こんな県議会いらない(2)執行部ベッタリ あらためて露呈 [2010年5月19日09:32更新]

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(10年4月号掲載)

福岡県議会棟中島孝之・前副知事ら幹部の「腐敗」の元凶は何か。4期15年に渡る麻生県政のひずみが裏金接待、贈収賄事件として噴出したのは誰が見ても明らかだろう。

「前副知事の在任が長期に及んだことが事件の背景にあるとして、新条例では今後、副知事の任期を『原則2期以内』と決めたのですが、さすがに耳を疑いましたね。

副知事の任期を制限しておきながら自分は減給だけ、相変わらず5期目に意欲を見せている。ブラックジョーク以外の何物でもない」(前出記者)。



単なる御用機関に堕ちた県議会  

一連の再発防止策や幹部の処分は、事件と不祥事の本質を職員個人の倫理の問題にすり替え、知事の責任問題を巧妙に隠蔽するものにほかならない。こうなってしまった原因は、当然ながら議会側にある。 

総与党体制となって久しい県議会。今回も知事の責任を厳しく追及するどころか、条例制定や減給などの措置について「議会の考えが反映されている」「評価したい」「ヤマは越えた」などと県の意向を追認するだけ。

執行部にお墨付きを与えるための、単なる御用機関になり下がっている実態をさらけ出した。 

 

ある県政担当記者は憤りながらこう解説する。

「県議会はこれまで、スムーズな議事進行を望む執行部の意向を汲み、裏でニギってシャンシャンで終わらせ、その見返りとして散々オイシイ思いをしてきた。そのパイプ役を担ったのが他ならぬ中島副知事なのです。

接待疑惑が表面化した当初は県議の関与も囁かれていたくらいですから、今回の問題を下手につつけば、逆に自分たちに火の粉が降りかかる可能性もあった。追及が甘いのは当たり前、こんな連中に期待する方がおかしい」 

県議の先生方に一言 

最近、県議から自治体の首長に転身する例が目立つように思われる。今月18日投開票の朝倉、嘉麻両市長選でも元県議が立候補。また国政についても、今夏の参院選で自民党、みんなの党からそれぞれ出馬。将来、衆院議員を狙う者もいる。 

だがちょっと待ってほしい。転身するのは勝手だが、少なくとも県議でいる間は求められる本来の責務、県政のチェックをきちんと果たすのが当然ではないか。 

ろくに仕事もせず、県議職を自らが望む次のステップへの布石、「腰掛け」程度にしか考えていないとするならば、そのような先生方には1有権者として、はっきりとこう述べさせていただきたい。

「そんな県議などいらない」