(10年3月号掲載) 06年の福岡市長選に勝利し、翌年の北九州市長選、統一地方選でも結果を出して「わが世の春」を謳歌したS県議。 だが昨年11月に松本龍・民主県連会長(当時)の辞任に伴う形でS県議も幹事長を辞任。執行部の顔ぶれは大幅に刷新された。 「吉村幹事長はS県議の盟友でいわば『傀儡(かいらい)』。S県議は、たとえ幹事長職を離れても影響力を維持できると考えていたのではないでしょうか。 ところが一部国会議員ら『反対勢力』に屈したことで、逆にS県議の凋落ぶりをさらけ出す結果となってしまいましたね」(前出記者)。 2月14日午後、久留米市内で開かれた大久保勉氏の政治パーティー。開始の1時間前、会場には麻生渡知事をはじめ商工会議所など各種団体のトップが顔を揃えた。 「この日、福岡を訪れる小沢氏との懇談会が開かれると、事前に聞いていたのだが・・」(財界関係者)。 関係者によると、吉村幹事長が「党への陳情は自分が一括して受け付ける」などと約45分に渡って話をしたという。 「せっかくの機会だったのに小沢氏と個別に話せる時間はなく、パーティーでツーショット写真を撮ったくらい。あれでは吉村幹事長が自分を売り込むために、小沢氏の来福を利用したようなものだ」(同)。 こうした財界関係者の批判を、古賀一成会長ら県連執行部は把握しているのだろうか。統一候補選定のゴタゴタを含め、参院選への不安要素となるのか・・。 「選挙区で出馬しても十分勝てる目がある。そうなれば一躍ダークホースだ」 昨年末からその動向が関係者の注目を集めた、公明・弘友和夫氏。同党は今月中にも結論を出すと見られるが、関係者の話を総合すると、今のところは不出馬となりそうだという。 「そうなれば、公明が連立与党時代と同様、自民に選挙協力するのかが選挙戦の行方を大きく左右するだろう。現状では大久保氏が一歩リード、2議席目を自民公認の大家敏志氏と民社推薦の堤氏が争う形。結局、公明の態度次第となるかもしれない」(自民関係者)。 昨年末に自民を離党した現職・吉村剛太郎氏は、無所属での出馬も取りざたされたが先月16日、国民新党入りを正式に表明した。連立与党を組む民主と国民新が、福岡選挙区ではそれぞれ独自候補を立てて争うことになった。 共産党は篠田清氏を擁立、諸派の馬場能久氏も立候補を表明している。 【編注】その他にも幸福実現党が吉冨和枝氏の、またみんなの党が佐藤正夫氏の擁立を発表している(4月21日現在)。
参院選候補ほぼ出そろう(2)公明票が選挙戦の行方左右? [2010年4月21日12:45更新]
財界人から吉村幹事長に不満も
公明・弘友氏は不出馬か