11月5日告示、12日投開票の飯塚市長選には、現在までに市教育長の武井政一氏(62)、市行政経営参与の倉智敦氏(64)、そして市議5期目の上野伸五氏(57)の3人がいずれも無所属で立候補する意向を表明している。
麻生副総裁が応援を表明している武井氏には、自民県連の推薦も出て比較的優勢に見えるが、最近の麻生氏の「公明党はがん」発言に 学会関係者の間で反発が広がっているという。
約7000の学会票が 自主投票になれば 勝負は分からなくなる。
立憲民主党の道祖満市議が引っ張り上げたと言われる倉智氏には、市職員OBらの応援に加え 自治労の推薦が出る模様だ。
そこに学会票が倉智氏に回れば一気に優位に立てると思われるが、そう単純ではないらしい。
それは、道祖氏と歩調を合わせている坂平末雄市議の動きが影響しているというのだ。
地元では、坂平氏が倉智氏の討議資料を地域の有力者に配布して回っていることが話題になっている。
弊社記事「坂平氏告発議案の賛否 (2023年3月20日)」で既報の通り、坂平氏と道祖氏が共闘すること自体は不思議ではないが、坂平氏は 麻生グループと取引きのある ㈱サカヒラ(飯塚市)の株主でもある。
その坂平氏が、麻生副総裁や自民県連が支持する武井氏ではなく、自治労や立憲市議が支持する倉智氏を支持、選挙とビジネスは別物とはいえ、営業への影響を考慮して行動を控えるのが一般的である。
今年4月の市議選前には「今すべき事を、今行います。」と意味不明な公約を掲げただけに「あまり深く考えて行動していないのでは」と見る関係者がある一方で、地場建設業界は「あの2人の市議がつくなら絶対阻止」と別の厳しい見方をしている。
地場建設業界が「2人の市議がつくなら絶対阻止」という理由、それは 平成29年の議会で 道祖氏が公共工事の入札に総合評価方式導入を求め、それに市が応じた結果、坂平氏が関連する特定の企業グループが有利になったという経緯があるからだ。
その後4年間で 飯塚市と消防組合が発注し 地場企業に支払われた工事総額 約62億円のうち、同グループが3分の2を得たとされる。
また、飯塚市・嘉麻市・桂川町・小竹町で構成される「ふくおか県央環境広域施設組合」では、総工費約500億円のゴミ処理建設を控えており、同グループが何らかの形で受注を目指していると言われている。
情報収集や組合執行部に提案ができる組合議会議員として、道祖氏と坂平氏がしっかりと名を連ねているのは偶然ではないだろう。
それに加え、弊社記事「議長ポストを500万円で」で既報の通り、坂平氏は 議長選挙や入札で 様々な疑惑が浮上したことで知られる。
特に新体新育館の移動式観覧席の入札では、これまで受注実績が殆どない坂平氏の妻が代表を務める会社と、坂平氏の後援会長の会社が応札し後援会長の会社が落札、入札の数ヵ月前には 契約担当の課長と飲食を共にしていたことも判明した。
昨年12月議会に設置された百条委員会は改選により尻切れトンボに終わったが、官製談合の疑惑は残ったままである。
話を戻すが、気になる学会票の行方である。
公明党は党の方針として、「政治とカネの問題は国民を裏切る行為として、断じて許さない」としている。
下表は 飯塚市議会における坂平副議長(当時)に関係する議案の賛否表である。
緑色の網掛けが公明党会派の賛否だが、令和3年6月の辞職勧告決議案は棄権、同4年9月の百条委員会設置議案は反対で、どちらかというと一歩引いていた感があった。
ところが、疑惑が深まった同12月の百条委員会設置議案では4人全員が賛成、同5年3月の告発議案では4人のうち3人が賛成した。
ちなみに道祖氏は4回とも反対するという徹底ぶり、どんなに疑惑が深まっても坂平氏を擁護しているように見えるが、公明の市議は 「政治腐敗は許さない」党方針を念頭に是々非々で判断していると思われる。
こうした状況も含めると、2人が応援する候補に学会票が行くことはないと予想される。
いずれにしても 三つ巴の短期決戦、激しい戦いになることは間違いないだろう。
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逆効果になりそうな市議の応援
意味不明、立憲民主党が分裂選挙
片峯誠市長の死去に伴う 飯塚市の市長選(11月5日告示、12日投開票)は、現在までに 元市部長の倉智敦氏(64)、前市教育長の武井政一氏(62)、元市議会議長の上野伸五氏(57)の3人が出馬を表明している。
短期決戦で各陣営が準備を進めているところ、武井氏の討議資料を入手した。
麻生副総理とのツーショットや、自民党の江藤県議と高橋県議の顔写真が掲載されていて、地元政財界が支持していることが窺える。
気になったのが、その中に元県議で九州の自立を考える会 副会長の吉村敏男氏の写真、吉村氏は現在立憲民主党県連の顧問を務め、あまりいい評判を聞かないだけに 武井氏の支持者からはマイナスイメージを心配する声が上がっている。
その一方、同じ立憲民主党の道祖満市議が 倉智氏を支援しているという。
道祖市議自らが倉智氏を引っ張り出したと言われているが、立憲県連の方には道祖氏から報告はされていないらしい。
党人としては不可解な動きであり、立憲内部からも疑問の声が上がっている様だ。
尚、議長ポストを500万円で買おうとした市議が倉智氏支持に回っているという噂もあり、道祖氏の思惑に憶測が広がっている。
本来、政党同士で争う市長選挙、立憲県連顧問と市議が別々の候補を支持する珍しい「野党分裂」となっている。
結局政党は二の次ということだろうか。
片峯誠飯塚市長が死去
昨日 飯塚市の片峯誠市長の訃報が届いた。
弊社の社長もたびたび取材で市長に面会していたが、市長というより慕われている学校の先生という印象が強かったという。
コロナ禍の2020年夏、緊急事態宣言に伴う来園者激減で苦境に陥った同市八木山の民間動物園「ピクニカ共和国」の窮状を知った弊社社長が、片峯市長に直談判をしたところ、早速 自らの足で同園を訪れて現状をお尋ねになったという。
その後 議会で、自粛生活を強いられ遊ぶ機会や学ぶ機会を奪われた子どもたちへの市独自の支援事業「こどもたちに笑顔をワクワク体験事業」の一環として、市内に39ある保育所、保育園、認定こども園、幼稚園すべてに「移動動物園」招致にかかる補助金の支出を提案、全員賛成で可決し事業化が決まった。
ピクニカ共和国の山本社長は、当時を振り返り「本当によくして頂きました。本当に残念です」と話した。
各方面からあまりにも早過ぎる死を惜しむ声が上がっている。
片峯市長のご冥福をお祈り申し上げます。
坂平氏告発議案の賛否
飯塚市議会最終日、「百条委員会に出席を求められるも正当な理由なく出頭しなかった」として、坂平末雄市議を告発する議案が賛成多数で可決した。
今月中に福岡地検に告発状が提出されるという。
昨年6月議会で議案となった新体育館移動式観覧席の入札が極めて不自然で、坂平氏の関係する2社(後援会長が代表を務める会社と自身が最大株主の会社)が関与していたことから 市役所を巻き込む騒動に発展した。
一連の流れについては 詳細に報じてきたので、こちら(→)を参照頂きたい。
ところで、これまでの坂平氏にまつわる議案の賛否を表にしてみたが、なかなか面白い。
副議長の辞職勧告決議案は、選挙で選ばれた議員の身分に関わり慎重な判断が求められることから、棄権や反対が多かった。
移動式観覧席の疑惑が出た後の昨年9月議会では、百条委員会の設置を求める請願が出されたが、公明党などが反対に回り否決されている。
しかし、昨年11月に 坂平氏が入札の3ヵ月前に、当時の契約課長や落札した後援会長と会食をしていたことが明るみになると空気が一変、12月議会で同様の請願が再び提出され、賛成多数で百条委員会設置が決まった。

