何かと話題に事欠かない田川市であるが、二場前市長時代の令和元年よりJR田川後藤寺駅前の再整備が検討されている。
現在の駅前はバスの乗り入れができず利便性に欠けるほか、近隣には老朽化しシャッターが閉まった商店や空家が密集しており暗いイメージが拭えない。
田川再生の核になり得る計画であるが、市は着工に至る3条件を設定しその全てを満たさないと事業に着手しないとしている。
それは
1. 整備により市の財政状況がひっ迫する恐れが生じないとの見通しが立つこと
2. 駅前広場の拡大に伴い、移転となる全ての関係家屋の協力が確認できること
3. 県道後藤寺停車場線の拡幅整備の協力が得られること
の3つで、いずれもかなりハードルが高いが クリアしてほしいものだ。
検討されている案のうち、駅前広場を最大に配置する案のイメージパースが下の図である。
西側には緑のスペースもあって明るくなることが想像され、これを見た市民の皆さんの期待は膨らむことだろう。
下図は広場最大案の見取り図、現在 店舗等が建っている箇所を買収して整備することになっており、駅のすぐ前にある 後藤寺交番が道路を渡ったところに移転することが確認できる。
今一つイメージが湧かないという方のために、現在の地図に 整備後の道路(青線)を重ねてみたのが下図である。
県道後藤寺停車場線の東側(線路側)が急カーブなので、整備後はなだらかにする配慮がされており、ピンクで示した建物も市が買収し 拡幅することとなっており、そこに後藤寺交番が移転するという案である。
市によると、警察に整備後の見取図の中で移転先として希望する場所を尋ねたところ、マークされている箇所が最適という回答があったという。
県道に面し 東西へ出動しやすい最適な場所と言えよう。
地元で話題になっているのがその移転先だ。
かつて小児科のクリニックがあった建物だが、現在は空店舗となっており 窓には佐々木允県議のポスターが貼られている。
調べてみたところ、この建物の所有者は 社会福祉法人猪位金福祉会(佐々木陽子理事長、※佐々木県議が顧問)となっていたので、ポスターが貼られている理由は分かった。
経営難だった建物の所有者である医療法人が、田川郡糸田町で併営していた介護老人保健施設を昨年9月に猪位金福祉会に譲渡した際、同建物も贈与されたという。
現在は賃貸物件として 月額19万8000円の家賃で テナント募集中だが、商店街はシャッター通りで 建物も老朽化、3階建で使い勝手が悪いことから、この金額で借り手はないと言われている。
「二場前市長が検討を始め、県議が顧問を務める社会福祉法人が譲渡された建物に 県道の拡幅が掛かった」という経緯に地元では憶測が広がっているが、「偶然、運がいいだけ」という見方が多いようだ。
後藤寺駅前の再生は喫緊の課題で、小学生のアイデアも採り入れ、市民参画で練り上げてきた整備計画、田川市の未来のために 是非とも前に進めてほしいのだが。
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