共産党が追求!市負担金3倍も内訳は黒塗り

東京五輪を巡る談合・汚職事件で電通に対する信用は失墜した。
とは言え、行政側にイベントの企画力はないため、大規模な国際大会になるほど電通頼みとなる構図はこれからも変わらないだろう。

さて、今年7月に開催される第19回FINA世界水泳選手権福岡大会において、大会組織委員会とマーケティング専任代理業務契約を結び、全体を仕切っているのが「電通・電通九州グループ(以下電通)だ。
福岡市は2015年、日本水泳連盟の支援を取り付け 世界水泳招致委員会を設立、 12月17日に正式に立候補を表明し、2016年1月にハンガリーブタペストで行われた国際水泳連盟理事会で招致が決まった。

2017年2月、組織委員会が 総事業費100億円と試算、福岡市は負担金を 35~40億円と見込み予算化した。
同年5月には、連盟がプロポーザル方式で マーケティング選任代理業務の業者選考を行ったが、事前の説明会には11者の参加があったという。
しかし、応募したのは電通1者のみ、結局電通に決まり6月に随意契約を締結している。



2019年10月には、市から市議会に対し、事業費が膨らみ負担金が増えるとの報告があるも、負担金の内訳を示さなかったため市議会から問題視する声が上がっていた。
また、業者選考時の組織委員37名の中に電通と電通九州の社長が名前を連ねていたことも判明している。

そして、今年2月17日に開会した市議会で、総事業費225億円、市負担金120~130億円と当初見込みの3倍になることが判った。
市が公開した根拠資料のうち、組織委員会と電通との契約書の半分以上が黒塗り(下図)、また、高島市長が言う「経済波及効果540億円」の元となる支出額明細も黒塗りで、市議会が事前に税金の使い道をチェックできない状況となっている。



分かりやすく言うと、「負担金が想定の3倍に増えましたので黙って支払って下さい。内容については説明できません」というもの。
東京五輪における不祥事が次々と明るみになり、電通に対する世間の目が厳しくなっている今、こうした黒塗りに疑念が湧いても仕方がないだろう。

市議会では共産党市議団が問題を指摘し 大会中止を求め反対するも、予算案は賛成多数で通過、今さら止める訳にはいかないという判断だろう。

当初の予算がなし崩し的に膨張した点では東京五輪と類似している。
まさか後々不祥事が明るみに出ることはないと思うが、それなら黒塗りなどしないで明細をガラス張りにするべきだ。

厚生労働省~ブラック企業を公表

厚生労働省は、この半年間で労働基準関連法案に違反し、書類送検された全国の企業334社を監督署別に、5月10日ホームページで公表した。(詳細はコチラ

違反ごとの内訳は、高所作業で墜落防止措置を講じなかったなどの安全対策を怠ったケースが最も多く209件、電通に代表される長時間労働、いわゆるブラック企業と称されるような違反企業が60件、このほかには賃金未払いや労働者派遣法違反などがある。

福岡労働局が公表した19件は、県内自治体の指名停止処分などで見ていた社名であり、特段ビックリするような企業名は無かったが、1社だけ、アレ?という社名が目に入った。

㈱スリービーだ。
記事をご覧の方々には、㈱スリービーという名前よりも、焼肉店「福岡叙々苑」のほうが通りはいいだろう。
ただし、東京の高級焼肉店である「叙々苑」とは関係なかったようだ。

一時期は焼肉店や弁当店を5店舗を展開していたものの、設備投資過多と競合で資金繰りが圧迫され、仕入業者や工事会社との間で支払いを巡っていくつもの係争事件が発生、平成27年11月9日までに事業を停止し、破産手続きを弁護士に一任していた。

ところが、今回公表されたリストでは、「労働者14人に2ヶ月分賃金および労働者6人に1ヶ月分賃金を支払わなかったもの」として、平成29年3月21日書類送検されたことになっている。

1年半前に破産手続きする以前の、未払賃金で書類送検されたのだろうか。
それとも、新しく活動し始めた事業で、未払賃金が表面化したということだろうか。
まさか、旧㈱スリービーとはまったく縁もゆかりもない方が、新しく㈱スリービーの名前を使って事業を興されたということは・・・、有り得ないだろう。

サラリーマン記者

日本のというよりも、世界の広告業界を代表する電通で若い女性が自殺、労働基準監督署が動き出し、ネット上でもマスコミ紙面でも色々な意見が出ておりかびすましいが、大手メディアといえども一歩間違ってブラック企業の烙印を押されると、社員の確保も難しくなることもあり、各社対応に追われている。

日本のマスコミ業界を永年にわたって牽引してきた朝日新聞も、残業を含む長時間労働が社内で話題となり、記者だけでなく経理などの内勤社員も実際の勤務状況と、給与体系の見直しが進められている。

かつて花形だった特ダネを追いかける新聞記者は既に過去の遺物と化しているようで、サラリーマン記者が書く、当たり障りのない記事が掲載され、その割りに広告だけが目立つ朝日新聞を、購読者が読むとは思えないのだが・・・。