百条委員会では時間的な制約もあったが、かなり踏み込んだところまで解明できたと思われる。
肝心の坂平氏の証言は出頭拒否のため得ることができなかったが、疑惑は深まったと言えよう。
新体育館移動式観覧席の入札に係る官製談合等調査特別委員会
採決の結果、賛成19、反対5、坂平氏と同じ会派の瀬戸光市議、及び「この世は金ばい」で知られる古本俊克市議の2名が棄権した。
注目された公明党は、4人のうち3人が賛成に回り、田中裕二市議は反対した。
棄権した古本市議と同じ会派の田中武春市議が賛成したのは意外だった。

立憲民主党の道祖満議員は徹底して反対を貫いた。
反対討論では、「坂平氏は動画撮影を拒否しただけで調査に協力する意思はあった」として、告発を決定した委員会の手続きを批判した。
確かにそういう反論も分からぬではないが、撮影があっても やましいことが無ければ堂々と尋問を受ければ良かったはずだ。
それより、公明党の3人が賛成しているのに立憲民主党の2人が反対に回った構図を見て、自治労はじめ支持団体はどう考えるか心配になってきた。

副議長の刑事告発議案、どうする?公明党
飯塚市議会の「新体育館移動式観覧席の入札に係る官製談合等調査特別委員会(百条委員会)」では、関係した市職員や業者に対する証人尋問が順次進められているが、肝心の坂平末雄副議長が8日に予定されていた尋問を拒否した。
応じない理由として「委員会で尋問が中継されると、公開された動画の一部を切り取られ悪意をもってSNSに投稿される」ことなどを挙げていた。
委員からは「正当な理由には当たらず刑事告発すべき」という意見が出され、採決の結果 賛成多数で可決、17日の議会最終日に同委員会から「議会として刑事告発する議案」が提出される予定だが、可決するかどうか現時点では不明だ。
令和3年6月議会で「坂平副議長に対する副議長辞職勧告決議」の議案が提出された際に、賛成10、反対8、棄権8 という結果だったこともあり、棄権した会派が反対に回れば否決される可能性もある。
ちなみに、坂平副議長は可決されたにも拘わらず、2年間その椅子に座り続け責任感の強さを示してきた。
「この世は金ばい」の落とし文句で知られる古本俊克議員擁する友和クラブ(田中武春議員、土居幸則議員)や立憲民主党(道祖満議員、佐藤清和議員)はこれまで坂平副議長を擁護してきており、今回も「刑事告発議案」に反対すると関係者は見ている。
鍵を握るのが公明党(田中裕二議員、奥山亮一議員、守光博正議員、光根正宣議員)だ。
公明党は副議長辞職勧告決議案の採決に棄権し、判断を避けた経緯がある。
しかし同党の2021政策パンフレットでは、「『政治とカネ』の問題は、国民を売ら裏切る行為であり断じて許されません。だからこそ、『政治腐敗』と闘い続けてきました。」と清潔な政治をアピールしている。
これまでの調査において外堀が埋められ、マスコミや警察も関心を寄せる中、官製談合防止法等を率先して成立させてきた党としてどう判断するのか注目が集まっている。
奥様は名ばかり社長、オーナーは坂平副議長
飯塚市議会では3月議会の合間を縫って、「新体育館移動式観覧席の入札に係る官製談合等調査特別委員会(百条委員会)」が開催されている。
1ヵ月後の市議選が気になりながらの審査で、委員の皆さんは大変そうだが、これまでの証人尋問でいくつか興味深い話が出ている。
その中で、入札に参加した3社の代表者の証人尋問のうちS・Yの代表者で坂平末雄副議長の奥様、由美氏の証言には驚いた。
Q 会社の住所は。
A 番地は分からない。
Q 指名業者にいつなり、何の業種を希望したか。
A 事務員に任せているので分からない。
Q 役所との取引実績は。
A 分からない。
Q(役所から)参考見積の依頼を受けたか。
A インテリア関係の知り合いの業者に相談した。業者名は迷惑をかけるので言えない。
Q 今回の入札について、市や議員などに事前の働きかけをしたか。
A 働きかけの意味が分からない。
Q 入札金額がちょうど8000万円ちょうどだが、どうやって決めたか。
A 相談して決めた。これくらいじゃないかなぁと。
Q 落とそうという意思がないように感じられるが、無理と判断していたか。
A 多分そうだったと思う。
Q あなたの会社の最大株主は。
A 主人(坂平副議長)。

社長とは名ばかり、本当に何も知らなさそうで、このような場に呼び出されてたいへんお気の毒である。
誰が実際に会社を動かしているかは容易に想像できるが、ここで「インテリア関係の知り合いの業者」というのが出てきた。
弊社ではこの業者について既に調べはついているが、この体育館建設工事ほか、他の市発注の大型工事に深く関与しており、今後の委員会審査が楽しみになってきた。

