支持率低下、年内解散の噂も

「虎は死して皮を留め、人は死して名を残す」
人は名誉を重んじることが大切という意味のことわざだ。

参議院選挙の終盤戦で安倍元総理が銃撃で亡くなり、早々と国葬が決まった一方で、マスコミは統一教会と国会議員との関係を一斉に報じ始め、安倍氏の負の遺産にも注目が集まっている。
特に自民党安倍派の議員は領袖の言動から、他の派閥より親密な関係議員がいたのは当然で、マスコミは次々と関係資料や過去の映像を入手し国民の知るところとなっている。

また、安倍元総理が亡くなったこのタイミングで、東京五輪組織委員会の元理事の捜査も始まった。
理事の選定段階から高橋氏について黒い噂が流れていたとも言われ、最近では金額も9億円に膨れ、他のスポンサーの名も一部で囁かれている。

先の世論調査で国葬反対が50%を超えた。
銃撃直後はあまりのショックで 国葬決定に異論は出てこなかったが、時間が経ち マスコミ報道で国民の意識に影響を与えたかもしれない。

同時に岸田内閣の支持率も下降線を辿り始めている。
「衆議院の選挙区割りが実施される前に年内解散」という話は1ヵ月ほど前から聞かれたが、現実となる可能性も出てきた。

宗教との距離を見直す機会

一部ネットニュースで、統一教会の関連団体に 自民党議員 98名、立憲民主党 6名、日本維新の会 5名、国民民主党 2人が関わりを持ち、そのうち閣僚や党幹部の経験者が 34人に上ると報じられ 話題になっている。
保守的な思想を持つ政治家、これだけの国会議員が 社会的に批判の多い宗教団体と繋がっていて、いったいどこが保守かと怒りを覚えた支援者もいるのではなかろうか。

一般的に 殆どの人は 政治家を志したときは 特定の宗教とは無縁だが、次第に引き込まれていく。
例えば、前任者が宗教団体と関わりがあれば その地盤を引き継ぐ中で紹介され、否が応でも関わるようになる。(統一教会と自民党政治家の関係は これに当たる。)

また、初めての選挙の後、支持者=宗教団体の信者 から声が掛かり 断れないケースも多い。
宗教団体にとっては 関係する政治家が一人でも多い方が、信用度が上がるので都合がいい。
政治家の側も余程 強い支持基盤があれば、きっぱりお断りできるのだが、別に信者になることを強制される訳でもないので、適当にお付き合いしていこうとなる。

こうして、中道から保守の政治家が 複数の宗教団体と付き合いがあり、集会に来賓として呼ばれ 挨拶することは珍しくない。

国会議員と統一教会の関連団体との関わりについては、霊感商法などの被害があることを知りながらも、岸信介元首相の時代から「反共」を明確に打ち出し、諸先輩方がお付き合いをしてきた歴史があり、数ある宗教団体の中でも 比較的ハードルが低かったのではなかろうか。
そして何より、「保守」を標榜した安倍元首相の関与こそが、多くの政治家の安心に繋がったと言えるだろう。

今回の事件は宗教と政治家の距離を見直す 良い機会である。
殆どの中道保守の国会議員の本音は、神道や伝統宗教は除き、新宗教との関係を断ちたいものと想像する。
憲法に政教分離の原則が規定されているのだから、政党内部で 今後一切 宗教団体の集会に出席しないと申し合わせるのも一つのアイデアだ。

UPF(文鮮明・韓鶴子総裁夫妻が創設した団体)日本支部のホームページ

アフリカから合同結婚式へ

殺人容疑で送検された山上徹也容疑者の動機に、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への恨みがあったということで、メディアが注目し過去の霊感商法や献金などによる被害がクローズアップされ、批判の的になっている。

ただ、山上容疑者が捜査をかく乱するために、過去の母親の宗教話を持ち出した可能性も否定できない。
捜査が始まってから、容疑者の取り調べの内容がだだ漏れしてくるのも不自然で、容疑者が関西の右翼団体に所属していたという話も聞かれ、冷静に見ていく必要があるだろう。

ところで、私は統一教会について詳しくないが、近所の一軒家に住むアフリカから来た女性信者のAさんを知っている。
Aさんは、統一教会の合同結婚式で アフリカ某国から十数年前に来日、福岡市に住む男性と結ばれるも、その男性は数年前に亡くなったという。
ご主人が残してくれた家に今は一人暮らし、時々話すが 思いやりに溢れ 笑顔を絶やさない人である。

一方で、宗教法人はこうした敬虔な信者からの浄財によって支えられ、組織の維持拡大のため いかにその額を増やすか様々な知恵を絞っている。
それが、免罪符のようなものであったり、何かご利益のある商品を買わせることだったりする。
奇想天外な合同結婚式もその一つで、参加者から莫大な手数料が支払われたのは間違いないだろう。

はるか異教の地で暮らすAさん、自分に置き換えてみて、アフリカで一人暮らしをしていると考えると何と心細いことか。
傍からは、 宗教法人に上手く利用されただけにしか見えないが、それは余計なことだろう。
恐らく教会からは 運命を受け入れ、「今」に満足するよう教えられていると想像している。

選挙結果と安倍元総理銃撃

選挙戦終盤に安倍元総理が凶弾に倒れた。
重苦しい空気の中 投開票が行われ、その結果与党の圧勝となり岸田政権にお墨付きが与えられた。

ロシアのウクライナ侵攻以降、岸田総理は欧米と共に 世界分断の流れに積極的に関与しているが、国民がそれを支持したことになる。
しかし、同時に 安全保障やエネルギー、食糧など 日本を取り巻く環境が厳しさを増していくことを 受け入れなければならない。


ところで、銃撃犯人の動機や背景については、マスコミ・週刊誌は宗教団体への恨みがあったと報じ 人物像をつくり上げているが、恨みをはらすのが目的なら 危険を冒して SPと警察がはり付いている元総理をわざわざ襲うだろうか。
たまたま今回 隙を突いたが、通常なら近づいた時点でSPに制止され 逮捕されるのがオチで、宗教団体の施設や関係者に危害を加える方がよほど現実的だ。

3回目の登板を視野に入れる最大派閥の領袖、かつ  右派の中心的存在、要人中の要人、という点を考慮すると やはり政治テロと考える方が筋が通る。
「誰が得をするのか、世界情勢と絡めて考えると答えが見えてくる」と語る関係者もいる。