次期衆院選 県内選挙区の情勢(1)自民現職、苦戦は必至 [2009年7月27日09:09更新]

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(09年7月号掲載)

衆院選 自民・民主立候補予定者(1-10区)昨年9月の麻生太郎総理就任以来、先送りされてきた次期衆議院選挙。麻生総理は21日、ついに衆院を解散。8月30日投開票が決まった。

7月12日投開票の東京都議選では与党が惨敗、衆院選でもこの傾向は変わらないとみられ、自民は極めて厳しい状況に追い込まれたと言える。 

福岡は麻生総理をはじめ自民の有力議員が顔をそろえるだけに、政権奪取を目指す民主との戦いが激化するのは間違いない。

そこで本紙は、県内11選挙区のうち自民現職と民主候補の対決構図となっている10選挙区について、両党候補に焦点を絞り情勢をまとめた。



民主優勢の選挙区は?  

民主が優勢と見られるのは1区(福岡市東、博多区)と3区(福岡市早良、西区など)、そして10区(北九州市小倉北区など)だ。 1、10区の自民現職はそれぞれ遠藤宣彦、西川京子両氏。2人とも“落下傘候補”として前回選挙で当選を果たしたが、今回は厳しい戦いが予想される。 

 

遠藤氏は前回初当選(比例復活)した、いわゆる「小泉チルドレン」。だが地元支持者からは「何をやっているかまったく見えない」「ずっとここで頑張ろうという意志が感じられない」といった不満の声が上がっている。一方の民主・松本龍氏の陣営は前回遠藤氏に肉薄されたこともあり、危機感を持って臨んでいる。 

郵政民営化法案に反対票を投じた自見庄三郎氏への「刺客」として送り込まれた西川氏。「小泉旋風」に乗って前評判を覆し、大差で勝利。だが今回は風もなく、現在の北九州市長は民主推薦で当選した前衆院議員、北橋健治氏。こうした状況は民主・城井崇氏に有利に働くとみられる。 

3区の藤田一枝氏はこまめな地元回りが功を奏している。現職の太田誠一氏は昨夏、農水大臣に就任したものの失言騒動などでわずか1カ月半後に辞任。その後盛り返したとの見方もあったが「支持者ですら呆れているのが現実。地盤の農村部でも『一度民主に政権を取らせてみては』との声が聞かれるほどです」(地元政治関係者)。

派閥領袖も苦戦か  

派閥の領袖が民主新人を迎え撃つ2区(福岡市中央区など)と7区(大牟田市、柳川市など)。全国的にも注目される選挙区である。

 

7区の古賀誠氏は自らの元秘書で前八女市長、野田国義氏の挑戦を受ける。昨年9月の出馬表明以降、勢いに乗って活動を展開した野田氏だが解散先送りで一時停滞。だが古賀氏の「東国原騒動」もあって激しく追い上げている。 

古賀氏は一連の地方選敗北、東国原英夫氏擁立の失敗などの責任を取る形で党選挙対策委員長を辞任。だが「これで自分の選挙区に貼り付くことができる」「危機感がある証拠」といった見方が地元ではもっぱら。現状を如実に示していると言えそうだ。

(続く)