来期こそ議長に・坂平副議長
4月の市議選に向け、飯塚市議会の坂平末雄副議長が精力的に動いている。
丁寧な個別訪問、留守宅には討議資料と名刺、そして手書きの手紙を郵便受けに入れ足跡を残す、こうしたきめ細かさは新人候補のお手本となるものだ。
さて、坂平氏は今期4年間は副議長を務めた。
途中、副議長辞職勧告決議が可決されるも動じることなく辞任を拒否、議長の補佐役に徹し、また、時には入札案件を取り扱う契約課の課長を呼び出し飲食を共にするなど、プライベートでも行政と市民とのパイプ役として、「あなたの声を市政に」を実践してきた。
辞職勧告決議の原因となった2年前の議長選挙の際は、「この世は金ばい!」で有名になった古本俊克議員の仲介で、同僚議員に500万円の「保証金」を渡すという条件を提示して票の取りまとめを依頼したが、話はまとまらず敗れることに。
ここで言う保証金とは「1年間だけ議長を先にやらせてほしい。もし1年後、議長を辞めないで約束を破った時は、500万円は渡します」を意味するが、飯塚市議会では過去にもこうした例があったという。
古本議員は今期限りで引退の意向を示しており強力な後ろ盾が一つなくなるが、道祖満議員はじめ固い絆で結ばれた仲間がいるので夢を諦める必要はない。
保証金を積み増してキャスティングボードを握る会派に提示すれば、議長の椅子が手に入るかもしれない。
坂平氏の討議資料には、「住み続けたい飯塚市の実現のために今すべき事を、今行います」という約束があるが、今すべきことを今行わない議員はいないのでは…。
そんな約束より、政治倫理上の問題点を改める、例えば「自身が株主の会社の契約議案の採決には加わりません」とか「自身がオーナーの会社は市や組合の入札に参加しません」などの現実的な約束に差し替えた方が票になると思われる。
坂平氏におかれては、来期こそ議長としてご活躍されることを期待している。
疑惑の観覧席入札、百条委員会始まる
飯塚市議会で、「新体育館移動式観覧席の入札に係る官製談合等調査特別委員会(百条委員会)」が設置され、今日までに6人の証人尋問が行われた。
前回記事を書いてから2ヵ月過ぎたので、ここに至る経緯を編集し直してみた。
移動式観覧席は本来、新体育館の建設工事に含まれるべきものだが、令和2年4月の入札の際、市は入札の予定価格を下げるために移動式観覧席を外し分離発注することに決めた。
しかし、その際 議会にそのことを説明していなかった。
その2年後、昨年の6月議会に「移動式観覧席 7843万円」の財産取得議案が上程されたことで、市議の一部から「聞いていない」という声が上がった。
しかも、入札結果に不自然な点が散見される。
分離発注すれば、建設業者ではなく 物品納入業者に受注のチャンスが出てくるが、その流れを見ていくと 余程鈍感な人じゃない限り、誰もが疑念を持つはずだ。
13社中10社が辞退した入札
昨年5月19日、「事務用品」の物品納入の登録業者を対象に 指名競争入札が行われたが、指名13社のうち 何と10社が辞退したのである。応札したのは 3社のみで そのうち グッドイナフ㈱が 7843万円(税込)で落札した。
10社の辞退理由を確認したところ、「商品が入手困難」「納期が未定」「納品後のメンテナンスが出来ない」などで、まるで 取り扱い出来ないことを分かっていながら 指名したようだ。
市は予定価格の算定のため、指名13社のうち2社に事前見積りを依頼していたことが判っているが、それがどの会社なのか 議会で尋ねられて明らかにしなかった。
明らかにできない理由があるのだろうか。
今回辞退した10社が事前見積りをしたことは考えられず、応札した3社のうちの2社ということで間違いないと思われる。
㈱福岡ソフトウェアセンターは 飯塚市の第三セクターで業歴が長く 見積りは可能と思われるが、グッドイナフ㈱と ㈱S・Yはどうか。
いずれもあまり聞き覚えのない会社だが、グッドイナフは 坂平副議長の後援会長が代表者、S・Yは坂平副議長の妻が代表者ということが判った。

課長と副議長と業者で会食
昨年の12月議会に提出された請願が衝撃的だ。内容は、「飯塚市新体育館移動式観覧式の入札において、 落札した業者と市の職員、そして 市議会議員が会食していたので、百条委員会を設置して官製談合の疑いがないか調査してほしい」というもの。
請願者は市内で建設業者で、昨年2月26日に市内の飲食店で、市職員(当時の契約課長)と坂平副議長、そして 落札した グッドイナフ㈱の代表者と女性の計4人で会食していたのを目撃したという。
契約課長が利害関係者と飲食を共にしており、確かに問題である。
整理すると、
①2月に契約課長と坂平副議長、グッドイナフの代表者が会食
②5月の指名競争入札で指名13社中10社が辞退、応札した3社は
・グッドイナフが坂平副議長の後援会長が代表者
・S・Yが坂平副議長がオーナーで妻が代表者
・福岡ソフトウェアセンターは市が出資する第三セクター
③グッドイナフが落札
となる。
確かに怪しい。
昨年9月議会の決算委員会では、上野伸吾議員の質問に対し 市はそのような事実はないという回答していたが、12月7日の地元紙が「11月28日に同職員が会食した事実を認め市に報告した」と報じた。

グッドイナフってどんな会社?
では、グッドイナフとはどのような会社だろう。市内で その名を聞いたことのある人は殆どいないと思われるが、それもそのはず、平成29年1月5日設立と業歴が浅く、本社は飯塚市役所側の賃貸マンションの1室にあり、社員数1名の小さな会社だ。
法人登記を確認したところ、設立目的に「1.ガス,石油類,工業用薬品,石灰石,生石炭,消石灰,活性炭の販売,斡旋販売」と記載されている。
その後、飯塚市の建設・建築資材の物品納入業者として登録し、同30年3月に「活性炭入り消石灰納入業務」の入札に参加し見事落札、年間約1500~2500万円を売り上げている。
驚くことに、そこから令和4年度まで5年連続で落札しているので、社長はさぞ商才に長けた方とお見受けする。

同社は令和2年8月、定款の事業目的に「コンピュータ、周辺機器、通信機器、ソフトウェア並びに家庭用電気製品、電子機器及び事務機器、事務用品の卸・販売・販売代理・仲介・輸出入業務」を追加、翌年(令和3年)、飯塚市に事務用品と教育用品の物品納入を追加登録、新規参入ながらタブレットやクオカード等 1年間で約830万円分を売り上げることができた。
そして 今年5月19日の新体育館移動式観覧席の入札に至る。
13社中10社が取り扱いしていない等という理由で辞退する中、この程度の納入実績のグッドイナフが 7843万円で落札したのである。
事務用品を追加登録したのは、こちらが主たる目的だったと思われる。

S・Yってどんな会社?
次はS・Yについてだが突っ込みどころ満載だ。同社は平成25年に設立した会社で代表者は坂平副議長の妻である。

そして、坂平副議長の資産報告書で、現在発行している400株のうち 208株を坂平副議長が保有し、最大株主ということが判った。
つまり、坂平副議長がオーナーを務める会社が、堂々と移動式観覧席の入札に参加していたことになる。

