
問題の発端となった若葉高校であるが、最近は少子化の中で生徒募集に苦戦、1学年定員400名に対し、現在3年生は250名、2年生は318名といずれも定員割れの状態が続いており、福岡大学の重荷になりつつあった。
そこで思い切った改革に舵を切ろうと「新教育ビジョン」を発表、2019年度から男女共学に踏み切ると同時に、定員320名の「高大一貫コース」を新設することとした。
「新教育ビジョン」には「拡大した附属推薦制度により福岡大学に進学できます」と書かれていて、現在163名という福大への推薦枠を2年後には300人に拡大することを想定していたようだが、それは定員の320名の入学が前提の話である。
しかし、入学試験の蓋を開けてみたら想定を超える1238名が受験、専願で受験した生徒をほぼ受け入れ、定員の2倍以上の815名を入学させたため、学校関係者から驚きや疑問の声が上がっていた。
当然、保護者からはさらなる福大推薦枠拡大を要望する声が多いが、福岡大学全体の推薦枠に影響があり、さらには学力レベルの低下も懸念されるため、単純に拡大するわけにはいかないのが実情だ。
「高大一貫コース」を掲げた以上、難しい対応に迫られており、福岡大学の新執行部も含めた今後の判断に関係者の注目が集まっている。
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福大・幻の報告書
26万人の卒業生を持つ福岡大学は、現山口学長率いる執行部の暴走から、若葉高校移転に関わる特別委員会が6月に設置され、7月17日に報告書が理事長に提出された。
しかし、お飾りと呼ばれている理事長は、理事会を招集し、報告書を理事に一読させるも、会議終了後には報告書を回収したという。
いったい何を恐れて公表しないのだろうか。
聞くところによると、報告書の写しが学内に出回っていて、同様にマスコミ各社にも送付された模様で、報告書の中身は関係者の知るところとなっている。
報告書から垣間見える問題の根本原因は、以下の点が挙げられる。
1)理事長・副理事長の実質的権限が弱いこと
2)学長が専務理事を、副学長・事務局長が常務理事を兼ねていること
3)事務局の権限が異常に強すぎること
4)㈱福岡大学サービスというブラックボックス的な会社を有していること
これを機に、理事会に常勤の理事長を置き、執行部をコントロールしながら学校運営を行っていくことを提案する。
福岡大学の未来のために、理事会及び新執行部には改革を断行してもらいたい。
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福岡大学・若葉高校移転問題の後始末
若葉高校移転問題に係る調査報告書の中で、高宮校地の地質調査費 1079万円、及び、基本設計料 3564万円は、執行部が正式な事務手続きを怠って発注したとして、違法(内規違反)と認定されている。
合計額は4643万円であるが、8月29日に開催された評議員会で、執行部からこのうち約700万円を分担して支払うという提案があるも、「なぜ700万円?」「全額支払うべき」などの声が相次ぎ、承認されるに至らなかったという。
700万円で済むというなら、残りの約4000万円は法人が出すということになるが、その原資は学生から集めた授業料、自分たちが犯した内規違反を学生に尻拭いさせようというのだろうか。
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福岡大学・若葉高校移転に係る調査報告書概要
福岡大学・改革は事務局から
以前から建設業界では、福岡大学の仕事はコネがないと受注は出来ないと言われていた。
私学助成金が入っている以上、いくら私企業とは言え業者の選定過程は透明化すべきと思われるが、これまでも事務局と業者の癒着が疑われても仕方がない結果が、いくつも散見されていたのも事実。
まず、事業費60億円とされていた「若葉高校の校舎移転」の設計業者の選定であるが、当初は5社の指名でプロポーザル方式の技術提案で決定する予定であったところ、山村事務局長の提案で、㈱日本設計を追加することになった。
6社で技術提案を行った結果、日本設計は点数が2位であったが、若葉高校の校長から「第一希望は日本設計の提案」という意見があり、逆転で日本設計が受注することになった様だ。
あまりにも不自然な選定結果に、参加した業者からは「福大の業者選考は信用できない」と不満の声が出ているようだ。
次に、事業費210億円の「福岡大学病院新本館」であるが、こちらは随意契約で、しかも設計と施工を一元化するデザインビルド方式で、日本設計に発注された。
デザインビルド方式は設計業者が施工業者を決めることになり、メリット・デメリットは多々あるが、一つ言えるのは受注した設計業者にとっては金額面で有利ということだ。
60億円の若葉高校移転の業者選定が6社のプロポーザル方式であるのに、210億円の大学病院新本館が随意契約というのは理解できない。
日本設計は、同業他社と競争もせず難なく210億円の仕事を請け負ったことになる。
山口学長の娘夫婦が日本設計の社員ということが判っていたため、評議員会の席で、李下に冠を正してしまった学長に対して、事実関係を質す声があったが業者選定への関わりは否定したようだ。
選定過程を見ると、事務局が主導して特定の業者を選定していることが明らかになった。
