鹿児島産廃処分場建設 植村組JVが受注(1)土地所有者の関連会社 [2010年11月29日14:27更新]

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(10年10月号掲載)

鹿児島県が計画する処分場予定地鹿児島県(伊藤祐一郎知事)が同県薩摩川内市で進めている公共関与型の産廃処分場建設計画に絡み、処分場施設の設計・建設工事の入札がこのほど行われ、予定地を所有する企業の関連会社を含む共同企業体(JV)が落札した。

工事を発注した財団法人「鹿児島県環境整備公社」(同市)は「事業者選定は公正だった」としているが、計画に反対する一部の地元住民からは「審査は出来レースだ」「一連の計画は、特定の企業グループへの便宜供与意外の何者でもない」と批判が噴出。

強引かつ露骨な伊藤県政のやり方に反発を強める反対派住民は「こんな計画を許すわけには絶対にいかない」と、これまで以上に激しい運動を展開している。  



処分場が計画されているのは同市川永野地区の採石場跡地(下地図参照)。鹿児島県が選定したこの場所に、同県環境整備公社が産廃管理型最終処分場を建設、運営するというもので、着工は来年4月を予定している。 

鹿児島県の産廃処分場建設予定地

同県は06年から建設候補地の選定を開始。県内29カ所の中から4カ所に絞り込み07年5月、生コン製造会社「ガイアテック」(同市)が所有するこの採石場跡地を選んだことを発表した。 

ところが、予定地の選考や決定の過程に関する会議録が存在しないことが判明。他の候補地についての詳細な報告書などもなく、鹿児島県が選定の根拠としたのはガ社が作成、提出した適地調査などに関する報告書だった。本紙は「まず結論ありきで選定作業を進め、複数から選んだと取り繕ったのではないか」と指摘していた(09年7月号)。 

この計画をめぐっては、予定地が霊山として名高い冠岳の中腹にあること、また水源地に当たることから「鎮国寺」などの「九州四十九院薬師霊場会」や地元住民らが反対運動を展開している。

 

「出来レースだ」 地元反対派住民は猛反発 

今回、同公社が入札を行ったのは処分場施設「エコパークかごしま(仮称)」の設計・建設工事。今年初めに同県が発表した基本計画を受け、同公社は事業者の選定作業を開始。9月に総合評価方式による一般競争入札を行い、参加した3JVの提案を外部委員5人が審査。

その結果、「大成建設」など4社で構成するJVが約74億円で落札したことが、10月5日に発表された。 

 

ところがこのJVの中に「植村組」(鹿児島市)が含まれていることが明らかに。信用調査会社によると、同社は地元建設業界の有力企業の1つ。土地所有者であるガイアテック社の株を保有しており、2社はグループ会社の関係にある。

そのため、一部の反対派住民から「完全な出来レースではないか」と激しい反発・怒りの声が上がる事態となった。 

(続く)