ゴミ処理施設の費用、納得のいく説明を(前編) [2025年5月23日10:00更新]

15日の飯塚市議会において、江口徹議長に対する不信任決議が可決されるという異例の事態が発生した。

2年交代で合意されていた議長職を、辞職しないとしたことが直接的な理由だが、ゴミ処理施設の利権が関係しているという話も出ており ただ事ではなさそうだ。

臨時議会の質疑や討論、江口議長のSNS等によると、某議員が議長を2年交代とするために交わした合意の内容を破棄したため、交代する前提が崩れて辞める理由が無くなったということらしい。
いずれにしても、議会内部のことで分かりづらく、市民からは説明を求める声が上がっている。

飯塚市を含む4市町(飯塚市、嘉麻市、桂川町、小竹町)で構成される一部事務組合「ふくおか県央環境広域施設組合(以下 ふくおか県央)」は、飯塚市、嘉麻市、桂川町にある既存のごみ処理施設の老朽化を受け、新たなごみ処理施設(エネルギー回収型廃棄物処理施設及びマテリアルリサイクル推進施設)を整備することとしている。

合併前から稼働している複数の施設を集約することでコスト削減を図り、2030年4月の運転開始を目指し、事業者がプラント設備や建築物の設計(Design)・建設(Build)を行いその後の管理運営(Operate)も担う、いわゆるDBO方式で実施される計画だ。

ふくおか県央が公表している資料はこちら→

現在、事業者の選定がプロポーザル方式で進められているが、応募したのは1者のみ、事業者名は非公表ながら大手の日鉄エンジニアリングが確実視されている。
しかし、一昨年から一部の政治家が利権を巡り暗躍しているとの噂が広がったことで、地元ではコンプライアンス上、本当に大丈夫かと案ずる声も聞かれる。

ふくおか県央の議会は15名、構成団体である4市町(飯塚市、嘉麻市、桂川町、小竹町)の各議会から自治体の人口比率で選出されている。
飯塚市の議長、副議長は組合議会に行くことになっており、域内で飯塚市の人口が最も多いことから、これまで飯塚市議会の議長が選挙で組合議長に選出されてきた経緯がある。

この組合議会の中で、現計画で事業を進めたい勢力(推進派)と、事業費が高過ぎるのでゼロから見直しを求める勢力(慎重派)が拮抗している状況だ。
1月に行われた組合の臨時議会では、桂川町のゴミ処理施設用地の購入議案が提出されたが、議案に賛成と反対が同数で、江口議長が反対票を投じたことで否決されるということがあった。

つまり、現在は慎重派がわずかに優勢な状況だが、議長が推進派に変われば形勢が逆転するのである。

― 後編に続く ―