S・Yの過去5年分の飯塚市の発注実績を確認したところ、平成29年度から飯塚市クリーンセンターへの「酸素パイプ納入」の入札において令和元年を除く4回落札し、年間約1000万円の売り上げていることも判明している。
以上が今回の百条委員会を見ていく上で、事前に入れて置きたい情報である。
同委員会の録画動画は 飯塚市議会のチャンネルで視聴できるのでご覧頂きたい。
→ 飯塚市議会インターネット中継
ー 続 く ー
議長ポストを500万円で ⑪ ~ S・Yってどんな会社? ~
前述のように、新体育館移動式観覧席の入札に参加したのは3者、そのうち1者は ㈱S・Yという会社だが、調べてみたところ突っ込みどころ満載だった。
同社は平成25年に設立した会社であるが、代表者は坂平姓の女性、何と坂平副議長の奥様である。
そして、坂平副議長の資産報告書で、現在発行している400株のうち 208株を坂平副議長が保有していることが判った。
つまり、坂平副議長がオーナーを務める会社が、堂々と移動式観覧席の入札に参加していたことになる。
S・Yの過去5年分の飯塚市の発注実績を確認したところ、平成29年度から飯塚市クリーンセンターへの「酸素パイプ納入」の入札において令和元年を除く4回落札し、年間約1000万円の売り上げていることも判明、クリーンセンターへの消耗品納入の5年連続落札という芸当は、どこか別の会社でもあった話だが、これについては後述する。
新体育館移動式観覧席の指名競争入札に話を戻すが、指名されたのは13者、市はそのうち2者に事前見積りを依頼したとのことだが どの業者かは公表していない。
そして、13者中10者が「商品が入手困難」等の理由で辞退、参加したのが ① グッドイナフ(代表者が坂平副議長の後援会長)、② S・Y(坂平副議長がオーナーで代表者が奥様)、③ ㈱福岡ソフトウェアセンター(飯塚市の第三セクター)の3者である。
3者のうちの2者が坂平副議長が関係する会社、しかも業歴が浅く納入実績の乏しい企業である。
事前見積りについても、グッドイナフかS・Yに依頼した可能性が高い。
12月議会に提出された請願で、新体育館移動式観覧席の入札関係者が会食していたことが問題になっているが、参加していたのは以下の4人である。
1.落札業者したグッドイナフの代表者(坂平副議長の後援会長)
2.契約課長(当時)
3.坂平副議長
4.女性
4の女性について確認が取れていないが、S・Yの代表者である坂平副議長の奥様だったのではないかと関係者は見ている。
さて、以上のことから 市民の皆さんは、あの方の人物像が何となく分かってきたのではなかろうか。
ー 続 く ー
議長ポストを500万円で ⑩ ~ グッドイナフってどんな会社? ~
今年2月、契約課長(当時)と坂平副議長と女性、及び 飯塚市新体育館 移動式観覧席を落札した グッドイナフ㈱の社長が 会食をしていたことが、議会でも取り上げられているが、グッドイナフとはどのような会社だろう。
市内で その名を聞いたことのある人は殆どいないと思われるが、それもそのはず、平成29年1月5日設立と業歴が浅く、本社は飯塚市役所側の賃貸マンションの1室にあり、社員数1名の小さな会社だ。
法人登記を確認したところ、設立目的に「1.ガス,石油類,工業用薬品,石灰石,生石炭,消石灰,活性炭の販売,斡旋販売」と記載されている。
その後、飯塚市の建設・建築資材の物品納入業者として登録し、同30年3月に「活性炭入り消石灰納入業務」の入札に参加し見事落札、年間約1500~2500万円を売り上げている。
驚くことに、そこから令和4年度まで5年連続で落札しているので、社長はさぞ商才に長けた方とお見受けする。
同社は令和2年8月、定款の事業目的に「コンピュータ、周辺機器、通信機器、ソフトウェア並びに家庭用電気製品、電子機器及び事務機器、事務用品の卸・販売・販売代理・仲介・輸出入業務」を追加、翌年(令和3年)、飯塚市に事務用品と教育用品の物品納入を追加登録、新規参入ながらタブレットやクオカード等 1年間で約830万円分を売り上げることができた。
そして 今年5月19日の新体育館移動式観覧席の入札に至る。
13社中10社が取り扱いしていない等という理由で辞退する中、この程度の納入実績のグッドイナフが 7843万円で落札したのである。
事務用品を追加登録したのは、こちらが主たる目的だったと 関係者は見ている様だ。
以上、グッドイナフとはこんな会社だ。
ひとつ言い忘れていた。
ここの凄腕社長は 坂平副議長の後援会長だったらしい。
ー 続 く ー
議長ポストを500万円で ⑨ ~ 課長と副議長と業者で会食 ~
12月議会に提出された請願の中身が衝撃的だ。
弊社記事「議長ポストを500万円で ⑧ ~ 13社中10社が辞退した入札 ~(11月30日)」で取り上げた、飯塚市新体育館移動式観覧式の入札において、 落札した業者と市の職員、そして 市議会議員が会食していたので、百条委員会を設置して官製談合の疑いがないか調査してほしいというもの。
請願したのは飯塚市の建設業に携わる市民3人、今年2月26日、市内の飲食店で 市職員(当時の契約課長)、落札した グッドイナフ㈱の代表者、そして 坂平副議長と某女性の4人が会食していたのを目撃したという。
9月議会の決算委員会において、上野伸吾議員の質問に対し 市はそのような事実はないという回答している。
しかし、今朝の朝刊で、11月28日に同職員は会食をしたこと認め 市に報告したと 地元紙が報じた。
明日8日の議会運営委員会で百条委員会を設置するかどうか協議されるという話だが、次号で移動式観覧席を落札したグッドイナフと入札に参加したS・Yがどんな会社か解説していくので 乞うご期待。

