博多駅にワンヘルス啓発自動販売機

福岡県は人獣共通感染症や薬剤耐性菌など、様々な分野にまたがる問題に対応するため、「人の健康」「動物の健康」「環境の健全性」を1つの健康として 一体的に守っていく「ワンヘルス」の取り組みを推進している。

動物由来とされる新型コロナウイルス感染症が猛威を振るったことで、感染症対策の重要性があらためて見直され、福岡県の多岐にわたる取り組みは 内閣からも高い評価を得ている。

昨年10月には、ワンヘルスの理解促進を目的に一般社団法人ワンヘルスライフ協会(理事長 永江靜加氏)が設立された。
そして、その趣旨に賛同したコカ・コーラボトラーズジャパン㈱の協力の下、キャッチフレーズやロゴがデザインされた「ワンヘルス活動応援自動販売機」の設置を進めており、このたびJR博多駅博多口に設置されることとなった。

27日の除幕式には、全国初となる「ワンヘルス推進基本条例」を制定した服部誠太郎福岡県知事も参加し、本取り組みへの期待の言葉を述べた。
ワンヘルスライフ協会は、今後も自動販売機を県内各地への設置を進め、ワンヘルス の普及啓発を行っていくとしている。


左より、鐘ヶ江理恵 博多駅長 、古宮洋二 JR九州代表取締役社長、藏内勇夫 アジア獣医師会連合会長、服部誠太郎 福岡県知事、香原勝司 福岡県議会議長、池田和隆 コカ・コーラボトラーズジャパン ベンディングエリア営業本部長、永江靜加 ワンヘルスライフ協会理事長

農林水産まつり&国際フォーラムも同時開催

11月11日から13日までの3日間、「第21回アジア獣医師会連合(FAVA)大会」がヒルトン福岡シーホーク(福岡市)で開催される。
「アジアからのワンヘルスアプローチ」を大会テーマとして、アジア・オセアニア地域をはじめ 世界中から多数の獣医師、医療関係者や著名な環境問題の研究者が集い、ワンヘルスに関する最先端の研究・活動の講演が行われるビッグイベントだ。

大会の最終日の13日は、一般の方も無料で参加できる特別シンポジウムが行われる。
参加申込みは不要、人と動物の健康と環境の健全性について考える絶好の機会だ。

FAVA大会 特別シンポジウム

また、大会開催に合わせ 12日・13日には、「福岡県”OneHealth” 国際フォーラム2022」と「福岡県農林水産まつり」がFAVA大会に合わせて開催される。

「福岡県”OneHealth” 国際フォーラム2022」では、12日(土)、長年にわたり動物の保護活動を続けてきた 俳優の坂上忍さんによるトークショーが予定されている。

福岡県”OneHealth” 国際フォーラム2022 公式サイト



同ホテル前の地行中央公園で開催される「福岡県農林水産まつり」では、新鮮な農林水産物や加工品のほか、県内各地から自慢料理やスイーツが勢揃いする。
また、家族そろって楽しめる体験・参加型のコーナー、更に12日には お笑いタレントのヒロシさんと野外料理研究家のベアーズ島田キャンプさんによるキャンプトークと盛りだくさんだ。

福岡県農林水産まつりチラシ

期間中、天神・博多駅から20分間隔でシャトルバスが運行する。
FAVA大会特別シンポジウムと福岡県”OneHealth” 国際フォーラム2022、そして 福岡県農林水産まつり、今週末 家族で出かけみてはいかがだろう。

有益な政経セミナー

7月の参議院選挙を控えているだけに、政党や政治家の資金集めを目的とした政経セミナーが、週末をはさんで各地で開催されている。

一般的にセミナーという名はついているが、会の開催発起人の紹介や挨拶で始まり、次は来賓の紹介と挨拶に続き、最後に主催者のお礼の言葉で締めくくり、最近はコロナ禍ということもあり食事もなく 1時間前後で終了する会が大半だ。

