【お耳拝借!】百薬の長・お酒のよもやま話 [2008年5月22日11:42更新]

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快適環境創造フォーラムより 農学博士 松井俊規(08年5月号掲載)

松井俊規氏今回はお酒にまつわるよもやま話をしたいと思うのですが、かく言う私も大の飲ん兵衛でして。

大学で専攻した農芸化学科は「飲ん兵衛化学科」といわれ、就職したのは酒造会社。私から酒を取ってしまうと残りはゼロ、といったところです。

母方の先祖は加瀬家といいまして黒田藩のお抱え造り酒屋でした。家紋がなんと、2本の徳利を形取ったもので、全国でも非常に珍しい。そして、父も大変な酒好きでした。

私の飲ん兵衛ぶりも、ご先祖様のDNAを引き継いだおかげなんでしょうね。



お酒が寿命を延ばす

 お酒は、適量であれば「百薬の長」、飲みすぎは「百厄の長」などといわれます。
ではなぜ百薬の長なのか。その理由として次のような点が挙げられます。

(1)ストレス解消
(2)食欲増進
(3)善玉コレステロールの増加
(4)血液サラサラ効果、心筋梗塞・脳血栓の予防(特に乙類焼酎は血栓溶解力を高める)

そのほかにも日本酒にはメラニン色素の生成を抑える美肌効果や、活性酸素の発生を抑制する老化防止効果があるといわれます。

イギリスのマーモット博士の研究によると、酒を全く飲まない人、大酒飲みの人は、ほどほどに飲んでいる人に比べて死亡率が高いという結果が出ています。適度な飲酒が健康にも良いということが科学的にも裏付けられているわけです。 

「適量」の目安とは

2本の徳利をかたどった家紋では適量とはどれくらいを指すのでしょうか。1日の摂取量は純アルコール分20グラムそこそこが目安。例えば

(1)ビール 中瓶2本
(2)日本酒 2合
(3)ウィスキー ダブル2杯
(4)ワイン グラス2杯

概ねこれくらいとなっています。まさにご先祖様の家紋、徳利2本という家訓通りなんですね。

厳密に言えば個人差があり、肝臓がアルコールを分解する過程で有害物質ができるのですが、これを分解する酵素の有無、強弱によって変わってきます。

飲みすぎは特に肝臓などの内臓にダメージを与えます。それから最近特に問題なのが飲酒運転の事故。マナーとルールを守って楽しく付き合いたいものです。 

有名人とお酒のエピソード

歴史上の人物や有名人にはお酒好きで知られる人が多くいます。そんなエピソードなどをいくつかご紹介しましょう。

ナポレオン
ご存知、フランスの皇帝ナポレオン。彼の名を冠したお酒があるくらいですから、その酒好きぶりを物語る逸話もたくさんあります。

例えばクルボアジェ・コニャック。献上品を飲んだナポレオンはその素晴らしさに感激し、わざわざ酒庫に足を運んだといいます。コニャックにその名が付く起源になったわけですね。

横山大観
日本画の巨匠、横山大観は大変な酒好きとして知られ、人生の後半50年はほとんど飯を口にせず、必要なカロリーは酒から取っていた、というほど。

口にするのは広島の日本酒「酔心」のみ。意気投合した酒造会社社長が一生分を無償提供すると約束。大観はその代金のかわりに年1枚絵を送ったそうです。

おかげで酔心酒造には大観の作品が多く残され、今は記念館で公開されています。 

ホークス王監督、松中選手
わがホークスの王貞治監督は大病を患われましたが、それ以前は大食漢として知られていました。お酒も大変強かったようですが、意外にもほとんどビールしか飲まれなかったそうです。

それから松中信彦選手。彼の出身地・八代で勤務していたこともあり、ご家族の方と親しくさせていただきまして。その時に聞いたのですが、大の焼酎党とのこと。何せ名前が「松中(しょうちゅう)」ですから、当然かもしれませんね。

今の私の楽しみの1つはホークスの応援です。球場まで程近いので、年間20試合は見に行きます。もちろん、観戦のお供にお酒は欠かせませんね。 

酒と妻に感謝

私は81歳になりますが現在も晩酌を欠かしません。また色々な会合などで飲む機会も多く、ついつい適量を超えてしまい、妻に怒られています。

もしお酒がなかったら潤いのない、寂しい人生だったでしょう。「健康優良爺」でいられるのは、このような飲ん兵衛の面倒を見てくれる料理上手の妻と、そしてお酒のおかげだと、感謝している毎日です。

 

【松井 俊規】<まつい・としのり>
1926年、直方市生まれ。福岡市在住。 
農学博士 九大農芸化学科卒 
51年、三楽酒造(現メルシャン)入社 
本社、八代工場などに勤務 91年、退社 

【快適環境創造フォーラム】
快適な環境づくりを目指し健康産業やデザイナー、建築家など様々な分野の専門家らが参加する交流会。5月23日に第5回を開催

★記事は、講演を元にあらためて取材・再構成したものです<随時掲載>