議長ポストを500万円で ⑧ ~ 13社中10社が辞退した入札 ~
前回、新体育館の建設工事の入札が1回目と2回目が不調となり、3回目で 九特興業JVが落札したことを書いた。
サカヒラJVと九特興業JVが1回目の入札を辞退した理由は「予定価格(25億8979万円)が積算より低かったから」、しかし3回目の入札で 予定価格が約2億円引き上げられたにも拘わらず、1回目の予定価格より低い 25億8700万円で落札したことから、「受注価格を吊り上げる思惑が外れたのでは」と 業界で当時話題になった。
その2年後、同工事に関連する物品納入案件において 冗談のような入札結果が披露された。
その案件とは「移動式観覧席」の設置費用、1回目の時には工事費に含まれていたが 、3回目の入札の仕様書で密かに分離され、別途発注されることになっていた。
「密かに」というのは、議案審査の際、役所から分離した旨の説明がなく議員に知らされていなかったという意味で、今年の6月議会に「移動式観覧席 7843万円」の財産取得議案が上程され、議員らは初めて知ることになる。
本来 建設工事に含まれるべき観覧席を分離発注すれば、建設業者ではない 物品納入業者に受注のチャンスが出てくる。
5月19日、「事務用品」の物品納入の登録業者を対象に 指名競争入札が行われたのだが、指名された13社のうち 何と10社が辞退、応札したのは 3社のみで そのうち グッドイナフ㈱が 7843万円(税込)で落札した。
10社の辞退理由を確認したところ、「商品が入手困難」「納期が未定」「納品後のメンテナンスが出来ない」などで、まるで 取り扱い出来ないことを分かっていながら 指名したようだ。
ちなみに 予定価格の算定のため、役所が指名した13社のうち2社に事前見積りを依頼していたことが判っているが、それがどの会社なのか 議会で尋ねられるも明らかにしていない。
明らかにできない理由があるのだろうか。
今回辞退した10社が事前見積りをしたことは考えられず、応札した3社のうちの2社ということで間違いなかろう。
㈱福岡ソフトウェアセンターは 飯塚市の第三セクターで業歴が長く 見積りは可能と思われるが、グッドイナフ㈱と ㈱S・Yはどうか。
問題視されているのは、その2社が 坂平副議長に関係する会社だったことである。
ー 続 く ー
議長ポストを500万円で ⑦ ~不自然な新体育館入札~
11月6日と8日の2回に亘り、ふくおか県央環境広域施設組合の土木工事の入札に、株主が同じ サカヒラと九特興業の2社のみの入札になったことを書いた。
→ 前回記事は こちら
この2社が関係した入札と言えば、現在建設中の飯塚市新体育館建設工事の入札が思い出される。
3回目で決まったこの入札は、当時話題になり 地元紙も報じている。
経過は下表の通りで、
1)1回目の入札で、告示から参加締切まで土日を除いて たった8日間
2)1回目の入札日当日に、サカヒラJVと九特興業JVの2者が共に辞退
3)2回目の入札日前日に、サカヒラJVと九特興業JVの2者が共に辞退
4)サカヒラが組んだゼネコンが3回とも異なる
など、不自然な点が指摘された。
前回コメントをもらった県警OBが、この状況についての推理を語ってくれた。
1)について
入札の告示から締め切りまで8日間という短さ、JVの相手を決めて積算するには あまりにも短く、いわゆる不意打ち的な告示で、予め準備をしていた業者しか 間に合わせることができない。
前述の様に、サカヒラと九特興業は 同じ株主の企業、その2社だけが JVを組むことができたことになる。
公告期間を短く設定したのは市役所という点が気になる。
2)について
1回目の入札当日、2者が辞退しているが 参加者数の情報が漏れていたのでは。
なぜなら、仮に4者以上が参加していれば 入札は成立していた可能性が高い。
入札の予定価格を吊り上げる目的だったと想像するが、2者しかいないと分かっていたから 安心して辞退できたのだろう。
3)について
2回目の入札は 前日に2者が辞退している。
2者は 分離発注で落札できると踏んでいたところ、想定していなかった「東洋建設・赤尾組JV」が参加してきたので慌てたのでは。
1者入札だと成立しないため、2者共に辞退して 入札を流そうとしたのだろう。
4者以上が参加していれば 辞退はできないはずで、3者が参加するという情報が 漏れていたかもしれない。
4)について
サカヒラが組んだJVの相手が3回とも異なっているが、このような例は聞いたことがない。
一般競争入札にも拘わらず、サカヒラは3回とも辞退しており、初めから九特興業に落札させるつもりだったと想像できる。
三井住友建設、西松建設、淺沼組は 名前を貸しただけで、真面目に積算していないのでは。
結局、予定価格を約2億円吊り上げて3回目の入札が行われたのだが、最低制限価格付近で 安藤ハザマ・九特興業JVが落札しており、ガチンコで決まったと思われる。
市役所が1回目の入札を辞退した理由を ゼネコンにヒアリングした際、2者共に 「予定価格を積算が上回ったため」と答えたという。
しかし、3回目の落札金額は 1回目の予定価格を下回っており、1回目の辞退理由が意味を成さないものとなっている。
1回目の入札を不調にして、工事費を2億円増額しようとしたところ、もう1者が参加してきたことで、思惑が外れ お粗末な結果となってしまったのではなかろうか。
ー 続 く ー

