麻生知事 再登板か!?(1)今春の知事選 県執行部は想定し準備 [2011年1月31日09:36更新]

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(11年1月号掲載)

07年選挙で当選した際の麻生渡知事今春予定の福岡知事選。現職の麻生渡知事は昨年、出馬しない意向を表明した。

民主、自民両党はそれぞれ候補者の選定を進めているが作業は難航。そのためか、「麻生知事が不出馬を撤回するのでは」との観測が一部関係者の間で広まっている。

「県執行部はこうした事態も十分ありえるとして、すでに水面下で準備に入っている模様だ。自民の候補者選定が時間切れで頓挫し、県議や財界が出馬を要請すれば、麻生知事としても再登板の大義名分は立つ。そもそも選定作業は単なる演出にすぎず、自民の“本命”は最初から知事だった可能性もある」(マスコミ記者)。

にわかには信じがたい話だが、はたして─。

【編注】本稿は1月上旬時点でのもの。知事選候補をめぐる最新情勢はJ氏の独り言「混迷・自民党の知事選候補選定 本命は?」を参照



 

麻生知事が「新しい人にバトンタッチしたいと考え出馬しない決心をした」として、次期知事選への不出馬を表明したのは昨年10月初め。同年2月には「側近中の側近」中島孝之・前副知事が収賄容疑で逮捕されるなど、多選による弊害が指摘され知事への逆風が強まる最中のことだった。 

これを受けて民主党、そして自民党がそれぞれ独自に候補擁立に着手。しかし両党とも選定作業は思うように進まず、昨年11月には自民が元通産官僚、小川洋氏の擁立を検討していることが報じられたものの、同県連内にあつれきが生じたことから白紙状態となってしまった。 

こうした状況の中、昨年末から県幹部や一部マスコミ関係者の間で「最終的には麻生知事自身が出馬するのではないか」との憶測が囁かれている。「県執行部はすでに『知事、不出馬撤回』を想定し、水面下で準備を進めている。今月末から2月初めにかけて、何らかの展開があるのでは」(ある県関係者)というのだ。 

選定難航は想定内!?  

「小川氏の件をはじめ候補者選定が難航するという事態は、自民有力県議の間では折り込み済みのようです。要するに、これまでの流れはシナリオ通りなのでしょう」。こう語るのはある大手マスコミ記者である。 

小川氏擁立の情報をマスコミに流したのは、北九州地区選出のN県議周辺とされる。しかし報道の後、N県議とは別に小川氏の擁立で動いていた実力者、K県議らから「まったく聞いていない」「頭越しだ」などといった怒り、不満の声が噴出した。 

「ところが、これはあくまで表向きだった、というのだから驚きです。K県議らにとってはこのような事態は想定内だった。つまり最初から、選考作業は単なる〝演出〟にすぎず、最終的には麻生知事に頭を下げる腹づもりなんですよ」(前出マスコミ記者)。 

(続く)