いなくなった名物記者

大学生の頃、アパート1階の窓際のベッドで横になっていた時、いきなり窓が開いて阪神の江夏投手みたいな顔のおじさんが上から覗き込んできた。
「おー、読〇新聞だけど 野球のチケット やるから 契約してくんねーか」と言われ、 びびって契約させられてしまった。
昔は販売店の営業担当者が野球のチケットを持って個別訪問していたが、最近はそれも禁止され、新規開拓をする担当者を見かけなくなった。

近年 新聞の発行部数が落ち込み 広告収入も減る中、各社はネットの購読者を増やす戦略を立てるも 伸び悩み、不動産活用で収入を補っているところが多い。
そこに追い打ちを掛けるように、働き方改革で 新聞記者の労働時間が厳しく管理されるようになった。
取材時間が短くなったことで かつての夜討ち朝駆けも制限され、代わりに発表もの主体の記事が多くなり面白みがなくなってきた。

世の中 相変わらず 金儲けを企む輩が跋扈しネタは転がっている。
時間を気にせず執念深く追いかけていれば、必ず いい記事が書けることは分かっている。
それが読者を増やすことにつながるのだが、労基局に駆け込む記者もいるという話も聞かれ、新聞社も身動きが取れなくなっている。
今や新聞が 週刊誌発の記事を引用する時代、ひと癖ふた癖ある名物記者たちが「特ダネ」を競っていた時代が懐かしい。

不公平な表記を改めよ!

民放のテレビ局のニュースで、「日本の未来を占う重要な選挙」として 選挙区の立候補者が紹介されていたが、複数の新人候補が「諸派 〇〇氏」と呼ばれ 政党名は読み上げられなかった。

番組中 諸派についての説明はなく、目の不自由な方が聞いたら 同じ政党のようにに聞こえてしまうだろう。
これは新聞も同じで、今日の地元紙朝刊でも各候補の政策比較が掲載されているが、ここでも諸派新人として扱われていた。

諸派とは「規模の小さい政党や政治団体」の呼称であるが、議席を目指していることに変わりはなく、規模の大小は関係ない。
各候補者は立候補届出書に 自らの政党名を記入し、同じ300万円の供託金を支払って立候補しているのに、公平な報道と言えるだろうか。

公選法には「① 国会議員5人以上」「② 直近の衆院選か参院選で 2%以上得票」のいずれかの要件を満たした政治団体を「政党」とする規定があり、メディアはこの規定に従っている。
だが、これは 政党交付金の支給基準等のためである。

そもそも 画一的な定義はなく、政党として扱うか、諸派として一括りにするかは 各メディアの判断によるもので、実際 NHK産経新聞は 他社が諸派と表記している候補者を 各政党名で記載している。

メディアが選挙期間中、その報道の仕方で候補者に不利益を与えることがあってはならず、早急に表記を改めるべきである。

毎日新聞が報じた「傾くマンション」

弊社が報じてきた、JR九州が販売した分譲マンション(福岡市東区)が傾いている問題を、全国紙の毎日新聞が詳細に取り上げている。

マンションの管理組合は、㈱日本建築検査研究所(東京都渋谷区 代表者岩山健一氏)に基礎杭をはじめとする構造躯体の調査を依頼、同社が3月から調査に入っている。

これまでに2000件を超える手抜き・欠陥住宅の回復、救済を手掛けた実績のある会社だけに、管理組合の期待は高く、調査の結果を見て裁判も視野に入れながら、今後の方針を決めるとしている。

毎日新聞の記事はこちら
傾くマンション…業者が認めたのは22年後 時効の壁と闘う住民たち 福岡https://mainichi.jp/articles/20200305/k00/00m/040/103000c

