参院選福岡選挙区情勢(1)民主 2議席確保は困難か!? [2010年6月18日10:03更新]

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(10年5月号掲載)

第22回参議院選挙まで約2カ月。これまで3回連続で民主と自民が議席を分け合ってきた福岡選挙区(改選数2)だが、今回は8人(★【編注】)が立候補を表明、激しい選挙戦が予想される。 

昨夏の衆院選で政権交代を果たし、参院でも躍進を目指す民主党は党の方針通り2人の候補を擁立。だが鳩山政権への逆風が吹く中、2議席確保は厳しい状況となっている。

一方の自民党は、公認を見送られた現職が国民新党から、県議がみんなの党からの出馬を決め「離党組」への票の流出を懸念する声も。候補擁立を見送った公明党の票の行方も注目される。

全国屈指の激戦区となった福岡選挙区の情勢をまとめた。
★【編注】本稿掲載5月号発行後、馬場能久氏(諸派)が出馬を断念。立候補予定者表を修正しています



民主県連執行部  内部から反発   

「小沢一郎幹事長が決めた党の方針によって現職のほかにもう1人(社民党とともに)推薦した民主ですが、目標である2議席確保は極めて厳しい情勢です」。大手マスコミ記者はこう語る。

「ただそれは、鳩山政権の支持率低下など民主に対する逆風が原因というよりも、県連内部の問題が大きいと言った方がいいかもしれません」  

04年の選挙でトップ当選した大久保勉氏に加え、新人候補を社民との相乗りで擁立するため、昨年末から人選を進めた民主。一時は元北九州市幹部が有力とされたが、最終的には元九州女子大教授、堤要氏を推薦することが決まった。 

大久保氏との「住み分け」=無党派・女性票の取り込みを狙ったとみられるが、予想以上に厳しい状況となったことから「共倒れ」を恐れた民主県連は両候補への支援が偏らないよう、衆院の小選挙区単位でどちらを支援するかを割り振った。

その結果、地方議員が自らの出身労組とは異なる候補を支援しなければならない事態も発生し、一部から県連執行部に対して反発が起きている。

現体制では戦えない  

民主県連は昨年、衆院議員松本龍・前代表の辞任に伴い、同じく衆院議員古賀一成氏が代表に就任するなど執行部を刷新。だが地元の首長選などでほとんど結果が出せず、古賀代表ら執行部への評価は芳しくない。

「特に今回は2人の候補を立てているため、社民との連携や票の振り分けなど非常に難しい舵取りが求められる。だが現執行部は選挙の戦い方をまったく分かっていない」(前出マスコミ記者)。

(続く)