議長ポストを500万円で ⑥ ~ ある県警OBの推理 ~
ふくおか県央環境広域施設組合が公表している「嘉麻クリーンセンター最終処分場押え盛土築造工事」の入札結果表は、税抜金額と税込金額が分かりづらかったので注釈を入れた。(下図)
これを見ると、九特興業は予定価格 8633万3000円(税抜)と同額の札を入れているので 鼻から取る気がなかったことが分かる。
一方、サカヒラは8500万円(税抜)の札で落札、予定価格に対する割合(落札率)は 98.5%と 業者側から見た入札結果としては満点と言えるだろうが、「通常は有り得ない」結果に関係者から疑問の声が上がっている。
この入札は、 8月1日公告、同 9日に参加申込みが締め切られ、参加が認められた業者は 入札金額を書いた書類を郵便で事務局に送付し、31日に開封・開札という流れだった。
入札参加申込みを提出した業者は、締切までに何社が申込みをしたのか知り得ないので、どうしても落札したい業者は最低制限価格7833万4000円(税抜)に近い札を入れることになる。
ところが、今回の2社、九特興業は予定価格に対して100%、サカヒラは98.5%の札を入れており、競争する意思が見られない。
ある県警OBから次のような推理を聞くことができた。
「2社は札を入れる際、参加申込みが自分たちだけと分かっていたと思います。
何らかの方法で情報を得た可能性もありますね。
親会社と子会社の2社入札、子会社が予定価格と同額というのが 明らかにおかしい。
指名競争入札においては、辞退する代わりに100%の札を入れることはありますが、これは一般競争入札、何のために経費をかけて参加するんでしょうね。
1社入札の場合は 不調(入札無効)になるので、それを避けるために参加しただけ、そこで何も考えず100%の札を入れたのでは。
完全に入札を舐めてますよ。」
この推理、信じるか信じないかは
あなた次第。
ー 続 く ー
議長ポストを500万円で ⑤ ~親会社と子会社の2社入札~
前回、飯塚市議会で建設工事の契約議案審査を行う坂平末雄副議長が、令和3年にサカヒラ㈱から 625万円もの株式配当を得ていたことを書いたが、同業者の方から 普段見落としがちな一部事務組合における入札について情報提供があった。
ごみ処理施設等を広域で行う ふくおか県央環境広域施設組合(飯塚市・嘉麻市・桂川町・小竹町で構成)が行った入札に、サカヒラとその100%子会社である九特興業㈱の2社のみが参加して、サカヒラが予定価格いっぱいの高額で落札したというだ。
九特興業とは昭和39年創業の老舗建設会社で、現在はサカヒラの経営者一族が全株式を保有、本社もサカヒラと同住所で地元では同一視されている。
問題の入札は、今年 8月31日に開札された「嘉麻クリーンセンター最終処分場押え盛土築造工事」の条件付き一般競争入札、予定価格 8633万3000円(税抜)、経審800点以上の土木業者が対象で、公共工事が減りつつある筑豊地区において、誰もが欲しい工事と思われる。
経審800点以上と言えば 地区内に30社以上あり、本来なら多数の参加が見込まれたはずだが、入札が行われたことすら知らない業者が殆どだというのだ。
公告期間は 8月1日から9日まで、同組合の公式ホームページや2市2町の公式ホームページでも案内されているので、公平公正に周知はされている。
しかし、公告期間が9日間と短かったことに加え、通常の市や町の発注ではなかったことから、業者が定期的にチェックしている工事関係のページではなく、普段開かない新着情報のページで案内されたため、見逃されてしまった様だ。
サカヒラと九特興業の担当者が、くまなく情報をチェックしていたという見方もあるがそれだけではない。
飯塚市議会の坂平末雄副議長は、市議会を代表して同組合議会の議員として参加しており、今年度の予算審議で当該工事が予算化されることを把握している。
更に ゴミ処理を所管する第一委員会の委員長を務め、6月の委員会で発注予定の報告を受けていた。
つまり、確実に発注情報を掴める立場にいたことは間違いない。
結果として 応札したのは サカヒラとその子会社の九特興業、落札したのが 坂平副議長(同組合議会では委員長)が配当を得ているサカヒラである。
これで競争と言えるのかという声もあるが、入札金額の不自然さが指摘されているので次回お伝えしたい。
ー 続 く ー
再興に向け ふるさと納税型CF
飯塚が誇る木造2階建ての芝居小屋「嘉穂劇場」、現在管理する飯塚市が 老朽化した建物の補修等の費用を集める目的で クラウドファンディングを始めている。
同劇場は昭和6年に開場、石炭産業で栄える筑豊地方の娯楽の場として地域に愛されてきた。
48座あった遠賀川流域の芝居小屋の中で ただ一つ生き残ったのが嘉穂劇場、平成18年には国の登録有形文化財となり、同19年には近代化産業遺産の認定を受けている。
令和3年に民間から飯塚市へ譲渡され 現在は休館中、今後再開のために耐震補強や雨漏り対策など老朽箇所の改修費用が必要となり、今回ふるさと納税の仕組みを活用したクラウドファンディングを始めることとした。
期間は1月5日までで目標額は1000万円(さとふるの場合)、寄付額に応じて返礼品が用意されている。
これから年末にかけて ふるさと納税の時期となるが、一度 専用サイトをのぞいてみてはいかがだろうか。
→ さとふる 嘉穂劇場の再興の応援サイト
→ 飯塚市 嘉穂劇場の紹介
建設土木業者の反乱・飯塚市
建設・土木業者の請願が可決
9月27日の飯塚市議会最終日、市内のSランク建設・土木業者22社のうち 17社が連名で提出した請願書が、14対12の賛成多数で可決された。この請願は、平成30年度より試行的に導入された、1億5000万円以上の市発注工事に導入した入札制度「総合評価落札方式」の廃止を求めるものだ。
22業者のうち17業者というのは ただごとではない。
飯塚市に限らず、国や地方自治体、それに準じる公共工事の発注者は、これまで公平公正で最適な発注ができるよう試行錯誤を繰り返してきた。
原資は税金、発注銀額は安ければ安いほどいいのだが、出来上がった工事の品質が「安かろう悪かろう」ではよくない。
一般的に業者といっても 技術力はピンキリ、中には素行の悪い業者や 管理能力のない 要注意の業者が存在するのも事実である。
行政はこうした要注意業者が落札した場合、後々 苦労するため 頭を悩ますことになる。
それを避けるために 最近主流となってきたのが総合評価落札方式だ。
「価格」のみで決める従来の落札方式と異なり、「価格以外」の技術提案性能などの項目を評価・加点して落札者を決定する落札方式で、国や県も推奨している。
ではなぜ、飯塚市で いったん導入した総合評価落札方式の廃止を求める請願が提出され、可決されるという事態になったのだろうか。

総合評価落札方式導入で増した不公平感
総合評価落札方式が飯塚市で受け入れられなかった背景には、一部業者の圧倒的な受注額があることが分かった。同市ではこれまで、一般競争入札において 低入札調査基準価格を事前公表してきた。
公共工事の発注数に対して業者過多、最近の入札は、低入札基準価格で業者が横並びになり、最後はくじ引きで決定する傾向にあった。
業者にとってみれば くじ引きで公平、役所にとっても 最も安い金額で発注できるというメリットはある。
その一方で、前述のようなデメリットもある。
ここに 国・県が推奨する総合評価落札方式を導入すると、こうしたデメリットを克服することが可能になる。
ただ、議会の一部議員からは、同方式では 総合評価ポイントの高い業者のみが落札するという指摘が出ていた。
導入して3年、結果はどうだったか。
平成30年度以降、これまで市発注の1億5000万円以上の工事は7件、合計約49億5000万円の一般競争入札が行われ、市外業者2社、市内の異なる業者5社が代表企業として受注しており、総合評価ポイントの高い業者に集中したとは言いきれない。

しかし、市内業者Sランクの受注額で比較してみると、総合評価ポイント3位の K社が受注1件約17億円で 全体の 57.7%を占めていた。
金額が大きい理由は、令和2年5月に飯塚市新体育館建設工事(約34.8億万円、追加工事費約7億円を含む)を、市外ゼネコンとのJV(JV比率 51:49)で受注したことによるものだ。
また、K社のグループ企業で 総合評価ポイント 1位の S社が 1件約3.3億円で受注しており、グループ合計で約20.4億円、全体の 69.1%を占めている。
そうは言っても、受注全7件中、 K社とS社の受注件数は 1件ずつに過ぎず、むしろ 総合評価ポイント 4位のD社が 2件で計約4億円受注しており、不満が出るまでには至らないと思われる。
取材を進めていくと、不満の要因は まだ他にもあることが分かった。

市発注の工事以外でも
市発注の一般競争入札以外に目を向けると、不公平感が増した理由が見えてきた。それは、平成30年8月にプロポーザル方式で公募された筑豊ハイツ建て替え工事、そして、令和元年に組合立消防署が行った庁舎及び車庫建設工事の一般競争入札である。
市営の公共施設、筑豊ハイツ建て替え工事は 「設計、施工、運営」をセットにした発注で 、プロポーザルに参加したのは1JVのみだった。
審査の結果、提案は適正ということで K社提案価格 約12.6億円(落札率99.73.%)で受注している。
当時、他業者からは、「条件が複雑な割に公募期間が短か過ぎる」、「もっと安くできたのでは」など疑問の声も上がっていた。
令和元年7月に組合立の消防署が発注した庁舎建設工事は、総合評価落札方式の一般競争入札で、S社が 総合評価ポイント2位のA社とJVを組み、約11.1億万円で受注した。
更に同年9月、同消防署の車庫建設工事は、同じく総合評価落札方式の一般競争入札で、K社が 約2.2億万円で受注している。
ちなみに、この2つの入札いずれも、応札した6社が低入札調査基準価格で横並びになっていた。
この3年間、市発注の一般競争入札に プロポーザル方式と組合立の工事まで含めると、市内Sランクの業者が受注した工事金額の合計は10件約56億円、そのうち K社が約32億円、S社が約11億円、グループで合計43億円、全体の約77%を占めたことになる。
こうした状況を見る限り、他の業者の間で不満が溜まっていったことは頷ける。
今回僅差で請願は可決となったが、多数の業者が連名で S社・K社の王国に真っ向勝負を挑んだとして 注目が集まっている。
自治体を悩ます入札制度
総合評価落札方式そのものに欠点があるわけではなく、S社は福岡県下でも有名な 定評のある業者、発注者側に安心感はあるかもしれない。ただ公共工事が限られる中、地元の一部業者の独占状態となると バランスを欠き、軋轢が生じるのは仕方がないことだ。
何でもやり過ぎはよくない。程度というものがある。
今回請願に Sランク22社中 17社が署名し議会で可決したが、中には地元新聞社にも取り上げられ、ここまで大ごとになると思わなかったと 後悔している業者もいるという。
請願で要望されている総合評価落札方式を中止しても、問題が解決するとは思えないが、それぞれの立場で 多少 動きが変わってくるだろう。
飯塚市としても請願内容を受け止め、より適した入札の在り方を工夫していくことが求められている。

