聖火ランナーに紛れた政治家(後) [2021年7月4日08:31更新]

K氏は平成19年4月、当時勢いのあった民主党公認で県議選糟屋郡(定数3)に立候補しトップで当選、同党政権下の同23年には公認候補として無投票で再選された。
しかし、民主党が下野した後に離党、同27年の選挙では無所属で挑戦し、次点の農政連推薦候補を僅差で抑え3選を果たした。

平成31年4月の統一地方選挙、当初 K氏は4選を目指し、3カ月前の1月には志免町内で 政治資金パーティを開催、自治労福岡県本部は 150万円分のパーティチケットを購入している。
ところが、選挙前に情勢が不利と判断、直前に「本業(警備会社経営)に専念する」という理由で出馬を取り止め 支援者を驚かせた。

聖火ランナーに応募したのはその後、本当に引退して本業に専念して出場したのであれば 文句はつけられない。

しかし、県選挙管理委員会に確認したところ、自身が代表を務める政治団体の解散届は未だ提出していないばかりか、自宅には今でも 政治活動用の看板(期限:令和5年6月まで)を掲示したままだ。
更に最近は、自民党県議団の幹部との関係を口にしながら「前県議会議員」という肩書の名刺を配っているという。

それもそのはずで、地元では 2年後の志免町長選を目指しているという噂があるのだ。
だが 以前の支援者からは 「今のうちに保守層に入り込んで 楽に選挙で勝ちたいという思惑が透けて見える」と厳しい声が上がっている。

選挙に出たいなら堂々と政治活動を行なえばいいが、応募要件を満たさないイベントに 身を隠して出場するような人物は、それ以前の問題と言えるだろう。

ー 了 ー