おやつ代と保険代を隠す学童保育 (後編)

テノ社の要望で 市は黒塗りにしたというが、同社は福岡発の急成長した上場企業、代表にあっては 活躍する女性リーダーとして注目を集めている人物だ。
公の施設の管理を請け負うなら、あの程度の収支報告書は堂々と公開できるだろう。

だが、非開示に拘る理由、もしかしたらと思える点が1つある。

太宰府市・那珂川市と春日市の収支報告書を比べるうちに、「間食(おやつ)代」と「保険代」の取り扱いが違うことに気がついた。
両市においては間食代・保険代は指定管理料に含まれているが、春日市では別徴収になっているのだ。
令和2年度、テノ社は 間食代として2100万2900円、保険代として172万6400円を徴収し収入としているが、支出が黒塗りとなっているのである。
仮に、間食代と保険代を徴収しておきながら使ってないとなれば問題だ。
まさか、上場企業に限ってそのようなことはないと思うが、黒塗りになっているだけに妙な想像をしてしまう。

令和元年度まで春日市は、全ての指定管理者の収支報告書について公開しており、そこには公共事業の透明性を図るという ごく当たり前の方針があったはず、その方針を変えてまでテノ社の要望を聞き入れたということは、何か特別な力が働いたか。
担当課長レベルで判断できるはずもなく、おそらく「上」から指示があったと思われる。

その「上」が誰かは不明だが、市長は現在6期目、24年目に入った井上澄和氏だ。
まさか、井上市長ともあろう人が、おやつ代を黒塗りで隠すような せこい指示を出すはずがない。
これは何かの間違いと思われるので、事実確認をして黒塗りを止めて全て開示するよう指令がいくものと信じている。


ー 了 ー

おやつ代と保険代を隠す学童保育 (中編)

春日市は テノ社の要望を聞き入れて黒塗りにしているが、他の自治体はどうか。
隣接する那珂川市や太宰府市において、春日市と同じ放課後児童クラブの事業で テノ社が指定管理者として運営している。

テノ.サポート学童保育所(放課後児童クラブ)

情報公開請求で、同じ収支報告書を取り寄せたが 印影以外に黒塗り箇所はない。
これを見て、あらためてこの程度の収支報告書で 黒塗りにする必要はないと確信した次第である。

そこで、福岡県や複数の市に指定管理者の情報公開のあり方について尋ねてみた。
「税金で運営し透明性が求められる公共事業で、指定管理者の予算書や収支報告書が黒塗りになることは考えられない」というのが共通の見解である。
つまり、春日市の方が普通ではないということだ。

太宰府市・那珂川市で公開されているテノ.サポートの報告書
(印影以外は黒塗りなし)

ー 続 く ー

 

おやつ代と保険代を隠す学童保育(前編)

森友事件の黒塗り文書がそうだが、何でもない項目を隠せば隠すだけ疑惑は深まる。
やましいことがなければ 黒塗りにする必要はない。
今から約40年前、市として全国初となる情報公開条例を制定したのは 春日市ということだが、その春日市の指定管理者の事業報告書において、ただ一つの業者の報告書の一部が黒塗りで公開されており 話題になっている。

それは、放課後児童クラブの指定管理者である ㈱テノ.サポート(福岡市博多区)が提出した 令和2年度事業報告書(下図)の収支報告書である。

事業費予算が4594万7000円に対し、執行額が3975万3656円とマイナス619万3344円と大幅減。
一方で、その他(本部経費・諸経費)の予算が 360万円だったのに対し、執行額が2000万1845円で 1640万1845円のオーバー、執行率が なんと 556%という計算になる。

そして、一番問題と思われるのが、執行額のうち 間食(おやつ)代 2100万2900円、保険代 172万6400円が収入として入ってきているが、事業費の中で いくら使われたか 黒塗りになっているため 確認できないことだ。

このことについて 保護者から疑問の声が上がった。
当然だろう。

この程度の収支報告書なら何も黒塗りにする必要はなく、事業として必要なものに支出した場合は 内訳を示し 説明をして、保護者を安心させればいいだけだ。



これに納得がいかない保護者の相談を受けたある市議が、情報開示請求を行ったが黒塗りの箇所は開示されることはななかった。
非開示の理由として「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とされていたという。

しかし、筆者が春日市庁舎内の情報公開室で、同年度における他の指定管理者の事業報告書を確認したところ、黒塗りにされている報告書はなく予算決算報告も詳細まで細かく公開されていた。

この点について市総務課に質したところ、「統一されていないことを認めた上で、テノ社からの要望があって黒塗りにしている。現在、市議から情報の非開示決定に対する不服審査が行われており、審査会の結論を待ってどちらかに統一する」ということだった。

市に主体性がなく判然としない。

ー 続 く ー

反面教師

福岡都市圏を中心にマンションや投資用ワンルームの開発・分譲などを手掛ける㈱コーセーアールイー(福岡市中央区赤坂1-15-30 代表者諸藤敏一氏)であるが、連結子会社の㈱コーセーアセットプランにおいて、金融機関に提出するローン申請書類を不正に書き換えた疑いがあると発表した。

今後外部に調査を委託し、真相を究明し、積極的な情報公開に努めるとしている。

起きてしまった不祥事は仕方ないが、その後の対応で真価が問われることになる。

JR九州は、昨年連結子会社のJR九州住宅㈱による同様の事件が発覚した際、調査委員会を設置するも肝心要の前社長へのヒアリングを行なわず、早期の幕引きを図ろうとして批判を浴びた。
反面教師として大いに参考になるだろう。



続きを読む

情報公開・問われる大学の姿勢

11月28日の新聞で、中村学園大学の准教授が発表した論文に不正があったという報道があった。

同大学によると、通報を受けて今年6月から委員会を設けて調査を開始、10月まで検証を行い、報告書をまとめ11月26日付でホームページ上に公表している。
迅速な対応と、積極的に情報公開する姿勢は素晴らしいものだ。

一方で福岡大学の場合、幾度も指摘してきたが、7月17日付で理事会に提出された「若葉高校移転に係る調査委員会の報告書」は、4ヵ月経った現在も公開されていない。

日経BPコンサルティングが行った「大学ブランド・イメージ調査」で、福岡大学が前年の6位から2位に躍進したというニュースもあったが、イメージだけでなく、不都合な真実もオープンにするだけの情報公開の姿勢を期待したい。



続きを読む