都市計画法は、国・地方公共団体の責務として、「国及び地方公共団体は、都市の住民に対し、都市計画に関する知識の普及及び情報の提供に努めなければならない。」と定めているが、県や市町村からの情報提供はお茶を濁す程度で、住民への周知されているとは言い難いのが実情だ。 昨年12月9日~22日、都市計画道路(国道3号広川~八女バイパス)の縦覧が行われた後、160通の意見書が県に届いたが、そのうち1枚を紹介させて頂く。 国から八女市に対し、道路の詳細ルート(原案)が初めて示されたのが、令和2年6月中旬でした。 確かに、昨年はバイパス計画そのものについてのアンケート調査はあったみたいですが、それは「3案のうちどれにするか」「山側ルートの帯でいいか」というものに過ぎません。 八女市長名で申し出文書が出されたことで「総意」ということかもしれませんが、意見聴取をしていないことから、総意の根拠になるものが存在しません。 よって、住民の声をもっと聞き 不安を払拭するためにも、ルートの再検討をお願いします。
福岡県都市計画審議会が、2月10日に開催される予定だが、10日前になってもまだ県は公表していない。
今回は 「国道3号広川~八女バイパス(筑後中央広域都市計画道路)」が都市計画道路として承認されるか注目されているが、この道路について行政はあまり傍聴を歓迎していないようだ。
その証拠に、県に先んじて1月7日に開催された八女市都市計画審議会では、開催予定が市のホームページに掲載されたのが1月1日、年末年始休暇中で審議会の6日前である。
年末年始の休暇中の公表は姑息という指摘もあるが、「八女市附属機関等の会議の公開に関する規則」第三条において、1週間前までに公表すると定められており、それならば遅くとも12月31日に公表しなければならない。
内規違反の審議会が成立するかという問題もあるが、聞くところによると、同審議会では今回160通程の 意見書が提出されている報告はあったが、その内容については触れることもなく、委員からは何も質問も出なかったという。
都市計画道路に地元から160通もの意見書が出るのは異例中の異例だが、意見書に込めた住民の思いは何一つ汲み取られておらず、怒りの声が上がっている。
情報公開の本来の趣旨に照らせば、行政は開催が決まった時点で、2週間でも3週間でも前もって公表することができる。
実際、福岡県の都市計画審議会、前回は令和2年7月28日に開催されているが、開催予定をホームページで公表したのは、1ヶ月以上前の6月17日だった。
しかし、今回の審議会については、都市計画課は内規に照らして1週間前までには公表すると消極的で、基準がよく分からない。
ところで、福岡県の都市計画審議会の委員は、学識経験者、行政、市長、県議会議員ら合計28名で構成されているが、欠席や代理出席で過半数ぎりぎりで開催されていることが多い。
また、会議録を見る限り、執行部からの説明に対して委員からは何の意見も出されず、「シャンシャン」で終わる形式的な会議だ。
今回の新バイパスは、弊社が「歪んだ3号線広川~八女バイパス」で報じてきたように、利権絡みの道路ということが判っている。
また、地元住民からも小川知事宛に、嘆願書まで提出されたと聞く。
委員になっている県議の先生方から質疑が飛び交う場面があってもいいと思われる。
その後、八女市から福岡県に「筑後中央広域都市計画道路の変更について(申し出)」という文書で、都市計画決定手続きの依頼が提出されたのが7月上旬と聞いています。
福岡県都市計画課は「八女市の総意」として、手続きに入ったということです。
付け加えるなら地元忠見地区にはアンケート調査は一切ありませんでした。
詳細ルート(原案)が示された6月中旬以降、八女市が住民の意見を聴く、質問を聴くという手続きは一切行われていません。
八女市が行った手続きには重大な瑕疵があり、今の計画で進めていけば「大きな問題」「住民の後悔」につながるのではないでしょうか。
八女市の都市計画審議会では、こういった地元の声の紹介すらなかった。
福岡県の都市計画審議会も同じだろうか。
国道の整備は国の直轄事業で、事業費の3分の2を国が、3分の1を県がそれぞれ負担、国が事業化を決定し予算化すると、県も併せて3分の1を予算化し議会に提案、議会は 原則 反対できない仕組みになっている。
財政が逼迫する福岡県、コロナ禍で更に予算が窮屈になることが想定される中、県議会はどう考えるのだろうか。
今回事業化の検討が進められている 国道3号広川~八女バイパスの総事業費は300億円、地元の国会議員は600億円になると吹聴していると聞くが、そうなると県は100~200億円の負担を余儀なくされる。
そうであれば、県はどこかの時点で国と協議していなければおかしい。
過去の会議を辿ると、2018年(平成30年)9月に、八女市と広川町が共同で要望書を提出した後、市と町の代表者を交え、国と県が2回に亘って幹線道路に関する検討会を開催していることが判った。
それ以前に 県と国が正式な協議をしたという記録はない。
検討会は、福岡国道事務所長、福岡県道路建設課長、八女県土整備事務所長、八女副市長、広川副町長の5名で構成され、1回目で八女市・広川町がバイパスの必要性を説明し、2回目で国がバイパスの概略ルート・構造等検討に着手する準備を進めることが決定している。
1市1町が初めて出した要望に対し、わずか2回の会議で 国が いとも簡単に事業化のテーブルに乗せたことに驚いたが、2名の県職員が予算の裏づけもなく同意していることはもっと驚きだ。
福岡県全域から、毎年数多くの国・県道整備の要望が届けられている中で、小川県知事は2名の部下に、将来100億円以上の負担となる道路事業を「優先的に選択する」ことを許容していることになる。
100億円あれば、どれだけ県民の要望に応えられるだろう。
都市計画審議会委員28名中8名は県議会議員の先生だ。
今回の審議会で都市計画決定の承認となれば、次に県議の先生がこのバイパスと向き合うのは、国が事業化を決定した後、3分の1の負担金が予算で上がってくるときである。
2月10日に福岡県都市計画審議会(折登美紀委員長・福岡大学法学部教授)が開催され、弊社が報じてきた「国道3号八女~広川バイパス」のルートについての議案が審査されたが、採決が見送られる異例の事態となった。
審議会の委員は28名(県議会議員8名)、代理出席や公務による欠席で、規定の過半数ぎりぎりで開催されることが通例で、今回も「シャンシャン」で終わるものと思われたが、自民党の県議から異論が出た。
「広川町では数年前に、バイパスを小学校に当てて建て替えると言った方がいるがその通りになり、バイパスルートが随分前に決まっていたのではないか?」
「小学校の建て替えや盛土による道路建設で用地買収の範囲も広くなる等、県の財政負担が大きくなるが、ルート決定に小川知事は了解していたか?」
等の質問があったが、県の担当者からは明確な答弁が得られなかった。
また、別の県議からは、「地元県議から住民に十分な説明がされていないと聞いており、今日採決すべきでない」との意見が出され、最後は委員長が審議保留を提案し 了承された。
過去の選挙において、現職国会議員が「K先生が持ってきてくれた」、また広川町長が「学校の上を通して 建て替える」と吹聴したバイパス計画だったが、県議会が待ったをかけたことで、関係者の間に動揺が広がっている。
今回の保留を受けて、国・県・八女市・広川町がどういう対応をするか、注視していきたい。