国土交通省・天下りの約束 [2021年3月4日09:26更新]

コロナ禍で格差が拡大し、生活に困窮している国民がいる一方で、一部の高級官僚は美味しい料理とワインに舌鼓を打っている。
国会答弁では平気で嘘をつき、後でバレると難解な霞が関用語を駆使した言い訳で誤魔化す。
大学生の希望する就職先から「霞が関」が激減しているらしいが、そんな高級官僚を見ていると、夢も希望も無くなって当然だ。

ところで、総務省に続き農林水産省の幹部が、更には国土交通省九州運輸局の幹部が利害関係者と会食し、国家公務員倫理規程の禁止行為に該当したとして処分を受けていたことは既報の通りだが、その背景に「天下りの約束」があったという情報が入ってきた。

戒告処分となったのは、現在某運輸支局長を務めるH氏で、昨年11月に利害関係に当たる運送会社(九州内のO市)社長B氏と長崎市内の複数の飲食店で会食し、飲食代金計7933円を支払っていなかったという。
九州運輸局人事課職員がH氏とB氏、双方から聞き取りを行った上で、この前後に禁止行為はなく、また、関連して便宜を図った事実はなかったと結論づけた。



ところが、今年3月で定年退職となるH氏がB氏と「天下りの約束」をしていたというのだ。
令和元年8月、B氏の会社の大型トラックが死亡事故を起こした際、同年6月に県トラック協会会長に就任したばかりのB氏は、当時運輸支局次長だったH氏に穏便に済ますよう依頼、その引き換えに退職後に同協会への再就職を約束したという。

運送事業者が死亡事故を起こした場合、運輸局は事故原因に繋がる法令違反の有無の監査に入る流れになっている。
同年11月に同社への監査が実施され、6件の法令違反が認められたとして、トラック1台30日間使用停止の行政処分が下ったが、処分としては最も軽い方で「情報」通りならここで手心が加えられたことが考えられる。

情報の出処は関係者からで、運輸局が「天下りの約束」を実際に掴んでいた可能性が高く、身内の恥を晒して事を荒立てるより、目をつぶる判断をしたとすれば大問題だ。