さとうベネック再生なるか [2012年9月20日10:18更新]

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最盛時には九州ゼネコンの2番手に位置していたさとうベネックも、不動産投資の失敗から創業者一族の手を離れ、最後は福岡のビルオーナーが経営権を握った。

金融業で儲けてビルのオーナーになった経営者に、ゼネコンの経営は理解出来なかったようで、8月20日の決済資金が不足し、1回目不渡りとなって状況は一変した。不渡りで下請業者が現場から引き上げ、ストップしていた工事は再開されず、発注していた施主の大半は工事継続を認めず、遂に経営そのものの継続が厳しくなり、9月7日東京地裁に民事再生申請に踏み切った。

その後債権集会を開き、資材納入業者や下請業者に対して支援協力を求めたが、新しい経営者が会社の運転資金を流用して、さとうベネックの買収に費やした借入金を返済した件で、債権者の質問に経営者は明確な回答が出来ず債権集会は紛糾、民事再生を果たして裁判所が認めるのか、非常に微妙な状況になってきた。

景気低迷が長引いており、社員の再就職は困難と思われていたが、優秀な社員が残っていたさとうベネックは、個別に求人申し込みがあり、大半の社員が9月末で退社すると言われている。

70%にも上る社員が、現経営者に愛想を尽かし退社することを債権者も知っており、余程強力なスポンサー企業が出現しない限り、民事再生は困難な状況で、自己破産申請に切り替える情報が流れ出した。