令和4年夏の参院選で国政政党となった参政党は、これまでアンタッチャブルだった問題に切り込む質疑や質問主意書など、その政治姿勢は一部保守層から高く評価されている。
昨年4月の統一地方選では全国に231人を擁立し100議席を獲得、党勢を拡大していると思われていた。しかし、ここに来て離党者が増え ひと頃の勢いに翳りが見えている。
福岡県では、福岡市博多区、久留米市、福津市、みやこ町、水巻町、苅田町に計6人の地方議員がいたが、久留米市議と福津市議が既に離党、水巻町議も離党する意向を示している。
特に久留米市の長野さとし市議と福津市の山本ゆうへい市議は 立候補前は無名の人物、献身的な党員らの支えにより当選を果たしていながらの離党である。
かつて橋下徹氏率いる「日本維新の会」のスタートアップの時もそうだった。
勢いのある新党には、簡単に「政治家になって人の上に立てる」と勘違いする馬鹿者が集まって来る。
それに加え、人選する組織の方も経験がない。
① 多少頭が回り、② 弁が立ち、③ ルックスはまあまあ、そうした人物が候補に選ばれ、間違って当選してしまうと、感謝の気持ちなど忘れ自分の実力で当選したと錯覚するのである。
政党公認で当選して1年も経たないうちに離党するというのは、政党と有権者を裏切る行為だ。
こうした厚顔無恥な人物が議員活動を続け、市民の血税から報酬を得るというのは道理が合わない。議員辞職するべきである。
さて、これらの市議の問題とは別に、参政党のトップや執行部の問題もSNS上で多数発信されている。
その多くが、一度は参政党に身を置いた人々からのものである。
確かに、神谷氏は事務局長と参議院議員と党代表を兼務しており紛れもなくオーバーワーク、権力が集中し独裁状態という批判も出ている。
参政党支持者には、これまで政治に関心がなかった純粋な人々が多い。
昨年末頃までは 情報が錯そうし、様子見する党員が多かったが、最近は離党者が増えていると言われている。
神谷氏の国家の危機を憂い成果を焦る気持ちも分からないではない。
しかし、組織が壊れてしまえば思いを成し遂げることは不可能だ。
何が間違っていたか真摯に向き合い、もう一度離れていった人々の声に耳を傾け、組織を時間をかけて立て直すことが肝要だろう。