NEXCOと大島産業 ④ [2021年2月12日07:52更新]

■  塚本總業と材工一体契約

 

施工体系図(24回分)を分かりやすくしたのが下の図である。
元請(大島産業)が1次、2次、3次の下請けを使う場合、再下請け通知書とともに、1次と2次、2次と3次の間の注文書・注文請書・契約書等の「写し」を、発注者(NEXCO中日本)に提出しなければならない。
しかし、前述のように、当事者の知らないところで契約書類が偽造されていたことが判っている。

契約関係に詳しい専門家によると、NEXCOへの提出書類が偽造された理由は、支払いの流れにあるのではないかという話だ。



これまでの取材で、本来 施工体系図の通りに行われるはずの支払いが、実際は下図のような複雑な流れになっていることが判っている。
緑色の網掛けが、互いに知らないところで契約書類が作成されている疑いのある企業である。

相手がコンプライアンスに厳しい企業の場合、通常通り直接契約書を交わし支払いを行い、それ以外の企業に対しては、塚本總業㈱ 八幡支店と材工一体の契約をするように指示を出しているという。

塚本總業から支払いを受けている企業は黄色で網掛けをしている企業だが、なぜか施工体系図上の1次も2次も入っている。
これらの企業は塚本總業と契約しているが、NEXCOには施工体系図に沿った「契約書・注文書・注文請書」の写しが提出されていることは間違いない。
しかし、そうなると 1工事で 「塚本總業」と「大島(または1次下請)」と2重に契約をしていることになる。
少なくとも、「大島(または1次下請)」が結ぶ契約には、金額が入ることはない。

そこで、NEXCOには原本ではなく「写し」を提出すればよいため、それらの書類の写しを偽造したのではないかという推測ができる。
今時、ハンコの通販サイトで他社名の印影を適当に作成し、パソコン上で印紙に押印した文書を作ることは簡単にできる。
もしかしたら、NEXCOに提出した契約書類の原本は存在しないのでは。



ー 続く ー