(08年5月号掲載) 「くつろぎカフェ オリジナルスマイル」。店内に入ると、長いカウンターの一方に、座卓が並ぶ一段高くなったフローリングの床がある。名前の通り、くつろげそうな空間である。 コーヒーをいれたり配膳したりするのは、知的障害のある2人の女性。ここは厨房まで含めて8人の障がい者と3人の職員で運営されるカフェなのである。 運営母体の社会福祉法人「福岡たちばな福祉会」(本部・同区青葉2丁目)の管理者、末松忠弘さんは「店内に入って初めて障がい者の働く喫茶店だと気づく人がほとんどですね。私たちもあえて、障がい者や福祉などということを前面に掲げていません。あくまで一般のお店として勝負しようと考えているからです」と話す。 福岡たちばな福祉会は1984年、無認可の「たちばな共同作業所」としてスタート。さまざまな模索を重ねて2000年に焼き菓子の製造販売を始め、03年に社会福祉法人を設立。06年9月に焼き菓子を使ったデザートを提供できる店としてオリジナルスマイルをオープンした。 「カフェの開設は、多様な就労の場を提供する、また一般の人とふれあう場を提供する意味も大きいのです。その結果、菓子の製造では活躍できなかった人が、配膳や接客など新しい仕事で活躍できるようになりました」 こうした事業所では一般に職員をスタッフと呼ぶ例が多いが、同福祉会では障がい者をスタッフと呼んでいる。文字通り、運営の担い手だ。 「一般の人とふれあう中で、自分たちがどう動けばいいのかを、自分たちで学んでいます。この1年余りで彼女らは大きく変わりました」 同福祉会では現在、このカフェのほか、本部事務所1階に「お菓子の店 ぷぷる」、同区香住ケ丘3丁目に「菓子工房 ぷぷる」、さらに重度障がい者の生活支援を行う事業所など、幅広い事業を展開している。 同福祉会が目指すのは「障がいのある人の多種多様な就労形態を確立し、本格的な就労の場を提供する」ことだ。 「問題は、一般の企業に就職できなければ、月3000円から1万円弱の給料で福祉施設で働くしかなく、その中間がないということです。私たち福祉に携わる者がもう一段脱皮して、その中間の就労形態を開拓していかなければならないと考えています」と末松さんは話す。 同福祉会では積極的な展開で月の給料を2万円まで上げることができた。まだ1人だが、同福祉会に属しながら一般の企業で働き、時給350円、月4万円の給料の人も出てきた。 「年内にはカフェの2店舗目を開設予定ですし、企業と施設のお見合いパーティも計画しています」。 <連絡先>
福岡市東区若宮5丁目、福岡銀行支店裏に落ち着いたたたずまいのカフェがある。
道は険しいが着々と前に進んでいる。
福祉会本部
092(663)2833
カフェオリジナルスマイル
092(671)4618
就労の場拡大に全力あげる 福岡たちばな福祉会 [2008年6月11日10:18更新]
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