市議会が おやつ代黒塗り企業を承認 [2022年9月29日07:50更新]

春日市議会の最終日、放課後児童クラブの指定管理者の指定に関する議案の採決が行われ賛成多数で可決された。

再指定を受けたのは、あの「おやつ代の黒塗り」で知られる ㈱テノ.サポート(福岡市博多区)、来年度から5年間の予定となっている。

採決前に討論が行われたが、賛成の議員からは
「議会は選考委員会での結果を尊重するべきだ」
「コロナ禍の中、ここまでやってきたテノには感謝したい」
という頓珍漢な意見が飛び出しズッこけた。
選考委員会の結果を追認するだけなら議会は要らないし、今後5年間で7億円近く支出する企業として相応しいかを審査するのに「感謝」してどうする?


一方、反対の議員からは、
「保護者の改善要求に対応しようとしない」
「支援員の入れ替わりが多い」
「学童保育やケガ病気対応のマニュアルが未だに整備されていない」
「収支決算書が黒塗りで透明性が確保されていない」
「指定管理者の選考委員会に市民や有識者を入れず、市の幹部だけで選定している」
という指摘があった。


最後の選考委員会だが、原則公募の指定管理者制度なのに 放課後児童クラブについてはテノ社ありきの非公募、しかも 審査結果は得点率69.5%(合格60%以上)と決して高くはない。

非公募に決めたのは市の幹部、点数をつけたのも市の幹部、こういう仕組みなら人事権を持つ首長の意向で何でも恣意的に進められる
大任町を彷彿とさせるが、春日市のガバナンスについても心配になる。

最終的に議会の議決なので口を挟むつもりはないが、弊社記事「おやつ代と保険代を隠す学童保育(2022年8月20日)」で報じた間食代や保険代等の実費徴収分について、賛成議員からは異論が出なかったということで 非常に残念だった。
「議会は公共事業の収支の非開示を容認」という 間違ったメッセージを テノ社に与えかねない。
市議の先生におかれては 国や県に問い合わせるとか 他自治体の状況を調査するなど最低限の仕事をして、情報公開を進めるよう市に働きかけて頂きたい。

但し、そのようなことをしなくても、井上澄和市長が公開すると決めればいいだけの話、簡単なことだ。