反現職派への恨み節 民主市議団の福岡市長選敗因総括(1) [2011年2月7日13:14更新]

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(11年1月号掲載)

吉田宏・前福岡市長(左)と江藤博美市議(10年11月14日)昨年11月の福岡市長選で惨敗した現職・吉田宏氏(民主党推薦、写真左)陣営の選挙対策本部が、敗因について分析しまとめた総括の内容がこのほど明らかになった。 

総括では、吉田氏推薦に反対した一部の国会議員や県議らを「公然とアンチ吉田シフトを敷いてきた」などとして批判。

推薦決定までに時間が掛かったことや吉田市政に対して県連内に温度差が生じたこと、一部が他候補を応援しようとしたのが敗因だった、と結論付けた。 

これを受け、一部の国会議員らから「私怨を書き連ねただけだ」「論ずるに値しない」などと怒りの声が上がっている。 



 

総括は1月8日に開かれた民主県の常任幹事委員会(常幹)で提出された。

江藤博美(写真右)、栃木義博両福岡市議をはじめとする市議団や市内選出県議団などが昨年末に開催した選対本部解散総会で提案され、最終総括レポートとしたものという。

こども病院問題 やはり影響は大   

総括ではまず、吉田市政に対する市民の評価として

(1)こども病院の人工島移転は適切と判断したが、市民への施策周知が十分でなく結果的に市民の厳しい評価を克服できなかった。また少人数学級など子ども関連の施策は好評だったが、同病院問題にかき消された

(2)市財政の債権やアジアとの交流などは経済界に好評だったが、支持票の広がりにまでは達しなかった

などとし、こども病院の人工島への移転を決めたことは「移転を白紙に戻す」とした公約に違反するのでは─とする市民の批判が大きかったことを認めた。 

そのほかには

(3)元佐賀市長の木下敏之氏へ民主支持層の一部が流れ、それを阻止できなかった

(4)選挙期間中、植木とみ子氏が「吉田氏の当選を阻止するため」として選挙戦からの撤退を表明、事実上の「選挙談合」を公然と行った

(5)尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件のビデオ映像がインターネットに流出、民主政権の対応に批判が噴出した

との理由を挙げた。ここまではマスコミなどですでに指摘されている敗因だ。

だが常幹に提出された文書のほぼ半分は、「吉田市政、そして市議団に批判的だった」「温度差があった」などと、一部の国会議員や県議らに対する「恨み節」で埋まっているのである。

(続く)