日本人を奴隷売買したバテレン [2022年12月5日09:09更新]

旧統一教会を巡り、被害者を救済する新法の検討が行われているが、公明は勿論、自民や立憲も 特定の宗教団体と持ちつ持たれつの関係にあり、法律の内容については慎重な構えだ。

安土桃山時代の1587(天正15)年、豊臣秀吉が九州平定後、この福岡・箱崎の地から「バテレン追放令」を発令した。
一見 キリスト教弾圧のように思えるが、この追放令 及び 関連して出された「11ヶ条の覚書」を見ると、相応の理由があったことが分かる。

そこには、「一時的に大名として統治を任せているのに、大名がキリスト教に改宗し、百姓に理不尽なことを命じたり寺社仏閣を破壊している」、「明やポルトガル・スぺイン、朝鮮に日本人を奴隷として海外に連れ出している」、「牛馬を売買し、殺して食している」といったことが書かれている。

また、「南蛮船との交易についてはそのまま継続してよい」、「仏法の妨害をしければ誰でも往来してもよい」、そして「現在の信者(庶民)はそのままキリスト教の信仰を続けてよい」とされている。

為政者が常に 新しい宗教の対応に苦慮してきた歴史があるが、「寺社仏閣の破壊」「日本人の奴隷売買」と なれば、宣教師の追放は当然だろう。
一方で 政治体制を壊さない程度の信教の自由を認めているところが 興味深い。


さて、今回の旧統一教会問題、バテレンの奴隷売買とは異なるが、信者から財産を搾取し海外に送金しており、我が国の国益を損ねている点は共通する。
バテレン追放令並みの措置と言えば 解散命令だろうが、そこまでは難しい模様、今後も想定される宗教団体による被害者救済について、国がどのような制度設計を行うか注目だ。