ビジネスチャンスを逃さなかった鷹羽建設(後編)

巨額の資金が動く太陽光ビジネスの闇は深い。
2021年(令和3年)6月には、JCサービスと関係のあったソーシャルレンディングの社長が、警察の取り調べ直前に公園のトイレで変死(自殺として処理)する事件もあり、TRIBAY CAPITAL(以下トライベイ)代表の三浦清志氏の身を案じる声も出ている。

ところで、トライベイが取り組んだ川崎町のメガソーラーの施工を請け負うことになった鷹羽建設であるが、並行して自らも太陽光発電事業に乗り出した。
平成26年(2014年)3月に田川郡添田町、京都郡みやこ町、田川市の親族らが所有する土地で、合計14.5MW分の認定を取得した。

同27年6月には、業務執行社員に鷹羽建設代表の永原譲太郎氏と田川市の二場公人市長の親族で構成される鷹羽ソーラー合同会社を設立、翌28年には 鷹羽ソーラーとドイツのSaferay社等で構成されるHawks Solar 合資会社を設立し、認定事業者の名義変更を行っている。
同29年6月から順次稼働を始め、向こう20年間は 1kWあたり36円(税抜)という好条件で発電を続けることになっている。



一般的に、太陽光発電事業にはSPC(特別目的会社)として合同会社を設立するケースが多く、その構成社員も合同会社であったりで、責任者の所在が分かりにくく複雑な仕組みになっている。
別に非合法なことをしているという訳ではなく、脱炭素社会に貢献している。



ただ読者に知ってほしいのは、平成24年(2012年)FIT制度が始まり、ここをビジネスチャンスと見て動き出したのが、一部の事業者や政治家のみならず、中国をはじめとする外資や反社勢力ということだ。
ここで言うと、事業者がトライベイや鷹羽建設、そして政治家は言うに及ばないだろう。

SDGsや地球温暖化対策を錦の御旗にメガソーラー建設が推進された結果、日本中の山林が太陽光パネルに覆われ、電気代が高騰しているのが現状だ。
電気代に含まれる「再エネ賦課金(電気代の約1割)」はこうした 情報を早く掴んだ事業者や政治家に間接的に渡っており、環境破壊や電気代高騰を目の当たりにして今騒いでいるのが大多数の国民ということだ。

弊社記事 → 「太陽光の闇 ① ~電気代に事業者の儲け上乗せ~(2022年9月12日)」





 

ビジネスチャンスを逃さなかった鷹羽建設(前編)

自称 国際政治学者の三浦瑠麗氏の夫、三浦清志氏が代表を務める投資会社 TRIBAY CAPITAL(以下トライベイ)に東京地検特捜部が家宅捜索に入り1ヵ月が経った。

平成24年のFIT(固定価格買取制度)開始直後、目利きの効く投資家が政治家などを経由して全国の山林や遊休地を押さえ、向こう20年間大金を得る権利を獲得したが、三浦氏はその資金調達などプロフェクトをまとめる事業を行っていた。

福岡県宗像高校出身、地元発の実業者として活躍を期待したいところだが、最近は仮想通貨詐欺の犯人との関わりを指摘するマスコミ報道まで出てきた。

ところで、三浦氏があの大任町と繋がりがあったことはあまり知られていない。
太陽光発電事業で実績のあったSaferay社の日本支社長に就いた三浦氏は、平成25年3月に福岡県川崎町(大任町に隣接)の36haの土地に、20MWのメガソーラーの事業認可を取得している。
その際、設計・企画を 福岡市のJ’s(※ 後述する)が担当、地元町議らが施工業者の手配等を行う手筈を整えていたが、金の匂いに敏感な近隣の実力者の耳に入り 横取りされたらしい。

結局、大任町の鷹羽建設(代表者 永原譲太郎氏)がJVで請け負い、同26年6月に着工、同27年8月、当時県内で5番目の規模となるメガソーラーが完成した。
同社はこの工事でかなりの利益が出た様で、ここをきっかけにトライベイが主導するSaferay社の太陽光発電所開発を多く請け負い、一時期は鷹羽の技術者が全国を飛び回っていたという。