弊社の記事はこちら
[2020年2月4日] JRブランドのマンションでトラブル
http://www.fk-shinbun.co.jp/?p=24076

[2020年2月7日] 初心を忘れたJR九州
http://www.fk-shinbun.co.jp/?p=24104

[2020年2月18日] JR九州販売のマンションに手抜き工事
http://www.fk-shinbun.co.jp/?p=24143

消防法令違反で営業続けるホテル

毎日新聞が2月11日付朝刊で、宗像市のホテルが消防法令などの違反を指摘されながら、改善をせず営業を続けていると報じた。

そのホテルは、宗像リゾートホテル(宗像市神湊651−2)であるが、一部の階で自動火災報知設備の故障、火災を知らせる館内放送など非常警報設備の故障、各階の防火戸が腐食により開閉困難など、少なくとも平成28年から消防から指摘を受けているが、経営難で改修費用を捻出できていないのが実情のようだ。

記事によると、同ホテルの経営者は取材に対し「危険な状況とは思っていない」と述べたそうだが、その根拠は不明である。

消防法令では、防火設備の「未設置」については公表することになっているそうだが、「故障」については公表対象となっていないという。

防火設備の故障中に火災が起きた場合、被災して不利益を被るのはホテルの利用者である。

消防署は、防火設備が故障しているという状況を把握している以上、利用者の命を守るという視点から、法令から一歩踏み込んでその事実を公表すべきである。



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世論調査・小泉進次郎

6月23、24日に毎日新聞が行った世論調査で、次の自民党総裁に誰がふさわしいかの問いに、1位は安倍晋三氏(21)で、2位は小泉進次郎氏(18)の数字で迫り、3位が石破茂氏(17)と発表されていた。
後日、国会で2回目の党首討論が行われ、その様子はテレビの国会中継やニュースで報じられたが、野党の比例配分された質問時間では短く、安倍総理を追い詰めることは出来ず、与野党共に国民は不満を持っている。
その後、小泉進次郎議員が国会内で、国会改革を目的とした超党派での議員会合が行われ、首相官邸はビリビリしているようだが、多くの国民は期待を持って見守っているようだ。

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朝日、読売、毎日、西日本、日経 ~ 取捨選択

民間の調査期間に20年間勤務した後、中央区警固で事務所を開設、情報に携わって25年が経過したが、その間、朝日、読売、毎日、西日本、日経の各紙に毎朝目を通すのが日課となっていた。

しかし年をとると、すべての新聞を読むことはかなりのエネルギーを要することから、数年前に、体力を維持するためにも、読むべき新聞、読まなくてもいい新聞に分けざるを得なくなった。

西日本新聞は地元の記事が多く、話題性を考えるとはずすことは出来ず、日経新聞も企業トップと話すことが多いため読まねばならない。

そこで朝日新聞、読売新聞、毎日新聞から取捨選択することにした。

朝日新聞と読売新聞は、過去の栄光に記者が胡坐をかいているように思えたため、この2紙の購読中止を決めたのだが、今考えても、その判断は間違っていなかったと思う。

特に最近の読売新聞は、安倍内閣からリークされた前川前事務次官の個人攻撃や、東京本社社会部長名の言い訳文章、「読売新聞熟読コメント」、そして共謀罪成立直後の「編集手帳」など、違和感を覚える記事が多く、過去の読売新聞からは考えられなかった内容だ。

朝日・読売・毎日

パソコンや携帯電話の発達で、新しいニュースが瞬時に届くようになり、日本を代表する新聞といえど、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞の3紙も購読者を減らしている。

かつて読売新聞は、1000万部の発行部数を誇っていた時代もあったが、新聞販売店に対する強制的な押し込み紙、いわゆる押し紙が発行部数を底上げしていたことも事実で、この分の支払いが嵩み、販売店の中には廃業に踏み切るところも出ている。

新聞社は一般企業に比べると、給与水準も高いが、労働はハードで、近年は労働基準監督署も目を光らせており、給与の見直しから、朝日、読売新聞社の記者の中には、転職を考えている面々の話も伝わってくる。

それに比べると、最初から給与ベースが低い毎日新聞の社員は、上司の教育がいいのか、意欲をもって取り組んでいるようで、地域によっては購読者数も伸びているようだ。