歪んだ3号線広川~八女バイパス「八女市編⑰」 [2020年12月10日10:44更新]

10月21日から始めた「歪んだ3号線広川~八女バイパス『八女市編』」も今回で最後、まとめようと思った矢先、元市役所OBの方と16年前に完了した土地改良事業の関係者の方から、とても貴重な情報を頂いた。

いずれも、本連載を興味深く読んでおられ、知っていることは話しておきたいとのことだった。
当事者しか知り得ない大変驚く内容で、最後の最後で点と点が繋がり線になったが、ここで紹介するには実名報道が不可欠と思われるため、記事にするのは差し控えたい。

その代わりと言っては何だが、空想物語(別掲)を書いてみるので、ご一読頂ければ幸いである。

さて、この連載を始めたきっかけは、八女市~広川町間に3号線バイパスが通ると聞いて、「なぜ最も渋滞する広川町~久留米市間のバイパスが後回しになるのか」と疑問を持ったからだ。

取材を通じて、八女市では行政を歪める一部の者、それを止めない、止められない政治家がいて、本来必要のない事業に大切な税金が投入され、住民に不利益を与えていることが分かった。
このバイパスについても同様で、T氏の意に沿ってルートが引かれたことは間違いない。

主導したのは国土交通省福岡国道事務所、福岡の道路インフラを司る頭脳集団だ。
当然、全体の奉仕者である公務員としての矜持は持ち合わせておられ、内部でも相当数の反対意見があったと信じたい。
しかし、結果的に事業化に向けて進んでいるところをみると、政治家からの圧に屈したと思われる。

また、同じく国道3号線の渋滞緩和の目的で、県道82号線(久留米立花線、通称藤山線)が整備中である。
それと並行して走るバイパスに、総事業費300億円、うち県は100億円を支出する。
実際、バイパス建設が決まって喜んでいる住民の方は少ない、というより一度もお会いしていない。
むしろ、久留米市方面へ向かう3号線バイパス、東部の中山地域への県道整備を望む声が圧倒的に多い。
今回のバイパスが数年後に完成しても、主たる目的の「国道3号線の渋滞緩和」が解消されるとは考えにくく、地元からの要望の多い県道整備は後回しになるだろう。
同じ区間、同じ目的の道路に二重に支出することに、財政が逼迫している県が同意するとはとても考えられない。

現在、事業化に向けて都市計画決定の手続中、もう止めようもないが、コロナ禍の今こそ、限られた国家予算と県予算の優先順位としてこのバイパスが相応しいか、与野党の国会議員、県議会議員の先生方にはご議論頂けるものと信じている。

この連載はひとまずここで終了にするが、また追加の情報があれば随時お伝えしていきたい。

ー 了 ー