離婚しても親子の絆 [2012年4月13日12:06更新]

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福岡市は若い女性の働く場所が多いため、住民票は近郊の実家に置いたまま、ワンルームで1人暮らしをしている女性が多いようだ。それだけに結婚式を挙げる数も多いのか、最近は結婚式場と披露宴会場を兼ね備えた専門の式場が増えており、従来の結婚式場との競争が一段と激しくなっている。また昔は結婚式では必ず仲人が居たものだが、新しいスタイルとして人前結婚が主流となり仲人不在の式もあり、さらには既に新婦が妊娠している「授かり婚」が、堂々と行なわれているから面白い。だから結婚祝いを持参して披露宴に出席しても、数ヵ月後には出産祝いを届けるケースも増えた。
結婚があれば当然離婚もあり、昔は離婚することは恥であり、それを親も隠していたが、最近は嫁の親も孫可愛さに安易に離婚を容認し、実家に引き取る例が多いようだ。母子家庭になれば公的な支援も得られ、生活力旺盛な女性は実家から独立し、子供を育てている母親も多い。一方では「バツイチ」の言葉も認知され、中には威張って宣言している女性も出て来た。
離婚の形態は様々あるものの、男性が子供を育てることは容易でないため、大多数は母親に親権が移り、養育費を払うだけで、子供にも面会できず悩んでいる父親も多い。
離婚後に父親が地位や収入の面で成功していれば、子供のほうから訪ねて来ることもあるが、母親が子供に父親が悪いから離婚したと、幼い時から教え込んでいるためか、それとも家庭裁判所の調停員は女性の涙に弱いためか、父親は一方的に不利な条件で、離婚を認めさせられているのが現状のようだ。
昨年来、家族の絆などが盛んに話題となって、子供に面会を求める父親が増えたものの、母親が面会拒否するため家庭裁判所に面会調停を求める父親の数が、この10年間で3倍に増えたと報じられていた。最近は離婚数が年間25万組前後と言われ、その中に子供を持つ家庭がどの程度あるか定かではないが、我が子に会えない父親が、現行制度に不満を持ちながら泣き寝入りしているようだ。
夫婦は別れれば他人だが、親子は血の繋がりがあるだけに会いたくなるのが人情で、親子の情を取り上げた物語も多い。離婚が成立した夫婦は、双方が会うことを拒む場合が多いだけに、子供の受け渡しなどを支援する組織が各地で誕生している例を、最近はよく耳にする。こうした支援組織が生まれること自体に疑問を持つが、これも時代の流れだろうか。

福岡県民新聞第63号 2012年3月15日号 掲載