嘉麻市義務教育学校、3校の施設整備事業にかかる官製談合を調査する百条委員会が設置されて9ヵ月が過ぎた。 吉永氏が市長に、「こうした文書が出ているが、業者が決まりもしていないのにどういうことか」と尋ねたところ、市長は首をひねってチンプンカンプンの様子で「分からない」と答えた。
令和3年12月17日に開催された委員会では、赤間幸弘市長と2月末に体調不良を理由に退職した前副市長、白石二郎氏の証人尋問が行われたが、白石氏に対する吉永市議の質問の中で 耳を疑う話があった。
吉永氏は一昨年11月、3校の建築工事について、それぞれ参加JVと受注予定予定JVの詳細を記した図が記載されている文書(下図)を某ゼネコンから入手した。
業者選考日は約1ヵ月後の12月7日、まだどこの業者が手を挙げるか 表に出ていない時期である。
同文書は出所が書かれていない いわゆる怪文書の類だったが、市内業者名が入っいるため心配になり、市長と副市長を議会棟の委員会室に呼び、他市議2名と計5名で話したという。
その時の内容は次の通りだ。
次に、副市長に文書を見せた瞬間、「私は不正をしておりません」と大きい声を出した。
その後、副市長は3者の本命のうち2者を消して、「1者だけでいいので、これでさせてもらえないか?」と言った。
俄かには信じ難いが、つまり3校の受注業者3者が事前に決まっていたが、吉永氏らに質されたことで、副市長がそのうちの1者だけ残していいか尋ねたというのである。
12月7日の選考で3校の工事の受注業者がそれぞれ決定、上記の通り怪文書中の本命3者のうち1者だけが受注した。
3校の工事の選考に参加した9JVの、代表企業・地元企業・設計企業の組み合わせが怪文書と一致していたのも注目される。
事実であれば官製談合の疑いがあると思われるが、同席した他の市議も聞いたとされる一方で、白石氏は委員会の中で「(話したことは)全く記憶にない」と否定している。
4月には市長選挙を控える中、赤間市長も9月議会で3選出馬を表明したところだが、市長後援会の地元企業代表者も百条委員会で証人尋問を受けていることもあって、後援会の動きも以前ほど活発ではないと聞く。
百条委員会の今後については、これまで尋問者への再尋問が行われ、結論が出るにはまだ先のことになりそうだが、特にに選挙関係者の間で 委員会の成り行きに注目が集まっている。