調査した福岡大学教授は柳川市の全員協議会(全協)で「P社が廃棄物を埋めていたのはほぼ間違いない」「有害物質は検出されなかった」などとする結果を発表した。 P社は今月末で工場から完全撤退、同時に瑕疵担保責任も期限切れとなるため、市民の間からは批判の声が上がっている。議会はほぼ全員一致で瑕疵担保責任の期限延長を求めることを決め、市当局も前向きの姿勢を見せた。 この結果について「やっぱり埋めていたのか」と多くの市議が納得する一方、「(教授の調査結果は)市に都合のいいものだ」「なぜ?」と疑問の声も上がっている。報告からは、今後市が持ち出すであろう対応策と「狙い」が、透けて見える。 福大教授が中間報告を発表したのは13日。石田宝蔵市長ら市幹部と市議を前に、11月1日に採取したサンプルについての検査結果を報告した。 (1)土壌からは化粧品製造に使用したとみられる化学物質などの成分が検出された。状況から見てP社が工場から出た廃棄物を埋設した可能性が極めて高い (2)人体への有害物質は検出されなかった またこの結果を踏まえ、今後の対応について教授は以下のように提言した。 (3)土壌の改良は、空気を入れるなどして自然分解を促すやり方で対応することができる。その方法は安価で、数年あれば十分。最終報告(来年3月めど)には詳しい方法と費用の見積もりを入れたい (4)成分が自然分解され、悪臭などが消えてしまえば、土地は別の用途に使ってもさしつかえない (5)もし他者に土地を売却するとなると、同様の調査を数百カ所ほど行わなければならず、非常にコストがかかる (6)今回も含め、これまで数回にわたり詳細に調べてきたから、これ以上の調査は必要ない 市議らは「やはりか」などの声のほか、「本当に人体に有害ではないのか」「野菜を作る際にも問題はないのか」などの質問が飛んだ。一方、全協終了後「なぜ急に教授の態度が変わったのか」といぶかる声も上がった。 今回の調査は、市が独自に行った調査で「問題なし」とされたことに対し、疑念を持った一部の市議がこの福大教授にサンプルを持ち込み、その結果が食い違ったことからあらためて実施されたもの。だが、今回の中間報告は一言でいえば「きわめて市当局に都合が良い」結果となった。はっきり言えば、事前に教授と市側とで入念な打ち合わせがあったことをうかがわせるものだ。 それでは、この報告を受けた市当局が、今後どのような対応を取ろうとしているか、その思惑を本紙が予想してみよう。 (1)土地は売却しないで現在のまま市が所有する(理由:売却する場合は調査費が膨大) (2)教授が指示する方法で土壌改良を行う(理由:安価で時間もかからない) (3)土壌改良にかかる費用については A.P社が負担する B.市が負担する―の2通りある。 (4)現在一部の市民が「詳細な調査」などを求めて署名活動しているが、市としては今後、あらためて調査はしない(理由:これまで十分に調べており、その必要がない) 今回の教授の調査結果を踏まえると、以上のような対応が予想される。そしておそらく、現在「市が描いているシナリオ」と大差ないだろう。結果報告の間、教授の隣に座っていた石田市長が、その言葉に何度もうなずく姿が印象的だった。 だが仮に、上記の方法で土地が「再生」されるにしても、この問題は終わらない。むしろ、汚染土壌の後処理ばかりに気を取られると、重大な間違いを犯すことになるだろう。それこそ、市当局の「狙い」なのかもしれないが。
旧大和町(現柳川市)が購入した化粧品会社P社の工場をめぐる問題で、工場から出た廃棄物を敷地内に埋めていた疑いがあるとして、市と議会が行っていた土壌調査(写真)に関する中間報告がこのほど公表された。
安価なので、P社が支払いに応じる可能性があるし、仮に市が税金で負担しても「土地を改良すれば再利用でき市の財産となるのだから、その費用を税金で負担したとしても、このまま放置するよりは結局市民の得になる」と説明すれば、市民の理解を得られる。(なお、教授は「一般的な市民感情として」と断った上で「P社が負担すべきではないか」と述べている)
土壌調査で中間報告【上】 透けて見える市の思惑 [2007年12月17日20:31更新]
タグで検索→ |
「土壌改良には簡便な方法」
結果踏まえ市はどうする? 本紙の予想

