鹿児島産廃処分場建設 植村組JVが受注(2)田舎芝居に住民猛反発 [2010年11月30日13:38更新]

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(10年10月号掲載)

鹿児島県庁で反対行動を展開する住民ら(9月30日)総合評価方式は、参加した企業やJVが提案する事業内容を外部の識者などで構成する委員会で審査、最も優れているとされた者を事業者に決める手法。

今回は公正を期すためにJV名が伏せられた状態で提案内容などを審査したといい、同公社は「審査は適正かつ公正に行われた」と強調する。 

だがこの総合評価方式については「審査・評価する側の主観が入り込む余地が多く、公正さに欠ける」という批判が相次いでおり、不正や疑惑が囁かれる例が後を絶たない。このことは先月号「J氏の独り言」で報じた。 



ただでさえ候補地選定の経緯が不透明だと指摘されているのに、土地所有者の関連会社が施設建設を請け負うことになれば、反対派住民の感情を逆なでするのは明らかだ。

だが同公社は「特定の業者を事前に排除する理由がない」、また事業者発表後も「まずかったとか不適切だったという声は、内部では出ていない」という。

福岡のある建設業界関係者はこう苦笑する。「官製談合の臭いがぷんぷんする。同じやるにしても、もっとスマートな方法があるだろうに。下手な田舎芝居だね」

真の狙いを露呈  

本紙は昨年11月号で「民間所有の採石場跡地を県が処分場建設名目で買い上げることこそが、計画の本当の目的なのではないか」と述べた

だが間違っていた。この場を借りて謹んで次のように訂正させていただきたい。 

採石場跡地を買い上げるだけでなく、その上に建てる施設の工事まで請け負わせることで、特定の企業グループに便宜供与を図ることこそが、処分場建設計画の真の狙いなのではないか。  

当初は「内容等について十分に説明させていただければありがたい」「情報公開は完璧にやります」と明言、計画実現に自信を見せていた伊藤知事。だが本紙が昨年2月号でこの問題を報じて以降態度が急変、地元住民の再三の面会要請にも応じず、基本計画を発表した際には記者会見すら行わなかった。

挙げ句の果てに周囲の目も気にせずここまで露骨なことをするとは、呆れて物も言えない。 

 

今回の件は地元マスコミも、控えめな形ながら報じていた。

伊藤知事がシナリオを描き自ら主役を務める田舎芝居、その舞台で自分たちがどんな役回りを演じているのか。知的レベルのあまり高くなさそうな鹿児島の記者の皆さんにも、さすがにお分かりいただけたのではないだろうか。

自信見せる反対派  

地元の反対をよそに、着工へ向けなりふり構わず突き進む伊藤県政。当然ながら住民や霊場会の反発は強まるばかりで、9月30日には鹿児島県庁を訪れ担当者らを詰問、質問書を手渡すなど抗議行動を繰り広げた(写真)。 

反対派住民の代理人を務める馬奈木昭雄弁護士(久留米市)は「こんなずさんでいい加減な計画など、止められない方がおかしい」と自信を見せる。同弁護士らは近く、同事業に補助金を出さないよう要望するため国・環境省などを訪れる予定。

ちなみに環境大臣には9月、福岡県選出(1区)の衆院議員、松本龍氏が就任している。