田川地区には 介護サービスの向上のため研修等を目的として結成された「田川地区介護サービス事業所協議会」という任意団体がある。
福岡県介護保険広域連合(33自治体で構成)の組合長を務める永原譲二町長(大任町)の肝煎りで始まったとされ、 約300の介護事業所が加入する、県内他の地区には見られない珍しい団体だ。
同協議会の会長は 佐々木陽子氏、介護福祉施設「暖家の丘」を運営する社会福祉法人猪位金福祉会の理事長で、県議会副議長 佐々木允氏の母親として知られる。
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ところがこの協議会、サービス向上のための先駆的な取組みをする団体として尊重したいところだが、一方で政治利用されているという話もある。
会員からは「年会費10000円も支払う価値がない」、「研修に出たこともない」など、会の意義を否定する不満の声が多く聞こえて来る。
そればかりか、「監査が来ると脅かされて仕方なく入っている」という事業所も。
結成された平成27年当時、未加入だった施設に広域連合が不定期な監査に入ったという噂が広がり、加入した事業所が多いという。
問題は 昨年12月1日付で各事業所に送られてきた通知で、二場公人田川市長と佐々木允県議から 統一地方選挙の推薦願が提出され、理事会で協議し推薦を決定したという内容だ。
母親が息子の推薦決定のお知らせをするところが笑えるが、それはさておき、やはり政治利用という指摘は間違っていないのではなかろうか。
田川地区において 介護施設は貴重な雇用の受け皿であり、大小各事業所には相当数の従業員が働いている。
同協議会から特定の政治家の推薦を決定したという通知が来れば、各事業所も従業員にそれを伝えることになるだろう。
4月10日付の通知(下図)は、佐々木県議の無投票当選のお知らせに加え、二場市長の後援会への協力を各事業所にお願いする内容だ。
加入している事業所が300以上、この影響は計り知れない。
従業員に周知されれば、入所者や利用者に伝わっていくことも考えられる。
介護サービス事業所を選挙に結びつける仕組みを発案し実現させた人物の手腕に、あらためて感服させられた。
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