小川洋政経文化セミナー
12月に入って体調を崩し、福岡県議会を欠席した小川知事であったが、コロナ感染者が拡大する中、以前も雲隠れしたことがあるだけに、関係者が情報収集に奔走したのは言うまでもない。
12月23日午後2時から、飯塚市のホテルで知事の政経文化セミナーが開催されると聞き駆け付けた。
しかし、会場は想定した定員の半分程度、麻生副総理のお膝元とは言え、熱気が感じられなかった。
来賓で登壇した片峰飯塚市長は、年明けに選挙を控えているが、現時点では無投票の公算が高いからか、実にのんびりとした挨拶だった。
メインの小川知事もよく通る声とは裏腹に、迫力が感じられない通り一遍の内容で期待外れの会であった。
マスコミ関係者から心配する声が出るのと同時に、一部には1月引退説の噂も聞かれ始めた。
地元からの信仰も厚い“大根地神社”
筑紫野市と飯塚市の境に位置する大根地山。標高652mのこの山の山頂近くには、大根地神社が建っています。
神功皇后が羽白熊鷲(はじろくまわし)を討ちに行く際に登り、天神七代・地神五代の神々を祭り、勝利を祈ったのが始まり。その後、須佐之男命(すさのおのみこと)、大市姫命(おおいちひめのみこと)を合祀し、雲閣稲荷大明神(うんかくいなりだいみょうじん)になったとされています。
参道入り口は、国道200号線沿いの夜須高原カントリークラブに右折する手前にあり、大きな看板と鳥居があります。ここから約3km弱の参道を登ると神社に着きます。車でも行けないことはないですが、砂利道で急な登りも多いため、一般車ではかなり大変です。
大根地神社に上がり大きい灰色の鳥居をくぐると、稲荷神社の特徴である無数の赤い鳥居が並んでいます。拝殿の扉に小さな窓があり、その中に賽銭箱があります。
土日祝・祭典のときは扉が開き、社務所で御朱印をいただけます。
とてもきれいな境内で、地元の方々が大切にされているのが伝わってきました。
上がってきた山道をまっすぐ行くと、広い駐車スペースがあり、さらにその先へ歩いていくと大根地山の山頂があります。
太宰府の竈門神社がある宝満山や航空自衛隊のレーダー基地のある三郡山などの三郡山系が一望できる絶景スポットです。
お参りと健康をかねて、ぜひ一度歩かれてみてはいかがでしょうか?
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オアシス珈琲
飯塚市内で美味しい珈琲が飲めると聞き、老舗の「オアシス珈琲」に、足を運んでみた。
同社は創業30年になり、石川社長の長い年月をかけ試行錯誤をした結果、珈琲を洗浄する特許を取得し、コーヒー豆独自の味を活かした素晴らしい珈琲が完成した様だ。
安くて美味しく頂ける嗜好品でもあり、特許取得迄の苦労話をじっくりと聞いた。
コーヒーが好きな方は、一度味わって見れば、違いが判る珈琲で、是非、飲みに行かれては如何だろうか。
<各店舗案内などのお問い合わせ先>
オアシス珈琲 有限会社
住 所 飯塚市堀池133―9
電 話 0120-064-666
FAX 0120-064-011
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伊藤傳右衛門
伊籐傳右衛門氏は江戸末期の万延元年に生まれ、江戸、明治、大正、昭和に亘り、飯塚市発展に貢献した人物である。
同氏は貝島太助、麻生太吉、安川敬一郎氏ら筑豊炭鉱御三家にも並ぶ炭鉱王の一人でもあるが、明治44年に柳原白蓮を妻に迎える為に新築したのが、現存する旧伊藤傳右衛門邸で、飯塚の観光スポットの一つである。
この邸宅は白蓮の居住を目的とした建物で、敷地面積は約2,300坪、建物延床面積は約300坪の広さを誇る敷地と建物である。
現在の傳右衛門邸は飯塚市に寄贈され、同市が平成18年に有形文化財に、また庭園は同23年に国の名勝にそれぞれ指定され、現在は飯塚市が管理運営を行っている。
同氏と白蓮の物語は、NHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」で全国的に有名になったが、同氏は当時の衆議院議員などを務め、また教育面でも今の福岡県立嘉穂東高校の前身である嘉穂郡立嘉穂技芸女学校、後の嘉穂高等女学校を創設した。
更に飯塚市立幸袋小学校の旧講堂などを寄付し、子供の教育資金援助や奨学金の創設等に尽力し、同氏の素晴らしい人格と人物像に触れる事が出来た。
旧伊藤傳右衛門邸
住 所 〒820-0060 福岡県飯塚市幸袋300番地
電 話 0848-22-9700
休館日 水曜日(祝日は開館)
入館料 高校生以上300円(240円)小中学生100円(80円)
※( )の金額は20名以上の団体料金
※土曜日は高校生以下無料
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飯塚セントラル劇場
エネルギー革命が起こる前の筑豊地区には多くの炭鉱が存在し、その中心であった飯塚市には、多くの娯楽施設が誕生して賑わっていたと、華やかな昔を知る古老は懐かしむ。
かつて飯塚市内には映画館も数多くあったが、多くは営業が成り立たず廃業に追い込まれ、その内の一つを購入した若い経営者が、中を改装して大衆演劇の常設館として、昨年の12月に再出発したのが、吉原町の「飯塚セントラル劇場」(飯塚市吉原町8-48 セントラルビル4F・TEL0948-26-7177)である。
開業一周年を迎える飯塚セントラル劇場では、特別記念公演を11月20日に行う案内状が届いた。
11月は総座長である一条洋子率いる「劇団花月」が出演しているが、20日の記念公演日には、昨年開業して以来舞台に上がった座長が顔を揃え、笑いと人情が凝縮した演技が繰り広げられると、早くも地元では話題になっている。
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南アフリカ共和国・車いすテニス選手団~事前キャンプ地に飯塚市が決定
飯塚市は、2020年・平成32年の東京パラリンピックで、南アフリカ共和国車いすテニス選手団の事前キャンプ地として誘致していたが、先日6月28日同国オリンピック委員会からキャンプ地に内定、また他のスポーツ種目についても協議中との連絡を受けたことを発表した。
