参院選福岡選挙区情勢(2)結局民主、自民候補が軸に [2010年6月21日12:31更新]

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(10年5月号掲載)

民主と連立を組む国民新からは、自民を離党した現職の吉村剛太郎氏が出馬することになり、そのため与党の3人が2議席を争う格好に。 

ある民主関係者は「ただでさえ厳しい状況なのに与党候補同士が争うなどナンセンス。古賀代表が国民新側と話をつけて候補者を調整すればいいだけの話だったのに」と語る。

こうしたことから県連内には「現執行部では選挙に勝てない」と不満や批判が渦巻き、辣腕で知られた前幹事長S県議の復帰待望論すら出る始末。

しわ寄せは初めて選挙に臨む堤氏に押し付けられる形になりそうで「陣営内は素人ばかりで、はっきり言って選挙を戦える体制ではない」(前出マスコミ記者)。



公明は擁立せず 自民に追い風か  

一方の野党・自民。現職の公認を見送り新人の大家敏志氏を擁立する。大家氏は北九州市八幡東区選出の県議。そのため福岡市部エリアでは知名度が低く、4月に同市内で開かれた政治資金パーティーでは出席者を集めるのに苦労したという。

ある自民関係者は「民主に逆風が吹いているとはいえ、それで自民の支持率が上向いているわけではない。国政レベルで舛添要一氏をはじめ離党者が相次ぐなど、党全体に勢いがない」と話す。 

福岡でも、前出の吉村氏に続き県議の佐藤正夫氏が離党しみんなの党から出馬することを表明、票の分裂は避けられない事態となった。「離党組2人への票の流出を最小限に食い止められるかが大きな課題だ」(自民関係者)。 

 

そんな中、一時は弘友和夫氏の出馬も取りざたされた公明が選挙区での候補擁立を見送ることを今月、正式に発表。別の自民関係者は「こちらにとっては追い風」と見る。

「もし出ていれば、組織票を抱えているだけに非常に厳しい状況だった。公明票が行方を決定付けるかも知れない」 

 

各政党の公認候補が乱立しこれまでにない激しい選挙戦が予想される中、それぞれ問題を抱えている民主と自民。だが対抗する他党の候補も決め手を欠いており、結局はこの2党の候補が軸となりそうだ。

今後の選挙に影響  

現状では知名度のある現職、大久保氏が1歩リード。これに大家氏が続く。堤氏は民主県連内部の状況が劇的に変わらない限り当選は厳しいだろう。

党支持率が伸びているみんなの佐藤氏がどれだけ追い上げるか。

秋には福岡市長選、来年は北九州市長選、統一地方選が控える。そのため、本当の狙いは次の首長選挙で今回は名前を売るのが目的─と噂される候補もいる。

参院選の結果が各選挙に与える影響は大きく、そうした意味でも注目される。