ここをビジネスチャンスと見た同社の判断は実に見事で、次は自らがメガソーラー事業に乗り出すことを決めた様だ。

ー 続 く ー

118億円の工事に競争なし、1者入札続く

田川市・川崎町・糸田町・福智町にお住まいの方に朗報。
新しい浄水場の工事業者が決まり、もうすぐ美味しい水を飲めるようになる。
但し、水道料金が安くなるかどうかは分からない。

1市3町で構成される田川広域水道企業団(企業長 二場公人田川市長)で、現在建設中の白鳥浄水場(仮称)外電気設備設置工事の入札が行われ、東芝インフラシステムズ・リクデンJVが 21億7000万円(税抜)で落札、入札に参加したのは1者のみだった。
なお、リクデンは現職田川市議の陸田孝則氏の親族が代表を務める会社、この件については別途報じたい。



白鳥浄水場に係る大型工事の入札については今年3件あったが、全て1者入札、ほぼ満額に近い額で落札されており 合計金額は 118億円に上る。

おさらいすると、2月に建設工事を50億7000万円で落札した飛島建設は、二場企業長の義兄の永原譲二町長のお膝元、1億円のトイレで有名な道の駅「おおとう桜街道」を施工した業者、今回の工事の下請に永原町長の家族の会社がしっかり入っている。
過去記事「注目が集まり始めた田川市」
飛島の一部の社員が退職後、大任町で雇用され固い絆で結ばれていることも有名な話だ。

10月に機械設備設置工事を44億6000万円で落札した水道機工は、大任町で既に竣工した汚泥再生処理センター及び 現在建設中の最終処分場をプロポーザルで受注、田川地区では勝負強い会社だ。



参考までに、田川地区1市6町1村で構成される 田川郡東部環境衛生施設組合(永原譲二組合長)が大任町(永原譲二町長)に委託し整備が進んでいる 衛生関連施設についてもご覧頂きたい。
大任町議会で示された契約議案の金額で、3施設の契約金額の合計が約335億円、いずれも1者のみのプロポーザルで随意契約となっている。

田川地区は、金額が数十億円規模の工事でも1者入札・1者プロポーザルが当たり前、争いのないユートピアなのである。

注目が集まり始めた田川市

昨年来、様々な話題をマスコミに提供し全国に名を轟かせた大任町だったが、隣接する田川市からも注目を集めそうな情報が出てきた。

田川市・川崎町・糸田町・福智町の1市3町で構成される田川広域水道企業団(企業長 二場公人田川市長)では、今年2月、浄水場及び調整池の建設(土木・建築)工事の入札を予定価格51億2516万円(税抜)で実施、一般競争入札にも拘わらず参加したのは1社のみ、飛島建設㈱が 50億7000万円(落札率98.9%)で見事に落札した。

入札結果表はこちら

コロナ禍で 民間の建設投資が落ち込む中、50億円の公共工事に1社のみというのは不自然という声も聞こえてくるが、それ以上に興味深い事実が判明している。
それは、昨年11月に企業団が購入した調整池の予定地の一部が、㈲譲(大任町)が所有する土地だったことだ。

譲と聞いてピンときた方も多いだろう。
先日 添田町の違法な盛り土について FRIDAYが報じたばかりだが、その土砂を搬入している業者である。

FRIDAY 30mの巨大盛り土が出現 台風シーズンを前に近隣住民から悲鳴!

企業団によると、貯水池の場所は複数の候補地から選ばれたわけではなく、地形的に「ここ」しかなかったという。
土地の売買価格は非公表だが、そういう理由なら納得するしかない。

ただ、水道企業団の企業長は田川市の二場市長、その義兄が大任町の永原町長、永原町長の娘婿が 譲の代表取締役という関係、形式上、二場企業長は甥っ子の会社から土地を購入したということになる。

ついでに言うと、飛島建設の工事に 永原町長の長男が代表を務める㈱鷹羽建設(大任町)と譲が下請に入っていることも判っており(下図)、田川地区の同業者の間では、その営業力の高さが話題になっている様だ。