でたらめなみやま市議会(2)問題すり替え 議長関連会社いまだ受注 [2011年2月22日12:08更新]

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(11年1月号掲載)

みやま市役所本庁舎みやま市議会は「現行の政治倫理条例は廃止し、新年度中に新条例を制定する」と決め、08年6月に検討特別委員会を設置した。

だが市民や一部議員から「議員に都合がいいものになるのでは」「改悪するのではないか」と懸念する声が上がるなど話し合いは紛糾。

当初は緩和を求める議員もいたが、市民らの批判を受けてより厳しいものにする方向へと傾いた。 

見直し派は議員対象・市三役対象と2つあった政倫条例を一本化することを強く求めた。当初、西原市長はこの案に否定的だったが同10月に議会案がまとまると一転して一本化することを決定。最終的には、資産報告の義務がある普通預金額などの規定を従来よりやや厳しくしただけの新条例が09年4月から施行され、一件落着となった。



条例改正騒動は議長の疑惑隠しか

一連の流れを見て分かる通り、騒動の発端は議長が条例に抵触したのではないかという疑惑だった。それが政倫条例の中身の問題とすり替えられたわけで、まさに本末転倒である。 

すったもんだした挙げ句に改正された点は「家で例えるなら、瓦1枚変えたくらい」(ある市議)。この程度の修正に1年以上の時間を掛けながら、問題の本質である議長の疑惑についてはいつの間にかうやむやとなってしまった。条例見直しの本当の狙いは疑惑隠しだったのではないかとすら思えてくる。 

同市総務課文書法制係によると、新しい政倫条例では市議が関連する企業の市発注工事受注に関する規定については旧条例からまったく変わっていない。一方、議長関連の土木会社は、その後も市発注工事を受注し続けているという。

議長の「疑惑を持たれる恐れがある行為」はいまだ継続中なのだが、それをあらためて追及しようとする動きはない。 

現市政に市民は満足?  

さらに、旧政倫条例施行直前に行われた市議選(07年7月)で、条例のことを知らずに初当選した建設会社社長が「議員のままでは(自分の会社が)市発注工事を受注できない」として同9月に辞職するという「異常事態」もあったという。 

こうした実情を見る限り、みやま市議会議員の資質については首を傾げざるをえない。前出の市議は「そう指摘されれば返す言葉もない。政倫条例を改正すべきという声に惑わされ、問題の本質を見誤ってしまった」と肩を落とす。 

「ここでは常識では考えられないようなことが起こる。そしてそれを多くの市民が知らされていない。政治倫理条例をめぐるごたごたはその典型です」。ある市民はため息混じりにこう語る。「何とか市政を変えなければ、という思いは強いのですが・・」 

 

みやま市では2月に市長選を控えている。すでに出馬表明している西原市長への対抗馬は現在のところおらず、無投票で再選される公算が大きいという。市民は現市政、議会に満足しているということなのか。 

夏には市議選を迎える予定だが「議会、そして市政のあり方を変えよう」という気概を持った市民が出て来ない限り、みやま市に未来はない─こう考えるのは筆者だけだろうか。

【編注】西原市長は今月13日、無投票で再選された