(10年03月号掲載) 近畿以西の高速道路サービスエリア(SA)とパーキングエリア(PA)を管理運営する「西日本高速道路サービス・ホールディングス(NEXCO西日本SHD)」(大阪市、写真)に対し、テナント業者から怒りの声が上がっていることを先月号で報じた。 これを受け、今月初めに国土交通省がSHDの親会社「西日本高速道路(NEXCO西日本)」(同)の幹部と面談。だが同省などの認識は甘く、実態解明への動きは鈍いと指摘せざるをえない。 そこで今回は、SHD幹部が知人など特定の業者の商品を仕入れるようテナントに求めた具体例に関する証言をあらためて挙げ、商品選定をめぐる実情やその背景について詳述したい。 九州自動車道の基山PA(佐賀県)をはじめ、九州管内12のPAなどで物品を販売する「クレッセ」(福岡市博多区)。ある幹部はSHDについてあらためてこう語る。「特定の業者の商品を押し付けてきた福岡支店長の行為は目にあまる。今回はぜひ詳細にお話したい」 SA、PAは高速道路などに設けられた休憩施設。NEXCO西日本管内には180店舗あり、SHDが管理運営している。 05年の道路公団民営化と同時に、一部のファミリー企業を取り込み再スタートしたクレッセ、「ハープス」(大阪市)、「ボーチェ」(岡山市)のPA運営3社を含む民間業者計約70社がSHDと契約を結び、飲食店経営や物品販売を行っている(下図参照)。 クレッセ幹部によると昨年8月ごろ、SHD福岡支店長が、鹿児島県の業者が製造する蒸しパンや豚味噌などを商品として取り扱うよう要請、えびのPA(宮崎県)で扱うことに決めた。クレッセがこの業者に直接確認したところ、支店長の幼なじみとのことだった。 「通常こうした商品の仕入れ率(販売価格に対する仕入れ価格の割合)は60~70%だがこの商品は80%。売れる見込みもあまりなく残れば返品するしかない。結局、要請のあった納入数を大幅に減らして仕入れることに決めた」(同幹部)。 SA、PAで販売する商品の価格は市中価格に準拠する。「税金で作った施設を利用しているため、一般より高い価格を設定して必要以上に儲けるのはだめ、というのが原則です」(クレッセ幹部)。 このため同じ商品を高く仕入れることになっても、市中価格より高い値で売ることはできない。 (続く)
SA、PAテナントに商品ねじ込む(1)福岡支店長 従来より高い仕入れ率で [2010年4月12日09:21更新]
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SHD福岡支店長 幼なじみの業者を・・
斡旋された商品扱えば 利益が減少