さらば柳川 金子市政(1) [2010年7月5日12:56更新]

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(10年5月号掲載)

柳川市役所これまで本紙は柳川市に対し、公共工事からの談合排除をはじめ、速やかに市政改革に取り組むよう何度も提言してきた。

だが金子健次市長ら執行部、議会は「完全無視」。それどころか一部の市幹部が本紙記事について「ゆがんでいる」と影でこそこそ批判する始末。その挙げ句、ついに地元紙が柳川の談合王国ぶりを報じる事態となった。 

口では改革を唱えつつ何の動きも見せない金子市長、そして機能停止状態に陥った市議会。

本紙としてはもはや柳川との訣別を宣言するほかない。  



落札率5年連続95%超 

柳川市発注工事 電子入札も効果なし(西日本新聞4月21日付朝刊) 

「さすがにこの記事は地元関係者の間でも話題になりました」(柳川建設業界関係者)。

07年以来、本紙が何度も報じてきた柳川市公共工事の談合疑惑。これまでこの問題を報じるマスコミはなかったが、地元紙が取り上げたことであらためて市民の関心が高まっている。 

記事によると、柳川市発注工事(設計金額250万円以上)平均落札率が、合併による新柳川市発足(05年)以来、5年連続して95%を超えていることが明らかになった。

柳川市は09年度から入札の透明・競争性を高めるために電子入札を導入するなど制度改革に取り組んできたが、電子入札を行った43件の平均落札率は96.0%。同年度全体の落札率も下がるどころか前年度からやや上昇したという。 

「制度改革」効果なし  

本紙に比べれば極めて控えめな表現ではあるが、今回の地元紙の記事は柳川の談合王国ぶりを取り上げたものにほかならない。「県民新聞の記事で談合疑惑があることは知っていたが、地元紙にこうやって書かれると、やっぱり問題だと感じますね」(ある市民)。 

同紙の取材に対し金子市長は「発注者としては(落札率は)もう少し下がってほしい」とした上で、入札のあり方を今後検討・研究していく考えを示したとのこと。何を今さら─である。 

電子入札など何の意味もないことは公表されている入札結果を見れば一目瞭然で、気が付かない方がおかしい。小手先だけで対処できるはずもなく、だからこそ本紙はこれまで何度も談合問題を取り上げ「執行部は速やかに改革に着手すべき」と提言してきたのだ。 

市は電子入札を導入したことですでに改革に取り組んでいるつもりでいたのだろうが、実質的には問題を放置していたのと何ら変わりがないことが露呈したわけである。

(続く)