飯塚市は平成27年から誘致・支援実行委員会を設立し、南アフリカ共和国車いすテニス協会関係者にアプローチしていたもので、約2年半の努力が実ったことになり、片峰市長をはじめとする関係者は安堵した。
市長も就任直後の4月8日から13日までの6日間、南アフリカ共和国を訪れ、関係者に受け入れ体制が確立していることなどを説明、翌5月には国際テニス連盟公認の「飯塚国際車いすテニス」に南アフリカ共和国の関係者を招致するなど誘致に力を入れていた。
片峰市長は、「やっとスタートラインに立てました。車いすテニスと言えば飯塚と、国内外から認知されるよう、2020年に向けて対応したい」とコメントした。
だが喜んでばかりもいられず、今後の懸案事項として、選手や関係者の宿泊施設の課題が残されている。
これからの飯塚市のために
飯塚市の前市長が、平日の勤務時間帯に賭けマージャンを行い、記者会見席上での発言が問題となって1月末に辞職、2月の市長選挙で新市長が誕生し、新しい飯塚市が動き出したと思っていたら、市民の会が前市長を賭博罪で告訴、「問題をうやむやにせず、解明して欲しい」と、話題になっている。
前市長は既に辞職し社会的制裁を受けたとはいえ、確かにグレーゾーンでの決着といえるだろうが、一方で調査や裁判に要する費用などを考えると、後ろ向きの問題処理だけにマイナス面が大きいような気がする。
飯塚新人音楽コンクールや、飯塚国際車いすテニス大会などのような、飯塚市にとってプラスとなることを積極的に取り入れ、市民が一体となって前向きな方向に転換すれば、活力のある元気な飯塚市を作ることができるのではないだろうか。
マージャン人事
飯塚市~どうやって活性化しよう!
今でこそ福岡市は九州で唯一、人口が増え続けている元気都市かもしれないが、明治以降の炭鉱資源が日本の近代化、工業化を支えてきた時代は、飯塚のみならず、筑豊があってこその福岡だった。
博多の料亭を支えていたのは数多くの筑豊炭鉱王だったし、川端商店街や中洲や玉屋百貨店に活気をもたらしたのも石炭であり、飯塚の和菓子は福博の街に溢れていた。
約60年前の三井三池争議に象徴される、エネルギー政策の大転換で、日本全国の炭鉱が閉山、筑豊地区も人口が急激に減少し、様変わりすることになった。
飯塚市は平成18年3月に周辺4町を吸収合併したものの、この60年間では14万人から12万人に人口が減少している。
田川市は昭和30年当時10万人を越えていたが、平成28年6月の推計人口は4万8350人であり、この60年間で半減したことになる。
嘉麻市にいたってはさらに人口減少が著しく、ピークだった昭和25年当時、11万人を越えていたにもかかわらず、平成28年6月の推計人口はわずかに3万8213人で、7万人以上が嘉麻市から出て行った勘定だ。
筑豊地区の各自治体は人口流出をつなぎとめるため、炭鉱跡地を工業団地に造成、税金優遇策を武器に県外からの企業誘致を促進した。
ところが昭和44年に旧国鉄篠栗線でトンネルが開通し、飯塚・博多間が直通になり、また九州縦貫道の開通などで交通の便が良くなると、国内の企業は安い労働力を求めて生産拠点を海外にシフト、ますます筑豊地区には目が向かなくなり、地元の人間が筑豊で職を探すことは厳しくなってきた。
一方、残された飯塚市内はあれだけ賑わっていた商店街も閑古鳥が鳴くシャッター街と化し、しかも時折見かける通行人は高齢者ばかり。
各市町村は活性化対策に頭を痛めているが、今のところ明確なビジョンを持ち合わせていないのが現状だ。
こうした中で新たに誕生した片峰誠飯塚市長には、大きな期待がかけられている。
片峰新飯塚市長~初登庁
2月26日の飯塚市長選挙で初当選した片峰誠氏が、翌27日には早速市役所に登庁、午前中に当選証書を受け取り、就任式、記者会見を行なった。
直ちに業務執行となり、前市長が辞任した後の空白期に、決済事項が滞留していたこともあって、決済を求める市職員が引きも切らない状況となったようだ。
また3月9日からは定例市議会が予定されており、選挙の疲れも取れない状態がまだまだ続きそうで、華奢な体だがさすがに若いときにテニス部で鍛えただけはあって手際の良い仕事ぶりで、市長就任後もこの意気で難題の処理に当られることを期待したい。
住民の希望が市長を変えた!
先日、5日に当開票が行なわれた福津市長選挙は、3期目を目指す現職市長を、新人の元市議、原崎智仁氏(46)が1171票の差で破り、当選した。
現職市長は県議会議員を7期勤め、市長に転じては既に2期を経験していたようだが、比較的楽な選挙が多かったようで、若手有力候補の出現にあわてた現職市長を取り巻くメンバーは、市長選挙に出馬しないよう、かなりの圧力をかけていた模様。
福津市はJR駅前の再開発が成功し、新しい住民が増えていたのも事実で、それだけに旧態依然とした市制に反対を唱えた原崎智仁候補に新住民の票が流れたものと推察される。
一方、飯塚市長選挙は同世代候補が3人並んでいるが、真ん中に位置する60歳のかたみね誠候補は、前職が飯塚市教育長で、永年にわたり教育現場に携わってきただけに、若い多くの教え子がいるのが強みだ。
飯塚市長選挙に望むこと~飯塚をこよなく愛する市民の1人として
職員が勤務している平日の昼間に、賭けマージャンしていたことが発覚、釈明の記者会見での開き直ったようにも聞こえる発言がきっかけとなって、斉藤飯塚市長がついに今月末、辞職することになった。
これで次の市長選挙は、2月19日告示、26日投開票となり、問題は誰が立候補するかという点に絞られているものの、今回の事件、「さすが飯塚」と揶揄する声もあるだけに、立候補者にはそれなりの人物像が求められるのは当たり前だが、さて期待出来るのだろうか。
炭鉱華やかりし頃の飯塚を含む筑豊地区は革新系が強かったものの、石炭から石油へのエネルギー源の移行とともに、革新系の議員や首長は消え去り、勢いも薄れているため、今回の選挙で候補者を立てることはない。
だから、今回の選挙に出馬するのではと噂されているのは保守系の3名。
斉藤氏が過去に3回立候補した際、それぞれ対抗馬として出馬した2人の保守系候補と、もう1人は飯塚市の特別職に就いている人物。
市内各所で取材してみると、どうやら本命はこの特別職氏の模様。
さて、今回の事件を反省材料にして、飯塚の悪しきイメージを払拭できるかどうか、新しい飯塚市長に期待したい。
写真は3月完成予定の飯塚市役所新庁舎。