これ以外の建築案件も随意契約が殆どであるが、公金を扱う役所では贈収賄の温床となりやすいため、通常は競争入札で業者を選定する。
改革のメスを入れるなら、先ずはブラックボックス化している事務局からではなかろうか。
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福岡大学・学長選挙直前
福岡大学の学長選挙の投票は9月15日に行なわれる。
学内外では、接待なども含めた集票活動や足の引っ張り合い、さらには怪文書も飛び交っているようだ。
企業の不祥事の場合、調査委員会終了後ウェブ上で報告書を公表するが、福岡大学は「若葉高校の移転問題」について第三者を含む調査委員会から提出された報告書を公開していない。
報告書では、学長ほか、副学長・事務局長・施設部長を含む執行部について「違法である」と認定している。
今回の学長選挙に立候補している5人のうち、副学長が2人含まれているということで、公表されたら選挙への影響は避けられないだろう。
あるOBは、「公表しないとだめだ。執行部が恥部を曝け出さなければ大学は変わらない。今回違法と認定された執行部は総辞職するしかない。」とつぶやいた。
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福岡大学・最強の事務局
福岡大学の学長選挙の日程を、事務局広報課に尋ねてみたところ、「公表していないので申し上げられません。」との素っ気ない回答、このような情報すら公開できないのかと驚いた。
「福岡大学は、執行部の中で歴代事務局長が最も力を持ち、学長をも動かしている。学長らは、事務局の人事や事務局がやることに口を出せない。」という噂も聞かれる。
そう言えば、若葉高校の移転問題に係る調査報告書でも、山口学長と共に、山村事務局長の責任は重いと結論づけていた。
山口学長の一方的な釈明文をホームページに掲載し、調査委員会の報告書を公開しないのも、事務局が主導しているのだろうか。
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福岡大学・幻の報告書
私立九州女子高等学校を若葉高校として附属化・男女共学化し、更なる拡大路線を走ろうとしていた福岡大学の執行部は、福大高宮校地への移転を計画し、プロポーザル方式で設計会社を決定しようとしたが、結果を無視した強引な決定がなされたことが判り、関係者から大ブーイングが起こった。
そこで、大学側は内部調査のための委員会を設置し、7月17日に報告書が提出されたが、どうもその内容が現執行部に不利な結論だったようだ。
そのため、一度は関係者に配布されるも、回収されたままの状態が続いていて、今では幻の報告書と呼ばれている。
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若葉高校の移転地?
福岡市中央区の福岡大学附属若葉高校の敷地は約8000坪、福大上層部が決定した福岡市南区にある移転予定地は約7000坪で、約1000坪狭いという。
加えて、予定地の下には警固断層が走っており、今後も歴史を刻んでいくであろう学校の建設地としては、相応しくないのではなかろうか。
大学関係者の親族が勤務する設計事務所が、予定地のボーリング調査を行なっていたことが発覚し問題になっているにもかかわらず、それでも建設を進めようとする動きがあるらしい。
フライングしてしまったボーリング調査の代金はどう処理したのだろうか。
また、関係者家族で行った海外旅行の飛行機は、全員がファーストクラスだったと語る関係者もいて、本当だとしたら誰が支払ったのだろうか。
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揺れる福岡大学
日大は私学の雄として君臨してきたが、昨年アメフト部のタックル問題で揺れた大学に、日大教職員やOB有志が集まり、「新しい日本大学をつくる会」が設立されて、田中英寿理事長を批判して裁判へ発展するようだ。
関東で日大が裁判沙汰になれば、九州の私学のトップである福岡大学も、医学部の入試を巡って文科省の指導を受ける事態となり、大学内部で問題が次第に大きくなっている。
加えて付属高校である若葉高校の移転が、学長の独走だったのか、学内や同窓会内部から反対の声が次第に大きくなり、今年秋に行なわれる学長選挙に、関係者の注目が集まり始めた。
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福大付属若葉高校
100年以上の歴史を持つ私立九州女子高校は、平成22年に福岡大学の付属高校となり、その後男女共学になって受験生が増え、福大が所有していた高宮校地に移転を発表していた。
しかし今年4月になって突然移転中止を発表するも、その理由を警固断層の危険性や東京五輪、大阪万博等による建設資材の高騰など、事前に判明していたもっともらしい理由を並べ、移転の中止を発表している。
移転発表してから卒業生による同窓会が、移転反対の3000名を越える署名運動を行い、福大理事長に提出した一幕など、触れること無く幕を閉じたようだが、何故かスッキリしない幕引きだった。
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