先日、東京の友人のお母さんが96才で亡くなられた。
ご主人は20数年前に亡くなられており、お母さんは高齢ということもあって友人も少なく、葬儀は親族だけで済ませ、弔電や花なども断ったという。
だが葬儀の度にどういうわけか、10数年前に民事再生法を申請し、倒産したT工務店のことを思い出すから不思議だ。
同社は代表取締役社長に長男が、また二男が副社長に、そして三男が常務に就任、その後小さな建設会社が福岡市の発展に歩調を合わせて公共工事を受注、地場トップクラスのゼネコンに成長していったのは言うまでもない。
そして社長の長男である実子が成長したことから経営権を譲り、自らは会長に就任して運営していたが、数年後に亡くなられた際、葬儀の問題が発生した。
本葬だけで良しとする新社長と、社葬を行うべきだとする叔父の副社長との間で意見が対立した。
結局、社葬は行われず、叔父は副社長でありながら、その後は会社運営の第一線から遠ざかることになった。
結果、若い社長を補佐する人材が見当たらず、銀行出身役員の主導で方向性を見失い、最後は法的手続き申請となった。
返す返すも残念で仕方がない。
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