(07年3月号掲載) 昨年4月から施行された障害者自立支援法である。法律の名は「自立支援」となっているが、作業所関係者は「公的支援が大幅に後退し、これまでに積み上げてきたものが突き崩される思い」と言う。そこで、県内のいくつかの作業所の活動をシリーズで紹介し、法律の問題点にも触れていきたい。 福岡市城南区七隈2丁目。住宅街の一角に平屋の民家を借りた小規模通所授産施設「さざなみ作業所」(社会福祉法人さざなみ福祉会)がある。設立は1996年(法人化は2002年)、昨年10周年を迎えた。ここには、てんかんの人や統合失調症など精神障がいの人を中心に21人が通ってくる。 「作業所が一般の福祉施設と違うのは、働く場だということです。働くということは、もちろん収入を得ることもあるんですが、もう1つ、自分の存在意義を確認する、作業の輪の中に入って、自分がいてよかったということを確認するという大きな意味があるんです」と施設長の簑原毅さん。 作業所ができた当初は、わかめの袋詰め、台所用たわしが主な仕事だったが、次々に仕事を開拓し、現在では菓子作り、廃油や豆乳を使ったせっけん作りなどのほか、ハウスクリーニング、空き地の草取りなど幅広くなっている。 それでも給料として出せるのは時給100円程度。休みなく通っても月に1万円程度だ。「生活を保障するまでにはほど遠いですが、それでも、自分で働いたお金は何物にも替えがたいものです」 この作業所は、てんかんの親や本人、医療者、支援者で作る日本てんかん協会福岡県支部が中心になって作った。「てんかんの人は発作があるだけでなく、人間関係を作るのが下手だったり、仕事を自主的に進めていく力が養われていないなどの障害を負っています。そのため、就労支援の活動を行っても、就職できない、長続きしないという現実にぶつかって、自ら働く場を作る以外にないとなったんです」 しかし、身体障がいや知的障がいと違って、てんかんや精神障がいは病気とみなされて福祉の範疇に入っていなかった。1994年に障害者基本法改正、95年に精神保健福祉法ができて初めて、障がいということがやっと認められたという。 「そのため、作業所作りには大変苦労したと聞いています。それがまた、自立支援法ができて、補助金の減額や利用者の負担増が強まろうとしています」 それだけでなく、建物の老朽化や近くにある第2作業所の移転も迫られている。その移転費用や運営資金作りに、4月22日(日)城南小学校体育館でバザーが計画されている。 《物品の提供や問い合わせ》
障がい者の働く場を確保し、生きる意欲と生活を支えてきた小規模作業所(共同作業所、地域作業所ともいう)が今、大きな波に翻弄されている。
電話092-865-8685

