(10年3月号掲載) 激戦必至とされる今夏の第22回参議院選挙福岡選挙区(定数2議席)で、各党の予定候補者がこのほど、ほぼ出そろった。 民主・社民両党の統一推薦候補は事前の予想を覆し、NPO法人役員の堤かなめ氏に決定。関係者からは「民主県連前幹事長の凋落ぶりをさらけ出した」との指摘が出ている。 さらには一部の財界関係者などから現執行部に対する批判の声も上がっており、選挙戦への影響が懸念される。 一方、「台風の目になるのでは」と動向が注目されていた公明党現職・弘友和夫氏は、現段階では出馬しない可能性が高いとみられており、その場合、公明票の行方が結果を大きく左右することになりそうだ。 昨年の衆院選で大勝し、今回の参院選では過半数の議席獲得を至上命題とする民主。福岡でも現職・大久保勉氏の他に社民との統一候補擁立を目指して、昨秋から人選を進めてきた。 当初から民主県連幹事長・吉村敏男県議らが推す前北九州市港湾空港局長、伊藤和央氏が最有力とされ、両党が検討を進めている最中の1月1日付で国交省を辞職したこともあって「伊藤氏で決まり」との声が大勢を占めていた。 だが「社民の協力を得られない」「完全な出来レースだ」などと一部国会議員らが猛反発、県連内での対立が激化し選定作業は難航。結局先月、大逆転で堤氏に決定し、伊藤氏は参院比例区へ回ることになった。 「大久保氏との違いを明確にするために女性候補が望ましいとの声はあったものの、土壇場まで伊藤氏が本命だったのは確かに事実です。 表向きは2月に来福した小沢一郎幹事長の『鶴の一声』で決まったとされていますが、本当の敗因はむしろ、伊藤氏を推した吉村幹事長、そして前幹事長S県議らの影響力低下にあると見るべきでしょう」 ある大手マスコミ記者はこう解説する。 「現役の官僚、北九州市幹部だった伊藤氏を担ぎ出したのは、かねてから親交のあったS県議です。辞職のタイミングからも分かる通り、擁立に絶対の自信があったのでしょう。 伊藤氏に決まれば元県議のK氏がまたもや選対本部長(前回福岡市長選、県知事選で民主推薦候補の選対本部長)を務めるのでは─と囁かれていた」(前出記者)。 (続く)
参院選候補ほぼ出そろう(1)民主党県連に不安要素 [2010年4月19日13:17更新]
民社推薦統一候補 土壇場で大逆転
前幹事長S県議 凋落ぶりが露わに