こうした中、先日野原たかし県議会議員(福岡市西区選出)主催の政経セミナーに初めて参加したが、その内容の濃さに驚いた。
講師は 国会議員の自見はなこ氏と福岡県議会議長の秋田章二氏、お二人とも医師という立場からコロナ医療に関する講演を行い、参加者から大きな拍手が巻き起こった。

野原氏自身も獣医師の資格を持っておられ、福岡県が推進するワンヘルスの運動に 強い想いをもって臨んでいることが伝わる会だった。
参加費1万円の政経セミナー、有益な会に 少し得した気がした。

福岡県 “One Health” 国際フォーラム 2021

■ 動物由来のインフルエンザ

この冬、2ヵ月あまりで14県35の養鶏場で鳥インフルエンザの感染が確認され、600万羽以上の殺処分が行われた。
一部の感染症研究者の間で心配されているのがヒトへの感染のリスクだ。
感染した鶏をさばくことや、ペットの鳥との接触などによる感染で、中国では2013年以降 1600人が感染し約600名が死亡、また、変異した鳥インフルエンザウイルスがヒトからヒトへと感染した例も報告されているという。
鳥インフルエンザに限らず、今後また動物由来の別のウイルスが出現し、社会を混乱に陥れることがあっても不思議ではなくなった。

しかし、ただ闇雲にウイルスを怖がるだけでは、人間らしい生活を送ることはできない。
正しく恐れ、共生していくための知識を得ることが重要ではなかろうか。

 

■ 福岡発、“One Health”国際フォーラム2021

福岡県は、「人と動物の共通感染症をはじめとするワンヘルスに係る課題について、各分野の関係者で共有し世界に発信する場とする」として、“One Health”国際フォーラム2021を開催し、オンラインでライブ配信する。
1月30日(土)13:00開始のライブ配信で基調講演を、また、同日18:00開始のオンデマンド配信では、特別講演や分科会の模様を視聴できる。

“One Health”国際フォーラム2021

同フォーラムの実行委員会の大会本部長には小川洋福岡県知事、顧問に吉松源昭福岡県議会議長、委員長に大曲昭恵福岡県副知事、副委員長に松田峻一良福岡県医師会会長と草場治雄福岡県獣医師会会長が就き、県と医師会、獣医師会が総力を挙げて取り組む。
また、12月議会では、議員提案で全国初となる「福岡県ワンヘルス推進基本条例」が成立したばかりだ。

 

■ 国主導でワンヘルス推進を

動物由来の新型コロナウイルスの感染拡大により国民は大打撃を受けているが、ワンヘルスにおける研究や啓発に、これまで国がかけてきた予算はごくわずかで、軽んじられてきたのが現実だ。
そういった中、福岡県が自治体として率先して、ワンヘルス実践の仕組みを構築し、その活動を次世代に継承していく取り組みを始めた意義は大きい。

この福岡発の国際フォーラムを機に、国がその意義を受け止め、いずれは国主導で全国にワンヘルスを推進していくことを期待したい。

くらうち勇夫政経セミナー

福岡県議会議員で自民党福岡県連の会長でもある、くらうち勇夫氏の政経セミナーが、2月19日日曜日の午前11時から、福岡市内のホテルで開催された。

昨年秋に行なわれた福岡6区の補欠選挙に、子息である蔵内謙氏が立候補し落選したことで注目されていた政経セミナーだったが、ホテルの会場は溢れんばかりの出席者で、以前にも勝る勢いに大半の出席者は驚き、また安堵した雰囲気に満ち溢れていた。

来賓の祝辞に続いて、昨年11月に北九州市で開かれた、「第2回世界獣医師会・世界医師会””One  Health”に冠する国際会議」の主催者の一人で、日本医師会会長である横倉義武氏の後援に、多くの人が耳を傾けていたのが、ほかの政経セミナーの講演と違い、非常に印象的だった。