池田会長のメッセージを報じたNHK

NHKが4月27日のニュースで、創価学会の池田大作名誉会長がG7に向けてメッセージを発表したことを報じた。
ウクライナ戦争の早期停戦への努力を求めるもので真っ当な提言ではあるが、別のところで波紋が広がっている。

まず、2010年を最後に公式行事に姿を見せておらず、重病説や死亡説も囁かれている池田氏が、95歳という高齢で しっかりとしたメッセージを出したこと。
もう一つは、特定の宗教団体から発する声明を NHKが報じたことだ。

過去にローマ教皇やダライラマ氏のメッセージが報じられたことは承知しているが、それ以外で宗教団体のメッセージ、しかも国内の団体について取り上げたことがあったろうか。
特に昨年来、統一教会問題がこれだけクローズアップされている中で、批判を恐れず報じた意味は。

池田氏のメッセージを国民から受信料を聴取している「公共放送」のNHKが取り上げた。
そのことで、池田氏の存命が確認でき学会員の励みになる。
また、公共放送が取り上げると、国民的宗教という印象を与えられる。
そして何より、世界に向け、平和を求める学会の理念をアピールでき、布教にはプラスだ。
学会にとっては「いいことづくめ」と言える。

大型連休前のタイミングだったが、公平性の観点から NHK経営委員会や総務省が 宗教団体の取り扱い基準についてどう考えるのか、どういう経緯でニュースに取り上げられたのか、連休明けに どなたか国会で質問してほしい。

NHK ホームページより

ロシアが弱い国になる?

地元紙に、元新聞記者が講演を行った記事が出ていたが、内容があまりに的外れに思えたので一言。
その元記者は、「プーチン大統領を待つ歴史の審判」と題し、「経済力が軍事力の基礎となるところ、ロシアは経済制裁で物価が高騰し、頭脳も流出、兵士も不足しており弱い国になる」と語ったという。
この認識、大丈夫か。

欧米のメディアから流れてくる情報を見ていると確かにそうかもしれないが、ネット上では別の見方をする専門家も少なくない。
3月の国連総会でのロシアへの非難決議では、193ヵ国中 141ヵ国の賛成多数で採択したものの、アメリカ主導の対ロシア輸出規制に参加しているのは37ヵ国に止まり、その他の国は貿易を継続、一時的に暴落したルーブルも現在はウクライナ侵攻時より高い水準で推移している。

先月には、ロシアが、友好的な「中国・インド・インドネシア・ブラジル・トルコ・メキシコ・イラン」による「新G8」を提唱していると報じられ、これにはかなり驚かされた。
基軸通貨をドルとする西側経済圏に対抗して 新たな非ドルの経済圏を作る構想で、資源や食糧の裏付けもあり、かなり現実的に思える。

参院選は、欧米追従の岸田政権を国民が支持した結果に終わったが、こうした世界の動きを見ると 不安になる。

北方領土を奪ったロシアも信用できないが、それは2度も原爆を落としたアメリカとて同じこと。
軍事面・経済面で国民の命を守るという意味で、欧米に追従していくことが正解という確証はない。

ロシアから見れば、ウクライナに侵攻しただけで 日本には何の危害は加えていない。
一方的に日本が外交官を追放し、経済制裁を仕掛けてきただけ、当然ロシアの反発は大きい。
こうした中で敵対を続けていくのか、どこかで関係修復に向かうのか、外交は難しいが 我が国独自の付き合い方というものを模索していく必要がある。