こどもの体力低下に歯止め こども姿勢&歩き方教室 [2011年1月21日09:18更新]

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(10年12月号掲載)

歩き方のレッスンを受ける子どもたちこどもの体がおかしい─今から30年あまり前、日本体育大教授の正木健雄氏(現在、同大名誉教授)が、こどもの体に異変が起きているとのレポートを発表、多くの関係者に衝撃を与えた。 

「背中ぐにゃ」「朝からあくび」「転んでも手が出ない」。こうしたこどもの体の異変は、外で遊んだり家庭内労働をすることが少なくなった生活の中で、体を動かす機会が減ったことが原因と考えられた。

そのため国は、体操やスポーツなど運動の機会を増やすことで、こどもの体力向上を目指してきた。 



しかし、四天王寺国際仏教大教授の別所龍二氏(2007年死去)によれば、近年の体力調査を見ても、望むような成果は上がっていないという。

別所氏は体力調査の分析から、運動機会の減少だけが体の異変を引き起こしているのではなく、運動していない時の日常の生活習慣、特に重力に対して姿勢を保つ役割を持つ背筋力の低下に着目。運動による筋力の教育に加え、静的な筋力の教育「姿勢教育」を提唱した。 

 

この姿勢教育を取り入れ、こどもの体力と健康を増進する教室が昨年10月、福岡市内でスタートした。長年、人材教育や会員制ウォーキングレッスンを展開してきた「B-スタイリング」(福岡市城南区、杉優子代表)が運営するKid’sB「こども姿勢&歩き方教室」だ。 

同教室では、正しい姿勢を維持するのに必要な「背筋力」ときれいに歩くことに必要な「バランス感覚」を養うために、さまざまな音楽(リズム)に身体をのせ、正しい姿勢と歩き方を自然に美しく、自分の力で身につけていくプログラムを行っているという。 

「私どものレッスンの会員さんの中から、こどもの姿勢や歩き方に関するご相談が年々、増えていたんです」とトレーナーの松原三恵さん。

「姿勢が悪い、まっすぐ立てない、腰が痛いとかですね。それで、代表の杉が別所先生の論文を探し出し、いろいろ研究してプログラムを作り上げたんです」と同じくトレーナーの脇山康子さんは話す。 

 

実は2人とも、ウォーキングレッスンの効果を身をもって知った体験の持ち主だ。

「レッスンの前後にそれぞれビデオ撮影をするんですが、自分で見て明らかに違うんです。ちょっと大げさですが、人生観が変わったと思うくらい。こどもの頃からやっていれば、私の人生も変わっていたかなと思うぐらいでした」と脇山さん。 

「こどもたちのレッスンは以前から少しずつやっていて、骨格のゆがみがなくなり、腰痛なども軽減されることが分かってきました。実は、このレッスンを受けて塾の成績が上がったというお話もありました」と松原さん。 

同教室の対象は小学校3年生から中学3年生までの女子。レッスン日は毎週土曜午前中で、体験レッスン(1500円)1回の後、ベーシックコースが5回で7500円。

会場は福岡市中央区の唐人町商店街内の「唐人町プラザ甘棠館」(地下鉄唐人町駅から徒歩2分)。

【問い合わせ先】 TEL & FAX  092(845)4072

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