【福博噂話】- 紙面掲載記事 [2012年3月2日13:14更新]

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15年前、天神地区に福岡三越が進出し、九州一円からの集客が期待され、九州初のブランドが相次いでオープンした

週末は県外ナンバーの車で溢れ、同地区の地代や家賃は右肩上がりで、ショッピングビルもテナントも、我が世の春を謳歌していた。天神を中心として、西や南にも人が流れ、周辺も大いに潤い、天神西通りから西側の大名地区は家賃高騰が急速に拡大された。しかし予想に反して冷え込みは早く訪れ、いったん空き店舗が出だすと、人の流れは急速に変わり、他地区への移動が始まった

昨年3月に九州新幹線が全線開通、博多駅の乗降客は一挙に増え、JR博多シティに博多阪急とアミュプラザがオープンしたことで様変わりする。博多駅周辺に移った人の流れは一時的で、直ぐに戻ると大多数の人が安易に考えていた。だがパイは大きくならず小さいままでしかなく、天神地区商店街は暑い夏を迎え、客よりも店員が多い苦しい経営が続き、天下の三越も例外ではなく、幹部クラスのボヤキが漏れ始めた

バスと電車のターミナルがあるデパートの誕生は、他のデパートにとって驚異だったが、逆に売り場のレイアウトは客に不便で、それを引きずり三越の売上は伸びず、岩田屋と伊勢丹の合併も功を奏せず、人員削減を迎えた。昨年暮れから流れ始めた三越撤退の噂は、瞬く間に女性の間を駆け巡り、2月に入ると噂が噂を呼んで取引先も注目し始めた。早くも家電量販店の名前も取沙汰される始末で、違うのであれば早い対応が望まれる。